『お風呂』の昔の言い方は?意外なルーツと日本人の入浴文化を解説!

雑学

「お風呂」のルーツ!昔の呼び方と変わってきた理由

「お風呂入ってきなさい!」

毎日何気なく使っている「お風呂」という言葉。でも、平安時代にタイムスリップして同じ言葉を使ったら、きっと誰にも通じなかったはず。実は昔、お風呂のことを「湯殿(ゆどの)」と呼んでいたんです。

上流階級の間で使われていたこの「湯殿」という言葉には、当時の人々の入浴に対する特別な思いが込められていました。なにしろ、お湯を沸かすこと自体が贅沢だった時代。その証拠に、「殿」という格式高い漢字が使われているんですよ。

「風呂」になるまでの言葉の変遷

では、なぜ今の「お風呂」という言葉が使われるようになったのでしょうか。実は「風呂」という言葉には、面白い語源が隠されています。

有力な説の一つが、「室(むろ)」が訛って「ふろ」になったというもの。昔の入浴施設は洞窟のような狭い密閉空間で、そこに蒸気を充満させて使う蒸し風呂でした。この洞窟のような場所を「むろ」と呼んでいたことから、徐々に「ふろ」という言葉が定着していったんです。

もう一つの説は、お茶の世界で使われる「風炉(ふろ)」からきているというもの。湯を沸かしたり暖をとったりする道具から、蒸気を使う入浴施設を連想して「風呂」と呼ぶようになったとされています。

時代とともに変化!入浴施設の呼び方あれこれ

江戸時代になると、庶民の間で「風呂屋」という言葉が一般的になっていきます。でも、実は当時は「風呂屋」と「湯屋(ゆや)」という2つの呼び方があったんです。

「風呂屋」は蒸気式の施設、「湯屋」は今のように湯船にお湯を張って入浴する施設を指していました。つまり、入浴スタイルの違いで呼び方も変わっていたわけです。

今でこそ「温浴施設」なんて近代的な呼び方もありますが、昔の人々は入浴方法によって実に細かく使い分けていたんですよ。

知ってビックリ!意外と奥が深い昔のお風呂事情

ここで面白いのが、昔の入浴施設の構造です。今では当たり前の「湯船に浸かる」スタイルが一般的になったのは、実はかなり後のことなんです。

今とは大違い!昔のお風呂は”サウナ”に近かった

6世紀、仏教と共に中国から伝わってきた入浴文化。当時の「浴堂(よくどう)」は、今のサウナに近い蒸し風呂でした。大きな釜で沸かしたお湯から立ち上る蒸気で体を温め、汗と一緒に垢を落としていったんです。

寺院に設けられた浴堂では、「七病を除き、七福が得られる」という教えのもと、庶民にも入浴を施していました。ここから、日本人の「お風呂好き」の源流が始まったと言えるかもしれませんね。

江戸の知恵が生んだユニークな入浴スタイル

江戸時代に入ると、さらに独特の入浴文化が花開きます。「戸棚風呂(とだなぶろ)」という変わった構造の風呂が登場したんです。これは、まるで戸棚のような引き戸を開けて中に入る仕組み。蒸気を逃がさないための工夫だったんです。

でも、この戸棚風呂にも問題が。引き戸の開け閉めで蒸気が漏れてしまうんです。そこで考案されたのが「柘榴口(ざくろぐち)」。三方を板で囲み、入口を低くすることで、蒸気の流出を最小限に抑える賢い設計でした。

ちなみに、今では当たり前の「かけ湯」の習慣も、この時代に定着したものです。湯船に入る前に体を清めるという考えは、日本独特の清潔文化を表しているんですよ。

庶民の暮らしが変えた!明治時代のお風呂革命

明治時代に入ると、お風呂文化は大きな転換期を迎えます。それまでの蒸し風呂中心から、今のような「浸かり湯」へと変化していったんです。

衛生観念の高まりが生んだ浴室の進化

「改良風呂」の登場は、まさに革命的でした。それまでの蒸し風呂とは打って変わって、広々とした洗い場と天井の高い浴室。たっぷりとお湯の張られた浴槽は、当時の人々にとって新鮮な驚きだったことでしょう。

大正時代になると、木の板張りだった床や浴槽がタイル張りに変わっていきます。見た目の美しさだけでなく、衛生面でも大きな進歩でした。この頃から、お風呂は「体を清潔にする場所」という意識が強くなっていったんです。

驚きの進化!戦後から現代へ続くお風呂文化

戦後の日本では、まだまだ内風呂は珍しい存在でした。そんな中で活躍したのが「鉄砲風呂」。木製の風呂桶に鋳鉄製の筒を入れてお湯を沸かす、なんとも懐かしい光景です。当時を知る方々の中には「あの独特な音や香りを覚えている」という人も多いはず。

高度経済成長期に入ると、ついに一般家庭にも内風呂が普及していきます。FRP(強化プラスチック)製の浴槽や、組み立て式のユニットバスの登場で、お風呂は一気に身近な存在となったんです。

知って話したくなる!日本の入浴文化の面白さ

さて、ここまで「お風呂」の歴史をざっと見てきましたが、いかがでしたか?「湯殿」から「風呂」へ、そして現代の高機能なバスルームまで。その進化の過程には、日本人の知恵と工夫が詰まっていますよね。

実は、こうした日本独自の入浴文化は、海外からも注目されています。「毎日お風呂に入る」という習慣や、温泉文化への理解は、まさに「COOL JAPAN」の一つと言えるでしょう。

友人や家族と話す機会があったら、ぜひ「昔のお風呂って”湯殿”って呼んでたんだよ」「江戸時代の風呂は今のサウナみたいだったんだって」なんて話してみてください。きっと「へぇ〜!」という反応が返ってくるはずです。

日々の当たり前が、実は長い歴史の積み重ねだったなんて、なんだか感慨深いものですよね。今夜のお風呂は、そんなことを考えながらゆっくり浸かってみるのも良いかもしれません。

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