お菓子によくある『サラダ味』って何味なの?実は野菜とは全く関係がなかった!?

雑学

サラダ味は野菜の味という意味じゃない!

お菓子でよく見かける「サラダ味」は、さっぱりとした風味がどの年代からも人気を集めています。しかし、サラダ味のお菓子のほとんどは、野菜サラダのエキスなどをそのまま使っているからこの名前になったわけではありません。

実は、お菓子業界でサラダ味と言えば、「サラダ油を使ったお菓子に塩味をつけたもの」を意味します。

サラダは野菜由来のネーミングではなく、作る過程で使われるサラダ油からきたものでした。また、サラダ味の本当の味は「塩味」なのです。

かつて、おせんべいなどのお菓子の味付けと言えば「しょうゆ味」が当たり前でしたが、シンプルでおいしい塩味のお菓子は斬新な味付けとして、世間でブームになりました。

サラダ味が生まれた歴史

けれども、あえて塩味ではなくサラダ味という名前で売り出したのには、サラダ味のお菓子が誕生した時期ならではの背景があったようです。

由来となったサラダ油との関わり

サラダ味の名前の元となったサラダ油は、低温でも固まらない油として日本で開発され、ドレッシングやマヨネーズにも活用されています。

1924年にサラダ油が発売された当初は、海外のようにサラダに塩や酢を混ぜた油をかけて食べる習慣が日本にはありませんでした。そのため、揚げ油ではなく、生の加熱していないサラダにも使える油としてサラダ油を売り始めたという経緯があります。

しかし、初めてサラダ味のお菓子が誕生した1960年代、サラダ油はまだ家庭では高級品として扱われていました。

そこでお菓子メーカーは、サラダ油の高級感を前面に押し出し、洋風でおしゃれなお菓子だとイメージづける販売戦略に生かすため、塩味ではなくサラダ味としたのです。

「サラダ=塩」の意味もある

もっと昔の語源をたどると、サラダという言葉はラテン語の「sal(サル)」からきていて、「塩」という意味があります。

かつては野菜に塩だけかけて食べていたためと言われていますが、サラダ味は塩を意味する英語の「salt(ソルト)」が転じてサラダになったという説もあるのだそう。本当は塩味のお菓子であることを思えば、何だか納得のいく理由ですね。

塩味なだけじゃないサラダ味もある

こうして世間に普及したサラダ味のお菓子は、今では各お菓子メーカーからさまざまな商品が販売されています。その中には、一般的な由来とは異なる経緯でサラダ味と名付けられたものも。

サラダ味のお菓子でちょっぴり例外的な位置にいる有名なお菓子をご紹介しましょう。

じゃがりこのサラダ味

まず1つめは、カルビーが販売しているじゃがりこのサラダ味です。

その名前の通り、じゃがいもを原材料にして作られたお菓子であることはよく知られていますが、元々は「ポテトサラダ」をイメージして開発されました。じゃがりこの1本1本に、にんじんやパセリの粒が存在するのもこれが理由です。

実際に、レシピサイトなどではじゃがりこを使った簡単ポテトサラダの作り方なども投稿されており、よくあるサラダ味のお菓子とは少し違う位置づけとなっています。

うまい棒のやさいサラダ味

サラダ味は、一般的には野菜の味ではないことを最初にお伝えしましたが、うまい棒のやさいサラダ味に関しては、発売した当初は野菜ジュースをそのまま実感できるような味を目指して作られていました。

しかし、おやつとしては渋みがあって少し食べにくかったのだとか。そこで、にんにくの風味を感じるサラダドレッシングをイメージした味に改良され、現在まで続く人気商品となりました。

サラダ味のお菓子をおいしく食べよう!

サラダ味の由来をご紹介しましたが、いかがでしたか?本当は野菜の味ではなく塩味だったとは、意外と知られていない情報です。

現在では、サラダ味にもさまざまなフレーバーが登場し、ますますおいしくなっています。サラダ味のお菓子を食べる時には、ぜひ味付けにも注目してみてくださいね。

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