居酒屋で瓶ビールを注文すると…
居酒屋で瓶ビールを注文したとき、栓がすでに抜かれた状態でテーブルに運ばれてきた…そんな経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。なぜ開封前の状態ではなく、すでに栓が抜かれたビールが提供されるのか。その理由には、飲食店ならではの“あるルール”が関係しています。
今回は、意外と知られていない瓶ビールの提供ルールについて詳しく解説します。最後までお読みいただくと、普段の疑問がひとつ解消されてスッキリとした気分が味わえることでしょう。
居酒屋で瓶ビールを頼むと栓が抜かれた状態で運ばれてくる理由
居酒屋や旅館で瓶ビールを頼むと、開けた状態で運ばれてくるか、その場で店員さんが開栓してすぐ立ち去る…そんな光景を見たことがありますよね。一見、気の利いたサービスのように思えますが、実はこれ、お店の判断だけでなく、酒税法の趣旨や酒類小売業免許制度が関係していると言われています。
飲食店を営業するためには「飲食店営業許可」が必要ですが、この許可があれば店内でお酒を提供することは可能です。ただし、「お酒を販売する」となると話は別。酒税の管理を目的とした「酒税法」に基づき、別途「酒類小売業免許」を取得しなければなりません。
居酒屋で瓶ビールを注文したときに、栓を開けた状態で出されるのは、主にこの酒税法と酒類小売業免許制度の関連から、未開封での持ち帰りを防ぐための措置なのです。もし未開封のままお客に渡し、それをそのまま持ち帰られてしまった場合、店側が「酒類を販売した」とみなされるおそれがあります。つまり、開封されていないお酒をそのまま渡してしまうと、「持ち帰り=販売」とみなされてしまう可能性があるのです。これは酒類小売業免許がない店舗にとっては違法行為となりかねません。
そうしたリスクを避けるため、店ではわざわざ栓を開けてからビールを提供しているのです。面倒に感じるかもしれませんが、これは酒税法上の解釈に基づき、店舗が適法かつ安全に営業を続けるための一つの大切な対応なのです。
ちなみに球場やイベント会場でビールがコップに注がれて提供されるのも、実は同じ理由なのです。
居酒屋で瓶ビールを頼んだときに今回の雑学を思い出してみよう
今回の雑学を振り返ってみましょう。
居酒屋で瓶ビールが栓を抜かれた状態で提供されるのは、酒税法により未開封のまま渡すと「酒類の販売」とみなされる可能性があるためです。店が適法に営業するための措置であり、球場やイベント会場でビールがコップで提供されるのも同じ理由です。
今回の雑学、居酒屋などで瓶ビールを頼んだときにでも思い出してみてください。もしかすると、いつもよりビールが美味しく感じるかもしれませんよ。