「映画で見たことある」から「ちょっと詳しい」になれる！裏社会の基礎知識
「ギャング」「マフィア」「ヤクザ」。映画やドラマで何度も見聞きしたことのある言葉ですよね。でも、「結局どう違うの？」と聞かれると、意外と説明が難しいものです。
実は、これらの組織には明確な違いがあります。例えば、ギャングという言葉。最初に使われたのは1896年、シカゴの新聞記事でした。市議会選挙の記事で「ギャングスターは投票箱に細工をする」という一文から始まったんです。つまり、最初から「悪い奴ら」という意味で使われていたわけです。
考えてみれば面白いですよね。私たちが「当たり前」のように使っている言葉にも、実はこんな歴史が隠されているんです。今回は、そんな知られざる裏社会の違いについて、ちょっと深掘りしていきましょう。
知ってたらスゴイ！ギャングとマフィアの意外な違い
映画やドラマでは、どちらも「危険な犯罪組織」として描かれがちなギャングとマフィア。でも、実はその成り立ちから活動内容まで、かなり異なる特徴を持っているんです。
たとえば、ギャングの多くは「若いストリートギャング」。アメリカの貧しい地域で育った若者たちが、コミュニティ単位で形成するグループなんです。日本で例えると、かつての暴走族のような感じでしょうか。
一方のマフィアは、まさに「大人の組織」。イタリアのシチリア島で生まれ、19世紀から20世紀にかけてアメリカに渡った人々によって、より組織化された形に発展しました。面白いことに、マフィアという言葉には「美しく勇敢な者」という意味があったそうです。
実は、ギャングに所属していた若者が成長してマフィアに入ることも。つまり、ギャングは「見習い」で、マフィアは「プロ」というような関係性があったわけです。
なぜこんなに違う？それぞれの組織が生まれた理由
「じゃあ、なぜこんなに違う組織が生まれたの？」
実は、それぞれの組織には、その土地ならではの歴史的背景があるんです。
マフィアの起源は、シチリアの土地管理人たち。外国からの支配が続いたシチリアでは、住民同士で助け合う組織が自然と形成されていきました。今でも有名な「血の掟（オメルタ）」は、「同胞を外国人支配者に売り渡さない」という意識から生まれたものだそうです。
一方、ギャングが活発化したのは1920年代のアメリカ。禁酒法時代、お酒の密造や密売を行う集団として知られるようになりました。でも、実は「ギャング」という言葉自体はもっと前からあって、もともとは港で働く労働者の集団を指す言葉だったんです。
知らなかった人も多そう！組織の中身から見る意外な特徴
裏社会の組織とひと言で言っても、その内部構造はまるで違います。特に興味深いのが、組織の階層と人の集め方です。
マフィアは「ファミリー」と呼ばれる厳格な組織を持ち、各ファミリーにはボス（ドンやカポと呼ばれる）がいます。面白いことに、実の家族関係がなくても「ファミリー」なんです。アメリカのニューヨークには、なんと5つのファミリーが存在していたとか。
組織への加入にも厳しい掟があって、マフィアの場合、イタリア系でないと正規メンバーになれません。これは徹底されていて、たとえ大物でもイタリア系でなければ「非正規メンバー」として扱われるんです。まるで超一流企業の採用基準のような厳しさですよね。
一方のギャングは、もっと緩やかな組織です。基本的に「ウォリアー（戦闘要員）」と「ハスラー（商売係）」の2種類に分かれていて、特に厳しい入会制限はありません。言ってみれば、「やる気があれば誰でもウェルカム」という感じでしょうか。
強さの秘密！それぞれの組織が持つ独自の「武器」
「じゃあ、どっちが強いの？」とよく聞かれますが、実は単純な比較はできません。それぞれが全く違う「武器」を持っているからです。
マフィアの最大の武器は「徹底した秘密主義」。日本のヤクザのように事務所を構えることはありません。メンバーは普段、一般市民を装い、水面下で活動します。そして、組織の掟を破った者には容赦のない制裁が…。この厳格な規律が、マフィアの力の源となっているんです。
ギャングの強みは「若さと機動力」。貧困地域で育った若者たちは、街の隅々まで知り尽くしています。アメリカでは推定150万人前後のギャング集団がいて、犯罪の約半分に関与しているという説もあります。
一つ面白い話を。1943年、アメリカ軍がイタリアに上陸する作戦を計画した時、なんとマフィアの協力を得たそうです。マフィアは港の情報を提供し、作戦を成功に導いたとか。まさに「敵の敵は味方」というやつですね。
時代とともに変化する組織の今！マフィアとギャングの現在地
実は、これらの組織も時代の波には逆らえないんです。21世紀に入って、その姿は大きく様変わりしています。
マフィアの変化は特に顕著です。2011年、FBIがニューヨークで大規模な一斉摘発を行い、127人ものメンバーを逮捕。2016年になると、建設業界での偽装工事でなんとか組織を維持する状態に。昔のような強大な力は、もう影を潜めているようです。
「じゃあ、ギャングはどうなの？」と気になりますよね。実は、ギャングはより国際的な存在へと進化しています。もはやアメリカだけの話ではなく、世界中に勢力を広げているんです。ストリートギャングから始まった組織が、グローバル化の波に乗って変貌を遂げているというわけ。
ある犯罪学者の面白い指摘があります。「かつての組織犯罪は地域に根ざしていた。しかし今や、インターネットとグローバル化によって、その在り方は根本的に変わってきている」。確かに、時代に合わせて変化していかないと、組織も生き残れないということかもしれませんね。
友達に話したくなる！裏社会にまつわる意外な豆知識
ここまで読んでくださった皆さんに、とっておきの話をご紹介します。
マフィアという言葉、実は語源に面白い説があるんです。1282年、シチリアでフランス兵による暴行事件をきっかけに暴動が起きた時の合言葉「Morte alla Francia Italia anela（フランスに死を、これはイタリアの叫び）」の頭文字を取ると「MAFIA」になるんです。でも、これは後から作られた説という指摘も。
また、マフィアやギャングの映画やドラマで、よく耳にする「ドン」という呼び方。実は、これはナポリの犯罪組織「カモッラ」の幹部への呼び方で、シチリアマフィアでは「カポ」と呼ぶのが正しいんです。映画の影響で、こういった呼び方が混ざってしまったというわけですね。
これらの話、友達との会話のネタにぴったりじゃないでしょうか？「実はね…」と切り出すだけで、みんな興味津々に聞いてくれるはずです。ただし、あくまで歴史的な話題として楽しむことをお忘れなく！
