世界一大きい砂漠は南極って知ってた?
「世界一大きい砂漠」と聞くと、多くの人はサハラ砂漠のような暑くて乾いた場所を思い浮かべますよね。私もそうでした。強烈な太陽、延々と続く砂丘、どこまでも暑くて乾燥した景色…。
ところが、実際に世界最大の砂漠は意外なことに「南極」なんです。
氷と雪に覆われていて、一見「砂漠」とは正反対に見える南極大陸が、実は「世界一大きい砂漠」というのはかなり驚きですよね。この意外な事実を知ることで、砂漠に対する認識がガラッと変わりますよ。
砂漠に砂は必要ない?砂漠の定義とは
そもそも、砂漠とは一体どんな場所のことを指すのでしょうか?多くの人は「砂が多い地域」と考えがちですが、実は砂の有無は関係ありません。
砂漠というのは、年間の降水量が極端に少ない場所のことをいいます。具体的には、年間の降水量が250ミリ以下の地域を指します。
雨や雪がほとんど降らず、水分がとても少ない場所であれば、例え氷に覆われていても立派な砂漠なのです。
例えるなら、湿ったタオルを絞ったあと、水分がほとんど残らない状態と似ています。砂漠も同じように、空気中や地表に含まれる水分が極端に少なく、乾燥した状態がずっと続いているのです。
南極はまさにこの定義にピッタリと当てはまるのですね。
南極はサハラ砂漠より乾燥している
南極が世界最大の砂漠と言われると、「それでもサハラ砂漠の方が乾燥しているのでは?」と思う人もいるかもしれません。
しかし、実際のデータを見ると驚きです。南極大陸の年間降水量は平均で約166ミリ、特に内陸部にいたっては年間50ミリ以下という極端な少なさです。
一方、私たちがよく知っているサハラ砂漠の年間降水量は地域差があるものの、おおよそ80~200ミリほど。つまり、南極内陸部の方がサハラ砂漠よりもずっと乾燥していることになります。
このように数字で比較すると、南極がいかに乾燥した土地であるかがよくわかりますよね。
南極が世界最大の砂漠になった理由は3つある
南極が砂漠と呼ばれる理由は降水量が少ないからですが、なぜそこまで極端な乾燥地帯になったのでしょうか。ここではその理由を3つに絞って紹介します。どれも南極の特殊な環境を表す特徴であり、南極のことをさらに深く知る手がかりになるはずです。
降水量が極端に少ない
まず、南極が極端に乾燥している最大の理由は、降水量が非常に少ないからです。南極大陸全体で見ると年間降水量は約166ミリですが、特に内陸部は年間で50ミリにも届きません。
これはコップ一杯分の水を1年かけて地面にまくようなもので、ほとんど地表を潤すには足りません。そのため、地表の水分は常に失われ、完全に乾いた状態が保たれています。
また、気温があまりにも低いため、降った雪がそのまま積もっていくことが多く、実際に水分として利用できる状態にならないのも乾燥を加速させています。
強風が乾燥をさらに強める
南極が乾燥するもうひとつの大きな理由は、「風」の存在です。南極沿岸部では平均風速が毎秒17〜18メートル、時には最大で毎秒82メートルを記録するほどの猛烈な風が吹いています。
これがどのくらいの強さかというと、まるで高速道路を走る車から顔を出したときの風圧をずっと受け続けるようなものです。
こうした強烈な風が吹き続けることで、少しでも地表や空気中にある水分はすぐに吹き飛ばされてしまいます。その結果、乾燥がさらに進み、南極の極端な砂漠化を引き起こしているのです。
南極の面積は砂漠の中でも圧倒的
さらに南極が世界最大の砂漠になっている決定的な理由が、その圧倒的な面積の広さです。南極大陸の面積は約1,400万平方キロメートル。これは地球上の陸地全体の約10%にあたります。
広さのイメージがつきにくいと思うので例えると、日本の国土面積(約38万平方キロメートル)の約37倍にもなる広大な土地です。このように圧倒的なスケールの南極全域が砂漠の定義に当てはまっているため、南極が世界最大の砂漠と認められているわけです。
氷も雪もない南極の不思議な場所『マクマードドライバレー』
ここまで南極が砂漠だと聞くと、「それでも、南極には雪や氷があるはずでは?」と思う人も多いでしょう。たしかに南極は氷で覆われていますが、実は南極には氷も雪もほぼない特殊な地域があります。それが「マクマードドライバレー」です。
マクマードドライバレーは、南極の中でも特別な地域で、氷や雪がほとんどありません。代わりに、乾燥した岩肌が広がっています。その景色はまるで別の惑星のようで、地球上にあるとは信じられないほど異質な空間です。
南極で最も乾燥した場所
マクマードドライバレーが南極最大の無雪地帯とされるのは、年間降水量がさらに極端に少ないからです。その降水量は年間数ミリから多くても十数ミリほどしかなく、まさに「極限の砂漠」と呼べる地域です。
例えば、庭先にバケツを1年置いておいても、底がかろうじて湿るかどうか、という程度の雨量です。これほど乾燥した環境は地球上でも非常に珍しく、科学者たちにとって貴重な研究対象となっています。
NASAが注目する火星のような環境
マクマードドライバレーが注目される理由は、NASAが火星の気候研究に利用しているからでもあります。
ここは地球上で最も火星の環境に近いとされ、火星で生命が存在可能かどうかを考える研究にも役立っています。
実際のところ、火星に直接行かなくても、地球上で火星を体験できる場所があるというのは非常に興味深いですよね。南極の砂漠が持つ、知られざる魅力のひとつです。
南極が砂漠という意外な雑学を誰かに教えよう
南極が実は世界最大の砂漠だと知ったら、ちょっと誰かに教えてみたくなりませんか?友達との雑談や家族との会話で、「実はね…」と話すにはちょうどいいネタだと思います。
誰かと話をすることで、南極に対するイメージが変わり、地球の不思議な一面に改めて気づくきっかけになるかもしれません。
きっと相手も意外な事実に驚いてくれるはずですから、ぜひ機会があれば、今日知った南極の雑学を気軽に共有してみてくださいね。