ラーメン丼に描かれている謎の渦巻き模様
お店でラーメンを食べるときに出てくる丼。その内側をよく見てみると、なにやら渦巻き模様が描かれていることが多々あると思います。みなさん、この模様の名前や意味をご存じでしょうか?
今回は、ラーメン丼に描かれている渦巻き模様の正体とその由来について紹介します。最後まで読むと、少し物知りになった気分が味わえるはずですよ。
渦巻き模様の名前は『雷紋(らいもん)』
ラーメン丼など描かれている渦巻き模様。その名前は「雷紋(らいもん)」。中国の伝統的な幾何学模様の一種で、その名の通り雷をモチーフにしています。その見た目から、海の渦巻きが由来だと思った方も多いかもしれませんが、実際は雷をイメージした模様なのです。正直、ちょっと紛らわしいですよね。
雷紋の歴史は非常に古く、中国では殷の時代、日本では弥生時代から存在していたとされています。その後、日本では能の衣装の模様としても取り入れられるようになりました。
雷紋に込められた意味
雷紋がモチーフにしている雷は古来より畏怖の対象であると同時に、雷雨によって大地を潤し穀物を育てる恵みの象徴でもありました。そのため、雷紋には五穀豊穣や魔除けの意味が込められているとされています。
雷紋を初めて丼に描いたのは、1909年に創業した陶器卸売店「小松屋」。中国で縁起がいい模様として知られていた「雷紋」に目を付け、中華料理の丼に描いたところ大ヒット。中華料理からの注文が殺到し、ラーメン丼の定番になったそうです。
雷紋以外にもラーメン丼に描かれている模様がある
ラーメン丼の模様として定番な雷紋以外にも、様々なマークや模様が描かれることがあります。代表的な模様は以下の通り。
- 龍
- 鳳凰
- 双喜文
まず龍は「天帝の使者」とされ、力強さや幸運をつかさどり、雨を呼び五穀豊穣をもたらす神聖な生き物。ラーメン丼に龍の絵が描かれるのは、食べる人の幸運を願うと同時に、お店の繁栄を祈る意味が込められているとされています。
また、龍だけでなく鳳凰が描かれることもあります。鳳凰は中国で高貴で神聖な存在。龍と同じく幸運を呼ぶ象徴とされています。
他にも、「喜」の文字が2つ並んだ模様が描かれることも。これは「双喜紋(そうきもん)」と呼ばれ、喜びが重なるほど縁起が良いという意味です。
ラーメンを食べるときなどに今回の雑学を思い出してみよう
今回の雑学を振り返ってみましょう。ラーメン丼に描かれている渦巻き模様の名前は「雷紋(らいもん)」。魔除けや五穀豊穣などの意味があるとされており、縁起がいいと陶器卸売店「小松屋」が丼に描いたのが日本で定着したはじまりだったそうです。
今回の雑学、ラーメンなどを食べるときにぜひ思い出してみてください。