『カップル』と『アベック』の違いとは?昭和から令和で変わった“2人の呼び方”

雑学

『カップル』と『アベック』

「カップル」と「アベック」、どちらも似たような言葉ですが、実はこの2つ、まったく同じ意味というわけではありません。意味の違いを知れば、「なるほど!」と感じるはずです。

今回は、カップルとアベックに関する面白い雑学をお届け。思わず誰かに話したくなる雑学を、ぜひ楽しんでいってください。

アベックについて…

「アベック」という言葉、今の時代ではあまり聞き慣れない表現かもしれません。アベックは、かつて日本で「男女の2人連れ」を表す際によく使われていました。恋人同士を指す場合もありましたが、必ずしも恋愛関係である必要はなく、単に男女のペアという意味合いで使われることもありました。

実は「アベック」には、男女のペア以外にも使える意味があります。たとえば、「アベック飛行」という言葉。これは2羽の鳥や2機の飛行機など、2つの存在が一緒に行動している様子を表す表現です。つまり、「2つが並んでいる」「一緒に動いている」といった意味で使われることもあるのです。

この言葉の由来はフランス語の「avec(アヴェック)」で、「〜と一緒に」という意味があります。英語でいえば「with」にあたります。元のフランス語では人に限らず、物でも何でも「一緒にある」ものに使われるのが特徴です。

日本ではこの「avec」が大正時代の終わりごろに取り入れられ、当時の若者が「男女のペア」を表すおしゃれな外来語として使い始めたと言われています。

『カップル』と『アベック』との違い

「アベック」はフランス語「avec」が由来。大正時代の終わり頃に日本へ入ってきました。当時はおしゃれな響きがあり、特に1960年代から1980年代にかけて流行語のように使われていたと言われています。しかし、バブル経済が終わる頃から徐々に耳にする機会が減り、今では日常会話で使う人はほとんどいないでしょう。

一方で、「カップル」は英語の「couple」が語源。「夫婦」や「恋人」といった親密な2人の関係を指す言葉です。日本でもその意味をほぼそのまま取り入れており、現在では「恋人同士」を表す言葉として定着しています。

「アベック」がその場にいる男女を指すのに対して、「カップル」は離れた場所にいる人たちにも使えるなど、表現の幅も広く、今の日本語として自然に使えるのが「カップル」です。こうした背景から、「アベック」は時代とともに使われなくなり、「カップル」が主流となったのです。

今回の雑学、面白かったらぜひ周りの人にも教えてあげてみてください。

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