ワッフルの発祥の地をめぐる物語
ベルギーワッフルは、日本でもカフェやコンビニで見かける定番スイーツです。実は、その起源はベルギーより遥か昔、古代ギリシャにさかのぼります。鉄板で挟んで焼くシンプルなお菓子が時代と共に進化し、現在私たちが楽しむワッフルになりました。今から、その知られざる歴史を一緒に見てみましょう。
古代ギリシャから中世へ
ワッフルの最初の姿は、古代ギリシャの「オベリオス」というお菓子でした。これは小麦粉と水を練って鉄板で挟み、火で焼いただけのシンプルなものでした。
それが中世のヨーロッパへ伝わると、フランスを経てオランダで格子模様が加わりました。この格子模様のおかげで、焼き上がりが均一になり、サクッとした食感が楽しめるようになったのです。また、オランダ語で蜂の巣を意味する「wafel」という名前が付き、現在のワッフルの原型が完成しました。
ベルギーで“故郷”と呼ばれるまで
その後、ベルギーで大きな転機が訪れます。1810年代にリエージュで、砂糖を生地に混ぜ込む方法が考え出されました。一方、1830年代にはブリュッセルで、軽くてサクッとした食感が特徴のワッフルが誕生しました。
この2種類のワッフルがベルギーを代表するお菓子としてヨーロッパ中で評判になり、ベルギーがワッフルの母国として認識されるようになったのです。
ベルギーがワッフルの母国となった背景を、さらに掘り下げていきます。
ベルギーワッフルが世界を魅了した理由
ベルギーワッフルはなぜ、世界的に知られるようになったのでしょうか。その理由は、1950〜60年代の万博にありました。
ベルギーで生まれたワッフルが国境を超え、世界中の人々の味覚と心を掴んだ背景には、2つの重要な出来事があります。リエージュとブリュッセルという、性格の異なる2種類のワッフルが、それぞれの魅力を発揮し、多くの人々に新鮮な驚きを与えました。
リエージュの砂糖が生んだ革新
リエージュタイプのワッフルの大きな革新は、何と言っても生地に混ぜ込まれたパールシュガーです。焼くことで砂糖がカラメル化し、香ばしくカリッとした食感を生み出しました。
この新しい食感は、これまでのワッフルにはなかったものでした。口の中でザクザクと弾ける砂糖の粒が、多くの人々を魅了したのです。従来のシンプルな焼き菓子が、ここで劇的な進化を遂げたことが、リエージュタイプのワッフルが世界で愛されるようになった大きな理由でした。
ブリュッセル万博が開いた世界への扉
もうひとつのワッフル、ブリュッセルタイプは、軽くてふんわりとした食感が特徴です。長方形の生地は空気をたっぷり含み、軽快な食感が楽しめます。
このワッフルが広く知られるようになったきっかけは、1958年のブリュッセル万博でした。世界各国から訪れた人々が、今まで味わったことのない軽さと美味しさに驚きました。その評判が1964年のニューヨーク万博でも広まり、ベルギーワッフルは世界的に知られるスイーツになったのです。
まとめ
ワッフルのルーツは、意外にも古代ギリシャまで遡ります。そこから中世ヨーロッパを経て、ベルギーで今のような姿になり、さらに世界の人気スイーツへと成長しました。
身近に感じているワッフルに、こんな長い歴史があると知ると、ちょっと嬉しくなりませんか?次にワッフルを食べるとき、ぜひ誰かにこの話を教えてみてください。会話がきっと盛り上がりますよ。