昔の黒板は本当に『黒』だった
現在において、どこの学校でも黒板は設置されている「黒板」。学生時代、ほとんどの方が黒板を見て過ごしたはずです。そんな黒板ですが、その色を覚えていますか?そう「緑色」です。どうして”緑なのに黒板”なのか?誰しもが一度は疑問に思ったことでしょう。
実は本来の黒板は本当に黒色でした。そのため、昔の黒板は名前通りだったのです。それが時代が変化するにつれ緑色へと変化していきました。
黒板の歴史
黒板が緑色に変わった理由の前に、まずは黒板の歴史をおさらいしましょう。黒板が日本に登場したのは江戸時代から。
藩校や寺子屋で「塗板(ぬりいた)」と呼ばれるものが現在の黒板代わりとして使われていました。塗板は、表面に朱色や黄色の漆が塗られた小さな板。文字を書いては消すことができましたが、どちらかというと掲示板のような役割で使われていたようです。現代の黒板とは用途が異なっていたようですね。
1872年に学校制度がスタートした際、スコットという人物によってアメリカから「ブラックボード」が東京大学の前身である大学南校に導入。それ以降、黒板も普及し始め全国に広がっていきました。「ブラックボード」は日本語の直訳「黒板」として定着しました。
国産の黒板が初めて作られたのは1874〜1876年ごろとされています。当時は墨汁と柿渋を重ねて塗るか、鉄と植物エキスを混ぜたものを表面に塗った簡易的なもので本当に黒色の板だったようです。
黒板が『黒から緑』に変わった理由
日本で緑色の黒板が登場したのは昭和初期からだとされていますが、実は黒板が「黒から緑」に変わった理由には諸説あります。
- 黒板の材料が手に入りにくくなったため
- 光の反射が少ないため
黒板の色が緑色になった理由として、「黒色の染料が手に入りにくくなったこと」が挙げられます。太平洋戦争の後、黒色の黒板の製造が難しくなったため時期がありました。黒色の黒板を作るのに必要な染料が入手困難となり、その代わりに緑色の黒板の方が安定して作れるようになりました、その結果、黒板の色が緑色に移行しJIS規格でも「黒板は緑色」と定められた、という説です。
もうひとつの理由は、「緑色の方が黒よりも光の反射が少ない」から。黒は光をよく反射するため、角度によっては黒板の文字が見えにくくなってしまいます。一方、緑色だとそこまで光を反射せずどの角度からも見やすかったようです。
また、黒板が緑だと白いチョークがよりはっきり見えたことも大きかったとのこと。黒板の色が黒から緑に変わった背景には、様々な理由があったのです。
黒板の雑学をまわりに教えてあげよう!
黒板の色は元々「黒」でしたが、時代の流れに合わせて黒から緑に変更されました。現代では基本的にどの黒板も緑。黒色の黒板を目にする機会はそうそうないでしょう。
今回の雑学を、ぜひまわりの人に共有してみてください。黒板を目にするときに披露すると、話が盛り上がることでしょう。
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