世界の『最弱な生き物』ランキングトップ5 あまりにもデリケートすぎる生態について解説

雑学

世界で最も弱い生き物とは?

世界にはさまざまな生態をもつたくさんの生き物たちが存在しています。

生き物たちの強さや弱さは、パワーや俊敏性といった身体能力、体のサイズや繁殖力など、どのような点を基準に考えるかで優位性が変化しますが、中には明らかに「自然界では弱い存在なのでは…」と言われてしまうような生き物も。

今回は、いろいろな意味で「最弱」と思われがちな生き物についてご紹介します。

いろんな意味で「最弱」な生き物トップ4

コアラ

動物園で人気者のコアラは、生存競争に敗れた結果、普通なら毒性があるため避けるユーカリのみを食べて生き抜いています。しかし、ようやく確保できたユーカリも、毒性があるだけでなく、繊維質で栄養価が低いという難のある食べ物でした。

コアラの体はユーカリの毒素を分解する能力を手に入れましたが、葉を消化するだけでも多くのエネルギーを必要とするため、1日のうち20時間前後を寝て過ごす「省エネな生活」を余儀なくされたのです。

また、ユーカリは数百種類もあるのに、コアラが食べるのはそのうちの数種類。中には1種類のユーカリしか受け付けないグルメすぎるコアラもおり、食べられるものが少ないという意味では自然界において最弱かもしれません。

ナマケモノ

世界一動きが遅い哺乳類であるナマケモノは、体の筋肉がとても少ないために、地上では足で踏ん張ってしっかりと立ち上がることもできない生き物です。

地面を這うように動いたら、1分あたり3メートルほどしか進めません。そのため、生涯のほとんどを過ごす木の上では、長いかぎ爪をフックとして使ってぶら下がり、敵の目に留まらないよう1日の大半を動かずに過ごします。

ところがそんなナマケモノも、木の根元でトイレをするため、週に一度ほどは地上へと降りるのだそう。これは、排泄物を自分たちが暮らす木の栄養分にして共生していくためなのですが、敵に見つかると逃げるスピードが遅すぎる上に抵抗するパワーもないため、あっさりと狩られてしまう最弱っぷりを披露しています。

人間のお世話なしには自然界で生き抜くことができない生き物として最弱なのは、絹の元になる蚕です。

実は、蚕は人間によって完全に家畜化された虫で、幼虫は近くにエサを置いて誘導してあげなければ探すこともできずに餓死したり、自然界にある桑の木に乗せても脚の力が弱すぎて、ちょっと風が吹いただけで滑り落ちてしまいます。

また、成虫となっても、飛翔能力がほぼ退化していて飛び立つことはできず、口吻がないためエサをとることもできません。次の世代となる卵を産んだら、すぐに死んでしまうのです。

チーター

「大型の肉食獣はみんな強い」というイメージを覆すのが、チーターです。

確かに獲物となる一部の草食動物に対しては優位性を示せるのですが、スピードに特化した狩りの仕方を実現するために、体をほっそりと軽量化させる進化を遂げたせいで、パワーあふれる攻撃力や防御力を捨てることになりました。

そのため、大型肉食獣たちの中では最弱レベル。せっかく狩った獲物も横取りされてしまうことが少なくありません。

地球上で最も弱い生き物第1位は「人間」?

しかし、世界の最弱生き物ランキングを作るとしたら、第1位になるのは人間だとも言われています。生まれたばかりの赤ちゃんは1人では何もできず、大人になってからも他の動物と生身でぶつかり合うには身体能力が足りないこともしばしば。

丸裸では暑さや寒さへの適応もできず、「考える生き物」であるがゆえに他の動物種にはない精神的なストレスで体調を崩すこともよくあります。

だからこそ集団の中で道具や武器を作り出し、工夫しながら生活してきたわけですが、もしも今「人間社会を完全に捨ててたった1人で生きていけ」と言われたらかなり難しいでしょう。

生き物の「弱さ」の基準はさまざま

最弱な生き物とは何かを考えてみると、順位付けするための基準そのものが難しく、簡単にはランキング化できません。基本的に、自然環境に生きる生き物たちは、食べたり食べられたりして連鎖しながら生きています。

人間も、道具や武器があれば強いかもしれませんが、生身で闘うとなると弱い生き物です。果たして動物の方が弱いのか、人間の方が弱いのか、皆さんはどちらだと思いますか?

こんな記事も読まれています

『トランプのマーク』には意味があった!スペード・ハート・ダイヤ・クラブの秘密とは?

ニワトリに関する雑学4選 知られざる生態や年間に産む卵の数まで