スーパーに売っている『卵を孵化させる』ことは可能なのか 有精卵が混ざる確率はどのくらいなの

雑学

スーパーにあるほとんどの卵は孵らない

スーパーなどで販売されている卵を見て、「この卵を温めたらひよこが生まれるのかな?」と疑問に思ったことがある人もいるのではないでしょうか。しかし、結論から言うと、一般的なスーパーの卵は温めたとしても孵りません。

なぜなら、スーパーで販売されている卵はほぼ「無精卵」だからです。ひよこになるには、オスの鶏とメスの鶏が交尾をして受精している卵(有精卵)でないといけませんが、スーパーの卵の多くはメスの鶏だけで産み落としたものを販売しています。

基本的に、鶏のメスはオスがいなくてもおよそ1日1回排卵し、体内で卵を作って産む生き物です。排卵が起きた後、受精卵が胎内で成長し、人間の形になってからようやく出産に至る人間とは出生の仕組みが違います。

ちなみに、メスの鶏が産んだ卵は、無精卵であっても有精卵であっても栄養価は変わりません。卵のおいしさを左右するのは、親鶏が食べる食事内容の質だと言われています。

売られている卵に有精卵が混ざることはある?

鶏の飼育方法によっては有精卵が混ざる

もしもお店で売られている鶏の卵が孵化するとしたら、「有精卵」として販売されているものでしょう。

スーパーで販売されている卵を産むメスの鶏の多くは、コストと生産効率の面からケージで1羽ずつ飼育しているため、オスと出会うことはないまま無精卵を産み続けます。

しかし、生産者によってはコストや手間暇がかかることを前提に、鶏をケージの外で平飼いや放し飼いをしていることがあります。その際には、繁殖力向上のために数十羽のメスに対して1羽~数羽のオスを同居させることが多く、有精卵が混じる可能性が出てくるのです。

とは言っても、平飼い卵のすべてが有精卵となるわけではありません。オスがいても交尾をせずに産んだ卵はやはり無精卵のため、パッケージに「有精卵」という記載があったとしても、すべてがそうではないことを理解しておきましょう。

スーパーの有精卵は孵化率が低いかも

また、流通の過程で冷やしたり、洗卵されたりすることで、有精卵であっても孵化率は大きく下がると言われています。

有精卵は、すぐに温めなかったとしても、15~20℃の環境下でほど良い湿度を維持していればいきなり死んでしまうことはありません。

しかし、食用として販売する際、鮮度を維持しようと卵の保管温度を10℃以下にすると、卵の中でひよこになるための細胞分裂が止まり、中で死んでしまっている可能性が高くなります。

もしも鶏の卵を孵化させたいのであれば、スーパーではなく生産者から直接生まれたての卵を購入する方が孵化率は上がるかもしれません。

鶏の卵ではなくうずらの卵なら孵化する?

それでは、鶏ではなくうずらの卵ならどうでしょうか。実は、うずらの場合はスーパーで売られている卵の中にも、有精卵が混じっている可能性があると言われています。

うずらの場合、鶏とは違ってオスとメスが判別しづらく、メスだけで飼育していると思っていたのにオスが混じっていたというケースがあるようです。

本当にうずらを孵化させてみたいのであれば、鶏の卵と同じく、有精卵として販売されているものを購入してチャレンジする方が確実です。

卵を孵化させたい場合は有精卵を購入しよう

スーパーで売られている鶏の卵が孵化する可能性は、ほぼ0%と言えます。無精卵をどれだけ温めたとしても、ひよこになるための仕組みが卵の中に備わっていなければ、孵ることはありません。

有精卵の場合は、環境が整えば孵化する可能性もあります。ただし、孵化させた後には生まれたひよこを生涯お世話する必要も出てくることを理解した上で試してみてくださいね。

こんな記事も読まれています

双子の姉妹が『5種類のお寿司』を順番に食べたら…奇跡的な検証結果に165万再生の反響「リアクション可愛い」「鏡かと思ったw」

『空を飛べない鳥』が生まれたきっかけとは?飛べる鳥との大きな違いまで解説