競馬場にはなぜ右回りと左回りがあるの?
競馬を見ているとき、ふと疑問に思ったことはありませんか?
例えば、いつも見ている競馬場とは逆向きに馬が走っているのを見たとき、違和感を感じる人は多いのではないでしょうか。
競馬場はそれぞれ、右回りと左回りが決まっています。でも、そもそもなぜ回り方向が違うのでしょうか?実は、この回り方には意外な歴史や理由が隠されているのです。
まずは、多くの競馬場が「右回り」を採用している理由から見ていきましょう。
日本の競馬場に右回りが多い理由
日本の競馬場は、ほとんどが右回りです。これは明治時代の競馬場づくりに深く関係しています。
当時は、競馬場を作るための資金や設備が今ほど充実していませんでした。そのため、新たに土地を整地するよりも、元々の地形に合わせて競馬場を設計する方が合理的だったのです。
当時選ばれた場所は、右回りにコースを作った方が、土地の起伏や川の流れをうまく活用できるケースが多くありました。つまり、右回りを採用することは、自然な地形に逆らわず、整備費用を節約できる方法だったのです。
今でも残る函館や中山競馬場などが右回りなのは、その頃の名残りというわけですね。
東京競馬場だけが左回りなのはなぜ?
ここまで読むと、「東京競馬場だけなぜ左回りなの?」と不思議に思う方も多いかもしれませんね。
実は東京競馬場が左回りになった背景には、目黒競馬場という別の競馬場が関係しています。目黒競馬場は明治時代に東京にあった競馬場ですが、この競馬場は土地の水はけが悪く、右回りで設計すると、どうしてもコースに水が溜まってしまったのです。
そこで関係者は、土地の勾配を利用して自然に水が流れるよう、コースを左回りで設計しました。この目黒競馬場のコース設計がうまく機能したため、後に目黒競馬場から現在の府中(東京競馬場)に競馬場を移転する際にも、この「左回り」の設計をそのまま引き継ぐことになったのです。
つまり東京競馬場の左回りには、明治時代の水はけ問題を解決するための苦肉の策が、今でも受け継がれているということなんですね。
日本の主な競馬場の回り方向とその特徴
競馬ファンなら、自分の好きな馬が次に出走する競馬場が「右回り」なのか「左回り」なのか、気になることがありますよね。実際、日本の競馬場はそれぞれコースの特徴が違い、どの回り方向で馬が走るのかでレース展開や結果にも影響が出ます。
ここでは、主な競馬場を右回りと左回りに分けて、分かりやすくまとめました。競馬中継を見るときや、実際に競馬場に足を運ぶときの参考にしてみてください。
【右回りの競馬場】
- 札幌競馬場:コーナーがゆったりしていて、馬がスピードを落とさず走れる。
- 函館競馬場:コースが小さく、コーナーがきついため、小回りが得意な馬が有利。
- 福島競馬場:小回りのため逃げ馬が有利とされるが、直線も短く、最後の追い込みは難しい。
- 中山競馬場:起伏が激しくタフなコース。坂を苦手とする馬は苦戦しやすい。
- 京都競馬場:コース全体がフラットで直線も長め。スピードを活かせる馬に向いている。
- 阪神競馬場:直線に急坂があり、スタミナとパワーを求められる競馬場。
- 小倉競馬場:コーナーがきつく小回り。スピードを維持しつつ器用に曲がれる馬に有利。
【左回りの競馬場】
- 新潟競馬場:直線が日本一長く、追い込み馬が活躍しやすい。
- 東京競馬場:直線が長く、広々としているため、瞬発力のある馬が好成績を残す。
- 中京競馬場:坂と直線のバランスが良く、どの脚質の馬にもチャンスがある。
競馬場の特徴がそれぞれ分かったところで、次に気になるのは、回り方向が馬の走りにどう影響するのかですよね。
競馬場の回り方向は馬の走りにどう影響する?
馬にも人間と同じように「利き足」があるのをご存知でしょうか?
