スタジオジブリの『ジブリ』ネーミングの由来とは?社名に込められた想いまで解説

雑学

「スタジオジブリ」の命名者は宮崎駿監督

日本だけでなく、海外でも高く評価されているアニメーションスタジオが「スタジオジブリ」です。しかし、作品そのものはよく見ているという人でも、「ジブリ」という有名な名前の由来までは知らないという人が多いのではないでしょうか。

実は、スタジオジブリのネーミングには、数々のアニメーション作品を作り上げてきた宮崎駿監督が大きく関わっています。ここからは、その命名の経緯と込められた意味について見てみましょう。

宮崎監督の飛行機好きがきっかけ

「ジブリ」という名前をつけた人物は、宮崎駿監督です。きっかけとなったのは、マニアと言っても過言ではないほどに、宮崎監督が無類の飛行機好きだったことでした。

元々、ジブリは「GHIBLI」と綴り、第二次世界大戦中に使われていたイタリア空軍の偵察機の名前だったのだそう。飛行機好きの宮崎監督はこの飛行機の存在を知っており、スタジオ名として提案しました。

「GHIBLI」としたかった理由は、その名前に込められた「サハラ砂漠に吹く熱風」というイタリア語の意味にあったようです。宮崎監督は、「日本のアニメーション界に熱風を起こそう」という思いを込めてスタジオジブリを誕生させたのでした。

後に制作された「紅の豚」の中でも、主人公ポルコの飛行機エンジンには「GHIBLI」と刻まれるなど、名前への思い入れが表れているようです。

本来の読み方は「ジブリ」ではなく「ギブリ」

ところが、スタジオジブリの由来となった「GHIBLI」は、本来ジブリとは読まないというまさかの事実が後で判明してしまいました。宮崎監督自身はジブリと読むと思っていたそうですが、実際の読みは「ギブリ」。

そのため、海外の人にはスタジオジブリが「スタジオギブリ」と誤って呼ばれることも多かったようです。

ジブリ作品のネーミングにまつわる豆知識

「天空の城ラピュタ」の元のタイトル案は違うものだった

スタジオジブリができるきっかけとなった「天空の城ラピュタ」は、元はまったく違う作品名が原案となっていたそうです。当初つけられていた仮タイトルは、「少年パズー・飛行石の謎」。

この他にも、「空中城の虜」「空とぶ宝島」「飛行帝国」などのサブタイトル案があり、考えられた末に今や誰もが知る「天空の城ラピュタ」となりました。

ちなみに、作中に登場する主人公「パズー」の名前は、宮崎監督が学生時代に考えていた船乗りの名前からつけられたのだとか。ヒロインのシータの名前も、大学にいた頃に書いた人形劇のヒロイン名が元になっており、数学記号の「θ(シータ)」から着想を得ています。

「トトロ」の命名は映画の構想地から生まれた

「となりのトトロ」に登場する不思議な生き物であるトトロは、「所沢にいるとなりのオバケ」を短縮してつけられた名前です。

埼玉県所沢市は、宮崎監督が映画の舞台として原風景を参考にした地域で、所沢駅のロータリーには猫バスに乗ったサツキとメイのモニュメントも設置されています。

「魔女の宅急便」の作品名はヤマト運輸の協力があってこそ

「魔女の宅急便」という作品名には、実は1つの問題点があることをご存じでしょうか。タイトルに含まれている「宅急便」は、本来ヤマト運輸の登録商標のため、勝手に使ってはいけないのです。

しかし、当時のスタジオジブリとクロネコヤマトは建設的に議論をした結果、共同提携という形で関わることになり、作品名から「宅急便」という言葉が抹消されることはありませんでした。

当時は映画の公開に合わせて、全国の宅急便センターに「心を暖かくする宅急便です。」のメッセージが入った魔女の宅急便のポスターが貼られていたそうです。

スタジオジブリの作品を楽しもう!

今回は、スタジオジブリの名前の由来をご紹介しました。命名したのは、宮崎駿監督です。

今ではその名前に込めた意味の通り、日本のアニメーション界に熱風を巻き起こし続けた存在として知られるようになりました。

スタジオジブリの作品を見る時には、ぜひ命名の経緯を思い出してみてくださいね。

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