バイオリンの弓の素材はまさかの馬
突然ですがみなさん、バイオリンの弓には馬の尻尾が使われているって知っていましたか?
クラシック音楽の世界で欠かせないバイオリン。その音色を生み出す“弓”に使われているのはなんと「馬の尻尾の毛」。なぜそんなものが使われているのか? どのような仕組みで音が出るのか?
今回は、バイオリンに関する面白い雑学をお届け。最後までお読みいただくと、バイオリンについてちょっぴり詳しくなることでしょう。
バイオリンには馬の尻尾が使われている
冒頭でも述べたように、バイオリンの弓には、馬のしっぽの毛が使われています。1本の弓にはおよそ150本もの毛が張られていて、この毛が音を生み出す大切な役割を果たしています。実はこの毛には非常に細かな凹凸があり、弦との摩擦を強めて弦楽器独特の繊細な音を引き出してくれるのです。
特に人気があるのは、モンゴル産の白馬の尾の毛。品質が優れていると言われることもありますが、実際にはモンゴルでは背の低い馬が多く飼育されていて、毛量も多いため、安定して供給できるという点も重視されているようです。
バイオリンの弓毛の仕組み
上記で述べたようにバイオリンの弓には、昔から馬の尻尾の毛が使われてきました。1本の弓にはたくさんの馬の尻尾の毛が、きれいに一直線にそろえて張られています。ただ、使われるのは、クセのない真っすぐな毛だけ。縮れたり太すぎる毛は取り除かれ、選び抜かれたものだけが使われます。
演奏の際には、弓毛に「松脂(まつやに)」と呼ばれる樹脂を塗ります。これは松の木から採れる樹液を固めたもの、黄色や黒っぽい塊になっており、こすりつけると白い粉が出ます。松脂には粘り気があるため、毛に塗ることで弦をしっかりこすり、音を出しやすくする働きがあるのです。
バイオリンの演奏を聞いたときに今回の雑学を思い出してみよう!
今回の雑学を振り返ってみましょう。
バイオリンの弓には、昔から馬の尻尾の毛が使われており、1本の弓にはおよそ150~180本の毛がまっすぐに揃えて張られています。これらの毛には目に見えないほどの細かな凹凸があり、弦との摩擦を生み出して繊細な音色を引き出します。演奏の際には松脂(まつやに)を弓毛に塗り、粘着性を持たせることで弦をしっかりこすれるようになります。特にモンゴル産の白馬の毛は、豊富な供給量とふさふさした毛質から人気があり、品質面でも好まれています。
今回の雑学、バイオリンの演奏を耳にした時にでも思い出してみてください。きっとバイオリンの音色がいつもよりも心地よく感じることでしょう。