ベートーヴェンの肖像画が『不機嫌な顔で描かれている』理由…思わず笑っちゃう意外なワケとは

雑学

ベートーヴェンが不機嫌なのは食事がまずかったから!?

学校の音楽室の壁に飾られていたり、音楽の教科書に掲載されていることから、ベートーヴェンの肖像画は誰もが見たことがあるほど有名です。しかも、ベートーヴェンの肖像画と言えば、「不機嫌そうで怒っている」あの顔を思い出す人も多いのではないでしょうか。

他の作曲家たちの肖像画にはさほど不機嫌な印象がないにも関わらず、ベートーヴェンだけいったいどうして…。その背景には、意外な理由があったと言われています。

マカロニチーズ作りが失敗したせいで激怒

肖像画の制作を行う予定にしていた日の朝、ベートーヴェンが家政婦に朝食として作ってもらったのはマカロニチーズでした。マカロニチーズは、ベートーヴェンの大好物だったと言います。

ところが、肝心のマカロニチーズはとてもマズい仕上がりに。マカロニを茹で過ぎて、まるでおかゆのような状態になっていたのです。

大好物をおいしく食べることができず、ベートーヴェンは怒りがこみ上げてしまいました。家政婦に当たり散らしてはみたものの、それでもイライラが収まることはなかったようです。

不機嫌なまま肖像画の制作へ

そんな状態のベートーヴェンの元へ不運にもやって来たのは、肖像画を制作する予定だった画家です。予定通り訪れた画家を前に、ベートーヴェンは不機嫌な様子を隠すこともなく、そのまま制作に入らざるを得ませんでした。

一説によると家政婦だけでなく、画家までベートーヴェンに怒りをぶつけられたと言われており、画家にとっては踏んだり蹴ったりだったようです。

こうして出来上がったベートーヴェンの肖像画は、ムッとした不機嫌な顔になってしまいました。

実際にはベートーヴェンは怒っていなかったという説も

しかし、「マカロニチーズがマズくて不機嫌な顔になった」という説は、そもそもが間違っているのではないかとも言われています。

と言うのも、このエピソードを残したのは付き人だったアントン・シンドラーなのですが、ベートーヴェンについて不正確な書き換えをすることがあったりと、研究者たちの間では信用できない人物として扱われているからです。

ベートーヴェンは椅子に座ってじっとしていることが苦手だったため、4日に分けて行われた肖像画の制作中、確かにイライラしていた可能性はあります。けれども、楽譜やペンを持ってちゃんとポーズを決めているところを見ると、制作に協力的な姿勢も見せているようです。

ベートーヴェンが短気で気難しい性格であったと伝わっていることや、肖像画にまつわるさまざまな怪談があることから、ベートーヴェンの有名な肖像画は「不機嫌で怖い顔」だと思い込まれている部分もあるのかもしれません。

「不機嫌」を印象付けたベートーヴェンの逸話の数々

実際のところ、ベートーヴェンはこだわりが強くて頑固な上に、かんしゃく持ちでせっかちであったなど、エピソードには事欠かない人です。散らかった部屋で作曲中に奇声を発したり、入浴による水漏れを繰り返して、生涯の引っ越し回数は50回以上に及んだのだそう。

また、少しでも気に入らないことがあると使用人に本や食べ物を投げつけたりすることも多く、なかなか仕事を続けてくれる人はいませんでした。

大好きなコーヒーも、豆の数は必ず60粒でなければいけないと決めていたほどのこだわりっぷりで、そばにいる人はさぞかし大変だっただろうと思いきや、意外にも友人や恋人の数は多いという憎めない人物だったようです。

こういったエピソードの数々が残っていることから、マカロニチーズのせいで不機嫌な顔の肖像画が完成したという逸話があっても不思議ではないと思えてしまうのでしょう。

ベートーヴェンの肖像画は不機嫌な顔?

ベートーヴェンの肖像画を見てみると、人によっては不機嫌に見えたり、キリッとした意志の強い眼差しに見えたりとさまざまです。

実際にマカロニチーズ事件があったのかどうかは気になりますが、本当のところはもう誰にも分かりません。

しかし、ベートーヴェンが偉大な音楽家であるのは事実です。どんな人だったのだろうと想像しながら、ぜひ曲を聴いてみてくださいね。

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