世の中には『自分のニオイで気絶してしまう生き物』が存在する!?臭すぎて死んでしまうことも…

雑学

カメムシは自分のニオイで気絶する!

ヘッピリムシ、ヘコキムシ、ヘクサムシなど、不快なニオイを発する生き物の代表格として、いろいろな呼び名を持つカメムシ。

人間の健康を害する毒は持ってないため、カメムシの臭いニオイを嗅いでも問題ありませんが、手や服につけばなかなか落ちない厄介なものです。

そんなカメムシのニオイに眉をひそめるのは、人間だけではありません。実は、カメムシもまた、自分のニオイを臭いと思っているというのです。

密閉容器の中に入れたカメムシがあの臭いニオイを放つと、まさかの自分自身のニオイでカメムシは気絶!さらには、このニオイに含まれるアルデヒド系の成分の刺激により、下手をすると死んでしまうこともあるのだそうです。

カメムシが臭いニオイを放つ理由

開放的な空間にいれば、カメムシも自分のニオイに気絶することはないようですが、こんなにも強烈なニオイを放つのには理由があります。

敵から身を守る護身スプレーとしての役割

多くの人が想像する通り、カメムシが臭いニオイを出すのは、「天敵を撃退するため」です。何らかの刺激を体に受けて身の危険を感じると、カメムシは足の付け根からニオイの強い液を放ちます。

カメムシの臭いニオイはよく「おなら」と表現されますが、実際はお尻から出ているガスではなく、おならとは異なるものです。

このニオイを嗅いだ敵は、人間がその臭さを強烈に記憶して避けてしまうように、その後はカメムシを襲わなくなります。

情報伝達用フェロモンとしての役割

敵の気配を察知して1匹が臭いニオイを発すると、そのニオイを感知して他のカメムシたちが逃げていく様子も確認されています。これは、敵を追い払うと同時に、仲間にも危険であることを伝える「警戒フェロモン」なのです。

また、冬を越したり、繁殖のために集まる時などにもこのニオイが「集合フェロモン(性フェロモン)」として役立っています。

カメムシのニオイを深掘りすると、ただ臭いだけではなく、仲間同士での情報共有でも大事な役割を担っていることがよくわかりますね。

威力はカメムシ以上!?臭いニオイを放つ生き物

ミイデラゴミムシ

カメムシと同じように「臭いおなら」を出すと思われている生き物は、地球上に他にも存在します。ヘッピリムシやヘコキムシのあだ名をカメムシと共有している虫として有名なのは、「ミイデラゴミムシ」。

お腹の中にヒドロキノンと過酸化水素という2つの液体を併せ持ち、敵が近づいてきたらこれらを体内の袋で混ぜて噴射。するとこの体液は臭いだけでなく、化学反応によって100℃以上もの熱さを帯びた強力な武器となって敵を追い払います。

スカンク

「スカンク」の臭いおならも、実は肛門のすぐそばにある分泌腺から出される特殊な液体です。その臭さは何とも強烈で、風向きなどの条件が整えば1km先にも届くほどなのだとか。

獲物として狙う肉食獣も追い払われるわけですね。しかも、この分泌腺を直接浴びてしまうと、相手は失神したり、一時的に失明してしまうこともあるそうです。

ミナミコアリクイ

そして、意外と知られていないのが、動物園では手を広げて立ち上がる可愛い威嚇のポーズで人気者の「ミナミコアリクイ」のニオイです。

スカンクと同じく、危険を察知すると肛門腺から分泌液を発射するのですが、その臭さはなんとスカンクの4倍とも言われています。

ミナミコアリクイが本気で敵を追い払おうとしたら、臭すぎるニオイで攻撃してくるかもしれないことを知っておいた方が良いかもしれません。

命を守るためのニオイに驚愕!

カメムシのニオイはとても強く、密閉された場所なら自分自身すらも気絶させてしまうほどだという事実をご紹介しました。

しかし、これも命を守ったり、仲間との情報共有のため。カメムシをはじめとした生き物たちにとっては、この臭いニオイが生き抜くための大事な武器なのです。

とは言え、このニオイを避けたいというのも人間側の本音。カメムシはできるだけ刺激しないよう、増え始める季節には注意が必要です。

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