昔の日本では『夫婦別姓』を採用していた時期があった
近年、日本の国会や世論などで議論が繰り広げられている「夫婦別姓問題」。それぞれ賛否両論で是非が問われ続けています。そんな夫婦別姓問題ですが、実は昔の日本では一時期夫婦別姓が制度として採用されていた時期があります。
今回は夫婦別姓に関する面白い雑学をお届けします。夫婦同姓・別姓について考えるときの参考にお役立てください。
明治時代に採用されていた夫婦別姓制度
現在でこそ、制度として夫婦同姓が義務付けられている日本ですが、実は逆に夫婦別姓が採用されていた時代があります。それは、明治時代。
明治9年(1876年)3月ごろ、太政官(明治前期の最高官庁)の指令で「妻の姓は実家の姓を使う」と定められました。つまり、結婚しても女性側の姓は変わらなかったのです。明治政府はこの指令により、夫婦が別々の姓を名乗る「夫婦別姓」を全国で適用しました。
ただ、法律とは裏腹に妻が夫の姓を名乗る「夫婦同姓」の慣習が広がっていたとも言われています。
夫婦同姓の始まり
夫婦別姓の制度が終わりを迎えたのは、明治31年(1898年)6月に旧民法が制定されてから。この旧民法によって夫婦は「家」を基準にして同じ姓を名乗ることが定められました。つまりは「夫婦同姓制」です。
これにより基本的には結婚後、妻が夫の姓を名乗るのが一般的になりました。ただ、例外的に妻が姓を変えなくてよい場合もあったそうです。その一つが「入夫(にゅうふ)」つまり、夫が妻と結婚し、その家に入る場合です。この場合、女性側の姓は変わりません。
もう一つが「壻(婿)養子(むこようし)」。結婚した夫が妻側の親と養子縁組するケースです。この場合も夫が妻の姓を名乗ることになったそうです。
日本の「氏」に関する制度は世界的に珍しい
夫婦の氏に関する制度は様々。各国によって異なるようです。その中でも日本はかなり特殊な模様。法務省によると、結婚後に夫婦のいずれかの氏を選択しなければならないとする制度を採用している国は、日本だけみたいです。
夫婦別姓の話題になったら今回の雑学を披露してみよう
今回の雑学をまとめると、日本でも明治時代に一時的ですが夫婦別姓を採用していた時期があった模様。ただ、長くは続かず現代のような夫婦同姓に切り替わったようです。
今回の雑学、夫婦同姓の話題になったときぜひ周りの人に話してみてください。話や議論が盛り上がるかもしれません。