焼き魚の下に敷いてある葉っぱの名前
和食店などで焼き魚を注文すると、いつも付いてくる青い葉っぱ。焼き魚の下に敷かれており、一見飾りのようにも思えますが実は本来の役割は違います。
まず、焼き魚の下に敷いてあるこの葉っぱの名前は「青かいしき」。かいしきは、漢字で書くと、「皆敷」「掻敷」「苴」となります。馴染みのある笹の葉の他、ナスなど野菜の葉、朝顔の葉、ホオズキ、イチョウなどが用いられることもあります。
少し話がズレますが、青かいしきを含む日本料理に添えるものの総称を「あしらい」と言います。”かいしき”は、その一種とされています。ちなみに、料理の下に敷く和紙などは「紙かいしき」と呼ばれるそうです。少しややこしいですが、それぞれにちゃんと名前や役割があるのです。
葉っぱを焼き魚に敷く目的
焼き魚の下に敷いてある葉っぱ「青かいしき」は、いったいどんな役割があるのか?前述の通り、彩のためだけではありません。
焼き魚の下に青かいしきを敷く理由は、抗菌や防腐目的。日本では古来から、魚料理を食べて暮らしていました。しかし、当時は冷蔵庫のような食材を長持ちさせる技術が乏しく、すぐに魚も傷んでしまっていました。
そこで用いられていたのが青かいしき。青かいしきに使われる葉っぱの中には、実際に抗菌作用を有しているものもあり、焼き魚を長持ちさせて食中毒を防ぐことに一役買っていたようです。
また、まだ土器を使っていたころには土の匂いを魚に移さない役割もあったそうです。これが、「青かいしき」の始まりとされています。
現在においては、保存技術も発達しており青かいしきによる食中毒予防はそこまで必要なくなりました。そのため、日本料亭などで添えられている青かいしきは魚の彩を華やかにし、季節を表現する意味合いが強いです。
ちなみに、青かいしきなど食べられないものがお皿に乗っているのは世界的にも珍しいこと。外国人観光客の多くが、お皿に青かいしきなどが添えられていることに驚きと戸惑いを覚えるのだとか。たしかに、青かいしきのように四季や彩を料理で表現する食文化があるのは、日本くらいかもしれませんね。
和食店で焼き魚を食べるときに今回の雑学を披露してみよう
日本料亭など和食店で当たり前のように目にする「青かいしき」。その役目は現代では彩を華やかにし魚を美味しく見せるためですが、昔は食中毒予防や匂い対策のために活用されていました。
今回の雑学、ぜひ「青かいしき」を目にする和食店などで披露してみてください。面白い雑学で食事の場が盛り上がるかもしれませんよ。