【サザエさん裏話】タラちゃんに妹がいた!幻のヒトデちゃんの謎に迫る

雑学

あなたの知らない磯野家の8人目の家族

「え?タラちゃんに妹がいるの?」そんな驚きの声が聞こえてきそうですね。実は『サザエさん』には、アニメでは一度も登場していない幻の家族メンバーがいるのです。

その名も「フグ田ヒトデ」ちゃん。タラちゃんの妹として、原作に特別な形で登場した謎めいたキャラクターです。

みなさんご存知の通り、サザエさん一家といえば磯野家の波平・フネ・カツオ・ワカメと、フグ田家のマスオ・サザエ・タラオの7人家族が定番です。50年以上も続くアニメでも、この7人の面々が織りなす日常が描かれ続けています。しかし、実はこの7人に加えて、幻の8人目の家族がいたことは、コアなファンの間でもあまり知られていない事実なのです。

毎週日曜の夕方、テレビの前に集まって『サザエさん』を見るのが習慣という方も多いはず。でも、いくら見続けても、ヒトデちゃんに出会うことはできません。なぜなら、彼女は通常のストーリーには登場しない「特別な存在」だからです。

タラちゃんの妹「ヒトデちゃん」の謎めいた初登場シーン

ヒトデちゃんが姿を見せたのは、今から約70年前の1954年。文藝春秋から発行された「漫画読本」の創刊号に収録された「サザエさん一家の未来予想図」という1コマ漫画でした。この作品は、当時から10年後の磯野家を描いた特別な1ページで、作者の長谷川町子さんの想像力が詰まった貴重な作品です。

この未来予想図で描かれた場面は、かつての自宅があった場所を訪れたサザエさん一家が、昔を懐かしんでいるというもの。道路拡張のため、磯野家は引っ越しを余儀なくされていたのです。そんな懐かしい場所で、マスオさんが「これ ヒトデ あぶないよ」と声をかける場面があります。その声の向こうには、ワカメちゃんに似た小さな女の子の姿が。この子こそが、タラちゃんの妹として描かれたヒトデちゃんだったのです。

さらに興味深いのが、この場面でのタラちゃんの様子。「覚えてねえや。子どものころだもの」という何気ない一言を残しているのですが、これは普段のタラちゃんからは想像できない、成長した姿を垣間見せる貴重なシーンとなっています。

公式が認めた正式な家族メンバーとしてのヒトデちゃん

長年、ヒトデちゃんの存在は都市伝説のように語られてきました。

「本当にタラちゃんの妹なの?」
「作者が描いた設定なの?」

など、さまざまな憶測が飛び交う中、2016年になって興味深い展開がありました。

サザエさんの著作権を管理している世田谷区の長谷川町子美術館が、ついにヒトデちゃんについて公式見解を示したのです。「ヒトデはタラちゃんの妹という認識で問題ありません」というシンプルながら、ファンにとっては衝撃的な発表でした。

この公認により、ヒトデちゃんは正式に磯野家の一員として認められることになりました。しかし、ここで気になるのが「なぜアニメには登場しないのか」という疑問です。

実は、これには明確な理由があります。アニメ版『サザエさん』は、時間が止まった世界として描かれているのです。登場人物たちは年を取らず、ずっと同じ時間の中で暮らしています。そのため、10年後の未来に生まれるはずのヒトデちゃんは、現在のアニメには登場できない運命にあるのです。

65年の沈黙を破って実写ドラマで復活したヒトデちゃんの素顔

そんなヒトデちゃんが、65年もの時を経て、ついに動く姿を見せることになります。2019年11月、フジテレビで放送された特別ドラマ『磯野家の人々~20年後のサザエさん~』での出来事でした。

このドラマでは、現代の17歳の女子高生として描かれたヒトデちゃんを、若手女優の桜田ひよりさんが演じました。スマートフォンを手放さず、時には反抗期らしい態度を見せながらも、家族思いの優しさを持つ等身大の女子高生として描かれています。

面白いエピソードとして、サザエさんが作ったキャラ弁当に全く手を付けないヒトデちゃんの姿も。現代の女子高生らしい反応に、視聴者からは「リアルな設定」と共感の声が上がったそうです。

ヒトデちゃんをめぐるアニメの可能性と新たな展開

ヒトデちゃんの存在が公式に認められ、実写ドラマでも描かれた今、ファンの間では「アニメでヒトデちゃんに会える日は来るのか?」という新たな期待が高まっています。

実は、長谷川町子さんには『サザエさん』の30年後までの構想があったといわれています。アニメとは違い、原作では登場人物たちが年齢を重ねていく設定だったのです。もし長谷川さんが連載を続けていれば、ヒトデちゃんの誕生から成長まで、もっと多くのエピソードに出会えたかもしれません。

そんな中、興味深い都市伝説として「サンゴちゃん」の存在も囁かれています。これは、海の生き物にちなんだ名前つながりから生まれた想像上のキャラクターですが、こちらは完全な創作で、美術館も一切言及していません。ヒトデちゃんとは違い、公式設定としての根拠は全くないのです。

ヒトデちゃんは、たった1コマの登場ながら、65年の時を超えて実写化され、新たな命を吹き込まれました。2024年にアニメ『サザエさん』は55周年を迎えます。通常のエピソードでは時間が進まない世界観が守られていますが、もしかしたら記念すべき年に、特別編としてヒトデちゃんが登場する可能性もゼロではありません。

あなたも、友だちや家族と『サザエさん』を見るとき、「実はタラちゃんには妹がいるんだよ」と、このヒトデちゃんにまつわる素敵な裏話を教えてあげてはいかがでしょうか?きっと、みんなの『サザエさん』の見方が、少し違って見えるはずです。

70年近い歴史の中で、たった1度の登場ながら、多くのファンの心を捉えて離さないヒトデちゃん。彼女の存在は、『サザエさん』という作品の奥深さを物語る、とても魅力的な謎のひとつと言えるでしょう。

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