『穢れ』と『汚れ』
日常生活でよく耳にする「汚れ」という言葉。泥やホコリ、シミなど、目に見える“きたなさ”をイメージする方が多いのではないでしょうか。一方で、神社や伝統行事などで使われる「穢れ(けがれ)」という言葉には、どこか神聖で深い意味が感じられます。
今回は、「汚れ」と「穢れ」の違いをわかりやすく解説。このふたつが、私たちの暮らしや心とどう関わっているのかを紹介していきます。
『穢れ』とは
「穢れ(けがれ)」とは、後述する「汚れ」とは異なり、人の行動や状況によって生じるとされる“見えない不調和”のようなものとされています。死や病気、出産、月経などの自然現象に加え、犯罪や道徳的に問題のある行為も、その原因とされることがあります。
穢れは、昔の日本社会において不吉なものとみなされ、周囲の秩序を乱すものとして避けられてきました。神道や仏教では、「穢れ」は心身の理想的な状態からの逸脱とされており、清めの儀式が必要とされる場面もあります。
祭りごとや神事など、神聖な場に関わる人々には、こうした「穢れ」を持ち込まないことが重視され、一定期間の隔離や参加制限が設けられることもあったそうです。
汚れとは
一方で「汚れ」とは、本来そこにあるべきではない目に見える異物や付着物のこと。日常生活でよく経験する身近な現象ですよね。
たとえば、衣服に泥がついたり、テーブルに食べかすが残っていたりする状態が「汚れ」にあたります。こうした汚れは、本来あるべき状態ではないため拭いたり洗ったりして取り除くのが一般的です。掃除や洗濯といった行為は、こうした物質的な汚れを元に戻すための作業といえます。
『穢れ』と『汚れ』の違い
今回の雑学を振り返ってみましょう。
「穢れ(けがれ)」と「汚れ」は、どちらも“きれいではない状態”を表しますが、その意味するところは大きく異なります。
「汚れ」は、泥やホコリ、食べこぼしなど、目に見える物質が付着している状態を指します。日常的に起こるもので、掃除や洗濯などによって取り除くことができます。あくまでも物理的な不潔さを意味します。
一方、「穢れ」は精神的・文化的な側面を持つ概念。死や病気、出産、犯罪などによって生じる“見えない不浄”を指します。宗教的な場面では、清めの儀式が必要とされることもあります。
簡単に言えば、「汚れ」は拭き取ってきれいにできるもの、「穢れ」は心や社会の中で“清める”ことが求められるものです。
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