ひな祭りの歌詞が怖いって本当?「うれしいひなまつり」に隠された都市伝説

雑学

なぜ「うれしいひなまつり」の歌詞が怖いと言われるのか

ひな祭りといえば、華やかに飾られた雛人形や色とりどりのひし餅、甘酒が並ぶ日本の伝統行事です。しかし、そんなお祝いの日に歌われる「うれしいひなまつり」の歌詞について「実は怖い」と感じる人がいることをご存じでしょうか?

「お嫁にいらした姉さま」「赤いお顔の右大臣」といったフレーズに違和感を覚えたことはありませんか?ひな祭りの楽しげな雰囲気とは裏腹に、どこか寂しさや不気味さを感じる歌詞になっています。この歌が「怖い」と言われる理由は、主に以下の3つです。

  • 歌詞に含まれる「誤解されがちな表現」
  • 作詞者の人生と悲しいエピソード
  • 短調のメロディが生む哀愁

この記事では、それぞれの要素を詳しくひも解き、「うれしいひなまつり」の歌詞がなぜ「怖い」と言われるのかを探っていきます。

歌詞に隠された意外な意味

「うれしいひなまつり」は1936年に発表された童謡です。タイトルには「うれしい」とありますが、歌詞をよく見てみると、どこか寂しげな印象を受けるという声も少なくありません。その理由のひとつが、歌詞の中にある「誤解されがちな表現」です。

「お内裏様とお雛様」の誤用

「お内裏様とお雛様」というフレーズを耳にしたことがある人は多いでしょう。一見、男雛(おびな)と女雛(めびな)を指しているように思えますが、実はこれは本来の意味とは異なります。

「お内裏様」とは、天皇と皇后を指す言葉であり、男雛・女雛の両方を含む表現です。そのため、「お内裏様とお雛様」という歌詞は、同じものを二重に言っていることになります。では、なぜこの表現が広まったのでしょうか?

童謡が作られた当時、ひな祭りは都市部を中心に広まりつつありました。地域によっては、ひな人形の配置や呼び方に違いがあり、一般的な認識として「お内裏様=男雛」とする考え方が定着してしまったのかもしれません。その結果、童謡の歌詞もそうした認識に沿ったものとなり、今もそのまま歌われ続けているのです。

「赤いお顔の右大臣」のズレ

「うれしいひなまつり」の歌詞には、「赤いお顔の右大臣」という表現もあります。ところが、実際のひな壇では「赤ら顔で描かれるのは左大臣」です。ひな壇に飾られる左右の大臣には、それぞれ設定があります。

  • 左大臣:年配の武官で、顔が赤く描かれることが多い
  • 右大臣:若い武官で、通常は白い顔

つまり、歌詞では右大臣の顔色が実際のひな壇とは逆に描写されているのです。これは、作詞者が意図的にそうしたのか、それとも単なる誤認だったのかは明らかになっていません。しかし、こうした細かな違和感が積み重なることで、「この歌詞、なんだか不気味かも?」と感じる人が出てくるのかもしれません。

このように、「うれしいひなまつり」の歌詞には、一見すると普通の表現に思えるものの、よく考えると実際のひな祭りの風習とはズレている部分がいくつかあります。こうした違和感が、知らず知らずのうちに「怖い」と感じさせる一因になっているのでしょう。

作詞者の人生と歌詞の関係

「うれしいひなまつり」の歌詞は、単なる童謡として作られたわけではないかもしれません。この歌を作詞したのは、詩人のサトウハチロー。彼の人生にまつわるエピソードが、歌詞の内容に影響を与えた可能性があると言われています。

「お嫁にいらした姉さま」の背景

歌詞の中に出てくる「お嫁にいらした姉さまによく似た官女の白い顔」という一節。このフレーズが「怖い」と感じられるのは、背景を知るとさらに納得できるかもしれません。

サトウハチローには、婚約後まもなく病気で亡くなった姉がいました。結婚を目前にして命を落とした姉の姿が、歌詞に反映されているのではないかと考える人もいます。「お嫁にいらした」という表現は、単にひな壇の官女を指しているだけではなく、叶わなかった姉の結婚を思い起こさせるものだったのかもしれません。

もちろん、サトウハチロー本人がこの解釈を明言したわけではありません。しかし、こうした背景を知ると、「うれしいひなまつり」の歌詞がどこか切なく、寂しいものに感じられるのも不思議ではありません。

