『たくあん』はどうして黄色いのか…発酵と着色の違いを解説

雑学

白い大根からできあがる黄色のたくあん

パリッとした食感がクセになる「たくあん」。日本の食卓ではおなじみの漬物ですが、よく考えてみると「なぜ黄色いの?」と疑問に思ったことはありませんか?そもそも大根は白いのに、なぜ黄色になるのか…気になりますよね。

実はその理由、見た目をよくするための着色ではなく、しっかりとした秘密が隠されているのです。

たくあんの色が黄色になる理由

たくあんの黄色は、実は発酵の力によって自然に生まれた色なのです。大根を塩やぬかでじっくり漬け込むと、大根に含まれる辛味成分「4-メチルチオ-3-ブテニルイソチオシアネート」が分解されます。その結果、黄色の色素「β-カルボリン化合物」が発生。徐々に黄色みを帯びていくのです。発酵が進むほど黄色の度合いは濃くなります。

一方で、市販されているたくあんの中には、より鮮やかな見た目に仕上げるために、クチナシやウコンといった天然の着色料が使われているものも。着色料を用いているかどうかを見分けたいときは、商品のパッケージに記載されている原材料表示をチェックするとよいでしょう。

白いたくあんの正体

スーパーなどを訪れると、ときどき白いたくあんを見かけることがありますよね。あのたくあんの正体は何なのか?その答えは、収穫直後で発酵があまり進んでいないから。大根の収穫が盛んになる11月から1月にかけては、漬け始めて間もない状態で出荷されるたくあんが店頭に並ぶことがあります。漬け込み期間が十分でないため、まだ色づかず白っぽい見た目のまま販売されることもあるのです。

また、白いたくあんに似た「大根の塩漬け」と呼ばれる別の食品もあります。ぬかを使わず塩だけで漬け込まれており、すっきりとした味わいが特徴。たくあんとは違ったおいしさを楽しめます。

まとめ

今回の雑学を振り返ってみましょう。

たくあんが黄色くなるのは、発酵によって大根の成分が変化し、黄色の色素が自然に生まれるため。発酵が進むほど色は濃くなりますが、市販品にはクチナシやウコンなどの着色料が使われることもあります。また、冬ごろに白いたくあんが流通する理由は、発酵が浅いため色づいていないためです。

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