『チョメチョメ』の正体!あの頃を知る人も知らない人も楽しめる
「チョメチョメ」という言葉を初めて聞いたとき、多くの人は「なんだか下ネタっぽい…?」と感じるはずです。その直感は正解です。でも、実は意外と奥が深いんです。
「チョメチョメ」は、主に文章の中で「××」と伏せ字になっている部分を読むときの便利な言葉として生まれました。例えば「彼は××である」という文章を読み上げるとき、「彼はチョメチョメである」と読む…というわけです。
ただし、時代とともにこの言葉は変化していきました。特に1970年代後半から1980年代にかけて、男女の密やかな関係や行為を表す婉曲表現として使われるようになったんです。まるで「バブル経済」とともに膨らんでいったかのように、意味も使い方も広がっていきました。
人気司会者・山城新伍が生んだ?チョメチョメ誕生秘話
「チョメチョメ」が全国区の言葉になったきっかけは、1979年から1985年にかけて放送されたフジテレビの深夜番組『アイ・アイゲーム』でした。司会を務めていた俳優の山城新伍さん(1938-2009)が、クイズの出題で伏せ字部分を「チョメチョメ」と読んだことから、この言葉は一気に広まったのです。
番組では、山城さんが一部を伏せ字にした文章を出題し、解答者がその空白に入る言葉を考えるというクイズが人気コーナーでした。面白いのは、その伏せ字部分。普通に考えると下ネタしか思いつかないような文章なのに、解答者はそれを避けて正解を探さなければならない…という意地悪な仕掛けだったんです。
実はこの番組、深夜とはいえ視聴率は20%を超えることもあったそうです。山城さんの「チョメチョメ」という言い方が絶妙で、視聴者の笑いを誘うと同時に、品のない言葉を直接言わずに済む便利な表現として、お茶の間でも使われるようになっていったのです。
面白いことに、番組スタッフの証言によると、当初は別の言い方を検討していたそうです。「ペロペロ」や「モグモグ」など、いくつかの候補があった中で、山城さんが即興で「チョメチョメ」と言ったところ、スタジオが爆笑に包まれ、そのまま定着したという裏話も残っています。
当時、放送禁止用語や過激な表現を避けるため、テレビ業界では様々な言い換え表現が編み出されていました。しかし、「チョメチョメ」ほど広く定着した言葉は珍しく、お笑い芸人から一般視聴者まで、幅広い層に受け入れられていきました。
昭和のテレビから生まれた!チョメチョメの仲間たち
「チョメチョメ」が人気を博す中、同じような役割を果たす言葉も次々と生まれていきました。特に注目すべきは「ニャンニャン」という表現です。
「ニャンニャン」は「チョメチョメ」より若者向けのイメージが強く、特に女性たちの間で使われました。1985年から1987年に放送された人気番組『夕焼けニャンニャン』は、この言葉を冠した象徴的な例です。アイドルグループ「おニャン子クラブ」も、この流れから生まれました。
また、堺正章さんが「レッツ、ホニャララ」という言い方を広めたように、時代とともに様々なバリエーションが登場。「チョメチョメ」を筆頭に、これらの言葉は昭和後期の放送文化を特徴づける独特の表現として記憶されています。
テレビを飛び出したチョメチョメ!意外な広がり方
「チョメチョメ」の面白いところは、テレビから飛び出して様々な場所で使われるようになったことです。例えば、競馬界では2021年に「チョメチョメ」という名前の競走馬が誕生しました。この馬のひいおばあさんが「プレイガール」という名前だったことから、粋な命名だと話題になったそうです。
お笑い界でも「チョメチョメ」は生き続けています。お笑いコンビ「XXCLUB(チョメチョメクラブ)」は、この言葉をコンビ名に採用。また、サンドウィッチマンのコントでは、富澤たけしさんの「チョメチョメ」というボケに、伊達みきおさんが「山城新伍か!」とツッコむ定番ネタがあります。
ラジオの世界でも健在で、『中町JPとジュキヤのチョメチョメナイト』という番組が放送されるなど、40年以上経った今でも、この言葉は様々な形で親しまれています。
チョメチョメを支えた昭和の放送文化
「チョメチョメ」が長く愛され続けている背景には、昭和の放送文化特有の工夫があります。当時のテレビは、品位を保ちながらも視聴者を楽しませる表現方法を模索していました。
山城新伍さんは、その絶妙なバランス感覚を持つ司会者として知られていました。『アイ・アイゲーム』では、下ネタを匂わせながらも決して品位を落とさない進行で、深夜番組とは思えない高視聴率を記録。「チョメチョメ」という言葉は、その象徴的な存在だったのです。
実際、番組関係者の証言によると、山城さんは収録前に必ず台本をチェックし、「ここはチョメチョメの方が良いな」「ここは別の言い方にしよう」と、細かい調整を行っていたそうです。そんな丁寧な仕事が、言葉の定着につながったのかもしれません。
現代で生きるチョメチョメの意外な使われ方
テレビで生まれた「チョメチョメ」は、予想もしない形で現代に息づいています。2024年に放送されたTBSドラマ「不適切にもほどがある」では、1986年を舞台に「チョメチョメ」が重要なセリフとして登場。阿部サダヲさん演じる昭和の体育教師が連発する「チョメチョメ」に、当時を知る視聴者から「懐かしい!」という声が相次いだそうです。
さらに面白いのは、ドラマ内で「チョメチョメ」を生み出した山城新伍さんをモチーフにしたキャラクターが登場したこと。ロバート秋山さんが演じた架空の司会者「ズッキー」が、山城さんばりの「チョメチョメ」を披露し、話題を呼びました。
あなたの周りにもチョメチョメが隠れているかも?
「チョメチョメ」に触発されて生まれた言葉探しは、意外と面白い発見につながります。例えば、「まるまる」「ほにゃらら」といった伏せ字表現は、実は「チョメチョメ」と同じ系統の言葉。普段何気なく使っている言葉の中に、昭和の放送文化が残っているんです。
そうそう、面白いエピソードをひとつ。ある50代の方が「息子に『チョメチョメって何?』と聞かれて、説明に困った」と話していました。「まさか山城新伍の物まねから始めるわけにもいかず…」と笑いながら、結局「××の読み方だよ」と答えたそうです。
こんな風に、「チョメチョメ」は世代を超えて話のネタになる不思議な言葉。昭和のテレビから生まれ、平成を経て令和まで生き残った「チョメチョメ」。この言葉の歴史を知れば、テレビを見るたび、なんだか新しい発見があるかもしれませんね。
もし機会があれば、ご家族や友人に「チョメチョメって知ってる?」と聞いてみてください。きっと世代によって様々な反応が返ってくるはず。そこから昭和の放送文化や言葉の面白さについて、楽しい会話が広がっていくことでしょう。
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