1円玉に描かれている謎の木

私たちが日常的に使っている1円玉。純アルミニウムで造られた小さくて軽い1円玉硬貨の表には、とある木のデザインが刻まれています。しかし、「どんな木なのか?」「描かれている木のモチーフは?」と聞かれると、正確に答えられる人は意外と少ないのではないでしょうか。意識していないと、なかなか調べる機会もないですよね。
今回は、1円玉に描かれている木の正体とそこに隠された意外な事実をご紹介します。
実は特定の種類ではない!?

1円玉のデザインをよく見ると、すっと伸びた幹に葉をつけた若木が描かれています。見た目から何かの樹種をイメージする人も多いのですが、実はこの木、特定の種類を表しているわけではありません。
造幣局(昔の大蔵省)によると、デザインは一般公募で選ばれたもので「伸びゆく日本」を象徴する若木として描かれているとのこと。公募は40日間と短期間であったそうですが、2,581点ものデザイン案の応募があったそうです。その中から選ばれたのが、一般人の中村雅美さんが考案した8枚の葉っぱを生やした若木のデザイン。今でも1円玉の表側に描かれているデザインです。
ただし、このデザインにはモチーフにした樹木は特になく、架空の木をイメージしているそうです。つまり、実在の木ではなく、日本の未来を担う若い力や希望をイメージして作られたデザインなのです。
ちなみに、裏面に描かれている「1」のデザインも一般公募で選ばれたもの。若木とは別の応募者のデザインが採用されたそうです。
オガタマノキ(招霊の木)に似ているという意見も
とはいえ、植物に詳しい方なら「あの木、どこかで見たことがあるような…」と感じる人もいるでしょう。そんな中でよく挙げられるのが、神社などに植えられるオガタマノキ(招霊の木)です。
オガタマノキは神事に用いられる神聖な木。神を招く木と言われています。その姿や葉の形が1円玉のデザインに似ていることから、「オガタマノキがモデルになったのでは?」という説が広まりました。
しかし、前述の通り造幣局の公表では「特定の樹木を意図したものではない」とされています。つまり似ているだけで誤った説なのです。
とはいえ、日本の伝統や自然への敬意を象徴するという意味では、オガタマノキがピッタリな気はしますよね。
実は若木が描かれている方が「表」
少し余談ですが、みなさんは1円玉の表と裏を正しく理解していますか?よく「1」と描かれている方が表だと思われがちですが、実はそちらが裏。若木が描かれている方が表なのです。意外ですよね。
1円玉の木の正体を周囲に教えてあげよう!

何気なく使っている1円玉にも、奥深い意味が隠されていました。友人や家族との会話の中で今回の雑学を話してみれば、ちょっとした雑学ネタとして盛り上がること間違いなし。
1円玉硬貨に込められた「日本の未来への願い」。1円玉を手にしたとき、ぜひ今回の雑学と込められた願いを思い出してみてください。
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