似たようで異なるビスケット・クッキー・サブレ
ビスケット・クッキー・サブレ…どれも身近なお菓子ですが、その違いを聞かれると、はっきり答えられない人も多いのではないでしょうか。名前が違うだけで、見た目や味は似ているし、どれもサクサクしていて美味しい。でも実は、ちょっとした違いがあるのです。
今回は、混同しがちな3つのお菓子の違いをわかりやすく解説。知ればちょっと話したくなる、意外と奥深いお菓子の雑学を紹介します。
クッキーとビスケットの関係
クッキーとビスケットはもともと大きな違いはありませんでした。そもそも「ビスケット」という呼び名はヨーロッパで使われていたもので、後にアメリカへと伝わったそうです。そしてアメリカでは、オランダ移民が持ち込んだ「クッキー(小さなケーキ)」という意味の言葉が浸透し、そちらが主流になりました。
つまり、アメリカ人にとっては「クッキー」、イギリスなど他の英語圏の人にとっては「ビスケット」と、国によって呼び方が違うだけ。中身はほぼ同じお菓子を指していたというわけです。
ところが日本の場合は事情が異なります。「全国ビスケット協会」がクッキー、そしてビスケットを区別する基準を定めたのです。糖分と脂肪分の合計が全体の40%以上、かつ手作り風の見た目であれば「クッキー」、それ以外は「ビスケット」と呼ぶことになったのです。昔は、クッキーは高級なお菓子とされていたため、安価な商品にクッキーの名前をつけると誤解を招く恐れがあった、という背景もあるそうです。
ちなみに、「ビスケット」の語源はラテン語の「bis coctus(ビス・コクトゥス)」で、「2度焼いたもの」という意味。これは保存性を高めるために水分を飛ばしたパンのようなものでした。
余談ですが、アメリカで「ビスケット」と言うと、日本人が思い浮かべるサクサクのお菓子ではありません。ふわっとした厚みのあるパンのような食べ物で、フライドチキンの付け合わせや、ジャムやはちみつを添えた軽食として親しまれています。見た目はイギリスのスコーンにも似ていますが、甘みがない分、食事との相性が抜群です。
サブレとの違い
サブレとの違いを簡単に言うと、サブレはクッキーの一種です。サブレはバターをたっぷり使った風味豊かなお菓子で、口に入れるとホロホロとほどけるような軽やかな食感が特徴です。
サブレの名前の由来にはいくつか説がありますが、有名なのはフランス・サブレ地方に住んでいた貴族の夫人が考案したレシピが、上流階級の間で話題になり、それが広まっていったという話。また、そのサクサク感がまるで砂のようであることから、フランス語「sable」(サブル:砂という意味)が語源だという説もあります。
今回の雑学、面白かったらぜひ周りの人にも教えてあげてみてください。