実は、馬の利き足と競馬場の回り方向には密接な関係があります。一般的に、馬は左前足が利き足の場合、右回りの競馬場を得意とする傾向があります。
その理由は、右回りではコーナーを曲がる際に、左前足で体重をしっかり支えることができるからです。これは、人間が片足立ちをするときに、利き足で立った方が安定するのと似ていますね。
反対に右前足が利き足の馬は、左回りの方が走りやすく、良い結果を出しやすくなります。つまり、競馬予想をするときには、馬の利き足を少し意識すると、いつもとは違った視点で楽しめるかもしれません。
競馬中継で実況が「この馬は右回りが得意です」とコメントしたら、「利き足が左なのかな?」と思い浮かべると、競馬を見るのが少し面白くなりますよ。
騎手や馬は回り方向をどう感じている?
競馬を観ているとき、回り方向の違いが馬や騎手にどんな影響を与えているのか気になったことはありませんか?
実際のところ、競馬場の回り方向の違いは、馬や騎手にとって大きな要素です。私たちが思う以上に、その影響はレースの結果を左右しているようです。
ここでは、回り方向を苦手とした有名な馬のエピソードや、ベテラン騎手の具体的なコメントを通じて、馬や騎手のリアルな視点に迫ります。
回り方向が苦手だった有名馬のエピソード
競馬ファンなら誰でも知っているような名馬でも、実は回り方向に得意不得意がありました。
例えば、かつて三冠馬にも輝いたある名馬は、圧倒的な強さを見せた左回りの東京競馬場では無敵に近い存在でした。しかし、右回りになると極端に成績が落ちてしまう傾向がありました。
この馬は、特に右回りの小回りコースが苦手で、コーナーでバランスを崩しがちでした。そのため右回りのレースでは、いつもと違って早めにスパートをかけてコーナーでの減速を最小限に抑えるなど、騎手も作戦を練らなければいけませんでした。
このように、馬には利き足だけでなく、走り方や性格によって回り方向に明確な得意・不得意があります。競馬を観るときは、こういった馬それぞれの「クセ」を知ることも楽しみのひとつです。
武豊騎手が語った回り方向の違い
ベテラン騎手として知られる武豊騎手は、競馬の回り方向の違いについて、「馬の走り方や重心の取り方が大きく変わるため、実は競走馬にとっては重要な要素です」と語っています。
また、「右回りでは左前足が利き足の馬がコーナリングで安定しやすい。その反対に、右前足が利き足の馬は左回りでスムーズに走れることが多いですね」と具体的に解説しています。
騎手自身も、馬の特徴に合わせて、回り方向ごとにレース展開や作戦を変える必要があるということですね。
つまり、私たち観客が「右回りか左回りか」と軽く考えてしまいがちなことも、実際の騎手や馬にとっては勝負の分かれ目になりうる重要なポイントだということです。
今度競馬を見るときには、武豊騎手の言葉を少し思い出してみてはいかがでしょうか。馬や騎手の微妙な動きの違いに気づけるかもしれません。
知っていると競馬がもっと楽しくなる雑学
ここまで競馬場の回り方向や、馬と騎手への影響についてお伝えしてきました。では、右回りと左回りの違いを知った上で、競馬をもっと面白く楽しむ方法とは何でしょうか。
例えば、テレビで競馬を見ているとき、回り方向を意識して馬や騎手の動きをじっくり観察してみましょう。コーナーでバランスを崩しかける馬がいたら、「あ、この馬はこっち回りが苦手なのかも」と考えながら見てみると、新しい視点でレースが楽しめます。
また、競馬場に行ったときに、あえてコースの近くから馬の走り方をチェックしてみてください。同じ馬でも右回りと左回りでは走り方が微妙に違うことに気づけるかもしれません。
こうしたちょっとした雑学的視点を持つだけで、いつもの競馬観戦がひと味違った楽しみ方になるはずです。
競馬好きな友達に教えたくなる話
最後に、ここまでお伝えした中から特に印象的で、競馬仲間にも思わず話したくなるポイントを3つだけ紹介します。
- 日本の競馬場に右回りが多いのは、昔の地形を活かして整備費用を節約したため
- 東京競馬場だけが左回りになったのは、明治時代の水はけ問題が原因だった
- 馬には利き足があり、それが回り方向の得意・不得意に大きく影響している
いかがでしたか? 次に競馬場へ行くときや競馬仲間と話すとき、この3つのポイントをちょっと伝えてみてください。
きっと競馬観戦がいつも以上に楽しくなるはずですよ。