世界一毛深い動物はラッコ
みなさんは、世界で一番毛深い哺乳類は何だと思いますか?クマやサル、猫や犬などを思い浮かべる方も多いとは思いますが、正解は意外な動物。水族館の人気者「ラッコ」です。
ラッコは、他の哺乳類よりも密集した毛を持っており、”世界一毛深い哺乳類”とされています。1平方センチメートルあたりに存在する毛の本数は、なんと約10〜14万本。この数字は、他の哺乳類と比べても圧倒的で、これほどの毛量を持つ動物はそうそういません。
ラッコの毛の量は人間の160倍
ラッコの毛は非常に細く密集しています。人間が持つ毛と比べてもその数は驚異的。ラッコの毛の量は、人間の約160倍に達するともいわれています。
具体的に説明するなら、一般的な人間の髪の毛量はだいたい約10万本。それに対して、ラッコは前述の通り1平方センチメートルに約10~14万本も有しています。つまり、ラッコは1平方センチメートルあたりにひとり以上の髪の毛が生えているのです。全身で換算するなら、およそ8~10億本もの毛が生えています。ラッコがどれだけ毛深い動物なのか、お分かりいただけたことでしょう。
ラッコが毛深い理由
なぜラッコはこれほどまでに毛深いのか?その理由は、野生のラッコたちが生息する海にあります。ラッコは主に北太平洋の冷たい海で生活しています。当然、極寒の地です。
ラッコはクジラやアザラシなどの、脂肪の層をあまり持っていません。脂肪で冷水から体温を守る機能を有していないのです。そこでラッコたちは別のアプローチをとりました。それが毛深い体毛です。
ラッコたちの毛は二層構造になっており、冷たい水が皮膚に当たらない構造になっています。この毛のおかげで、ラッコたいは冷たい海水の中でも過ごすことができるのです。動物の進化というものは本当に面白いですね。
ちなみに、ラッコたちは一日の大半を毛づくろいに費やしているそうです。これは、毛の機能が低下して防水性が損なわれないようにするため。可愛い仕草だと思っていましたが、ラッコたちにとっては生きるうえで重要な仕草だったようです。
この機会にラッコを見に行ってみよう!
余談ですが、ラッコたちには他にも面白い特徴を持っている動物です。たとえば、貝を割る石にはそれぞれお気に入りのものがあったり、その大事な石をなくしてしまったらスゴイへこむなど。知れば知るほど面白い生態の持ち主です。
今回の記事をきっかけに、ぜひ水族館などへラッコを見に行ってみてはいかがでしょうか。