メロディが「怖い」と感じさせる理由

歌詞の内容だけでなく、メロディ自体もこの歌が「怖い」と言われる理由のひとつです。「うれしいひなまつり」の曲調には、どこか寂しげな雰囲気があります。それには、音楽的な要素が関係しているのです。

短調が与える哀愁

この曲は短調(マイナーキー)で作られています。短調の曲は、日本人にとって「切なさ」や「哀愁」を感じさせやすいものです。例えば、「かごめかごめ」や「通りゃんせ」なども短調で作られており、どこか不気味な印象を持たれがちです。

「うれしいひなまつり」も同様に、短調のメロディが持つ特有の雰囲気が、歌詞の寂しさをより際立たせているのかもしれません。

ゆったりしたテンポが生む印象

また、この曲は比較的ゆったりしたテンポで歌われることが多く、それが哀愁を感じさせる要因にもなっています。たとえば、テンポの速い応援歌や童謡は元気で明るい印象を与えますが、「うれしいひなまつり」は静かに語りかけるようなメロディになっています。

このゆったりとしたリズムが、歌詞に込められた寂しさを強調し、聞く人に「なんとなく怖い」と感じさせるのかもしれません。ひな祭りというのはもともと厄除けの意味を持つ行事であり、そうした文化的な背景と相まって、この曲が持つ哀愁がより印象的に響くのでしょう。

実際に「怖い」と話題になった事例

「うれしいひなまつり」の歌詞が怖いという話は、昔から一部では囁かれていましたが、特に近年になってSNSやメディアで注目されるようになりました。多くの人が歌詞の意味を改めて考えた結果、「こんなに不思議な表現だったのか」と驚く声が増えています。

SNSでの反応

SNSでは、ひな祭りの時期になると「うれしいひなまつり」の歌詞についての投稿が増えます。特に、「お嫁にいらした姉さま」のフレーズに関して、「これは実話なのでは?」「作詞者の姉が亡くなった話と関係があるのでは?」といった考察が飛び交っています。

また、「歌詞の意味を改めて考えたら、全然うれしくない」「なんだか悲しい気持ちになる」といった意見も多く見られます。子どものころは何気なく歌っていたのに、大人になって歌詞の内容に違和感を覚えた人が少なくないようです。

さらに、「ひな祭りは女の子のお祝いなのに、歌詞の中では主役の女の子が出てこないのはなぜ?」という視点から、この歌に疑問を持つ人も増えています。歌詞のテーマが「ひな祭りのお祝い」ではなく、「すでに過ぎたお祝いの後」を描写している点も、独特の雰囲気を生み出しているのかもしれません。

テレビや雑誌での取り上げ方

「うれしいひなまつり」の歌詞については、バラエティ番組や雑誌などでも度々特集が組まれています。特に、「実は間違いだらけの童謡」「昔の歌詞には隠れた意味がある」といった企画の中で紹介されることが多いようです。

たとえば、「かごめかごめ」や「通りゃんせ」といった童謡が「怖い歌」として取り上げられる際に、「うれしいひなまつり」も「本当は怖い歌詞の童謡」の一例として紹介されることがあります。

また、ひな祭りの特集番組などでは、「本来のひな祭りの意味」とともに「なぜこの歌詞が生まれたのか」が解説されることもあります。こうしたメディアでの取り上げによって、「うれしいひなまつり=怖い歌」というイメージがより広がっているのかもしれません。

この話、誰かに話したくなる?

「ひな祭りの歌詞って、実は間違いが多いんだよ」
「お内裏様とお雛様って、同じものを2回言っているだけらしいよ」

と話してみたら、意外と盛り上がるかもしれません。ひな祭りの席でこの話をすると、「え、そうなの?」と驚かれること間違いなしでしょう。

また、「赤い顔の右大臣って、本当は左大臣なんだって」と話すと、ひな人形を見ながら新たな発見を楽しめるかもしれません。こうした雑学を知ることで、ひな祭りの見方が少し変わるかもしれませんね。

童謡には、子どもが歌うだけではなく、大人になってから改めて意味を知ることで面白さが増すものもあります。「うれしいひなまつり」の歌詞が持つ背景を知ることで、単なる童謡ではなく、歴史や文化の奥深さを感じられるかもしれません。

ぜひ、ひな祭りの際にはこの話を誰かに話してみてください。「昔はただの歌だと思っていたけれど、実はこんな話があったんだよ」と伝えるだけで、新しい発見を共有できるはずです。

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