シロアリは蟻ではない
家の大敵として知られる「シロアリ」。名前に「アリ」と付くため、多くの人が蟻の仲間だと思い込んでいるのではないでしょうか。しかし実は、シロアリは蟻とはまったく異なる生き物。驚くべきことに、シロアリの正体は「ゴキブリ」に近い存在だったのです!
今回はシロアリに関する面白い雑学をお届け。最後までお読みいただくと、虫博士に一歩近づけることでしょう。
シロアリはゴキブリの仲間
冒頭でも少し述べましたが、シロアリは蟻ではなく、ゴキブリの仲間です。
普通の蟻とシロアリは大きさこそ似ているものの、よく観察すると体の形や特徴はかなり違います。白くて小さなシロアリは、まるで翅のないゴキブリのよう。しかしその生態は普通のゴキブリとはかなり異なっています。
「ゴキブリ」と聞くと、不潔で素早く動く嫌なイメージですよね。実はシロアリは、動きもゆっくりで比較的清潔な生き物。私たちが知る一般的なゴキブリとは、かなり異なる存在なのです。
そもそもシロアリのルーツは、約1億5千万年前にさかのぼります。彼らは「キゴキブリ」と呼ばれる、枯れ木を食べる原始的なゴキブリから進化しました。現在のシロアリは、その流れをくむ独自の進化を遂げた結果なのです。
ゴキブリは腐ったものを食べますが、シロアリは「枯れた木」を食べて生きています。食べる対象は違えど、どちらも「自然の中で役目を終えたものを分解する」という点では、共通した役割を持っているのです。
なぜ「アリ」と名がつくのか?
ところで、シロアリがゴキブリに近い生き物なら、なぜ「シロゴキブリ」ではなく「シロアリ」と呼ばれているか…不思議に思いませんか?
シロアリと普通のアリは、食べ物や生態、体の特徴までまったく違います。それでも「アリ」という名前が付けられたのには、大きな共通点があるから。それは「社会性昆虫」である点です。
アリは、女王アリを中心とした大きな家族(コロニー)を作っています。働きアリがエサを集め、兵隊アリが外敵から巣を守るなど、それぞれがきちんと役割を担っています。
実は、シロアリも同じような社会構造を持っています。女王と王が生殖を担当し、そのほかの個体は育児や巣作り、外敵からの防衛などを分担して暮らしているのです。細かい成長過程などに違いはありますが、社会全体で支え合う仕組みはアリと驚くほどよく似ています。
こうした「社会性」が、シロアリに「アリ」という名前が付けられた最大の理由といわれています。
今回の雑学、面白かったらぜひ周りの人にも教えてあげてみてください。