4月6日は『城の日』…日本城郭協会が伝えたい本当の狙いとは?

雑学

「城の日」って何?4月6日が選ばれた理由とは

4月6日は「城の日」と聞くと、「なぜこの日なの?」と思いませんか?実はこの日付、特別な歴史上の出来事ではなく、「し(4)ろ(6)」という語呂合わせから生まれた記念日なんです。

「城の日」を制定したのは公益財団法人日本城郭協会で、1974年のこと。協会は1967年に設立され、日本中に残る城の歴史を守り、多くの人に城の魅力を広める活動を続けています。

意外と多い?語呂合わせで決まった記念日

「語呂合わせって…なんだかシンプルすぎない?」と思われるかもしれません。でも、こういった身近な語呂合わせで決まる記念日って意外に多いですよね。たとえば、2月22日の「猫の日」や11月11日の「ポッキーの日」など、私たちの日常にはちょっとユーモラスな語呂合わせ記念日が溢れています。

姫路市が「城の日」を制定して全国に広がった

「城の日」が広く知られるようになったのは、1990年に兵庫県姫路市が同じ日を市独自の「城の日」として制定してからです。姫路市といえば世界遺産「姫路城」の街。姫路城周辺の地域活性化や観光促進を目的に、この記念日を大々的にアピールしました。

姫路市が城の日を活用して、地域全体を盛り上げたことは、他の自治体にも大きな影響を与えました。各地の城でイベントが開催されるきっかけとなり、結果的に「城の日」は全国的な広がりを見せることになったのです。

城の日の始まりはシンプルですが、その後の地域への波及効果を見ると、意外にも奥が深いと感じませんか?

全国各地で行われる「城の日」の人気イベント

4月6日の「城の日」前後には、全国のお城でユニークな催しが行われています。実際どんなイベントが開かれているのか、気になりますよね。ここでは特に人気のあるものを、テンポよくご紹介します。

姫路城の観桜会と無料開放週間

「城の日」と言えば、まず名前が挙がるのが兵庫県の姫路城です。この時期の姫路城では「観桜会」が開催され、満開の桜と真っ白な城のコントラストを楽しむ人でにぎわいます。

また、毎年城の日の前後一週間は、姫路城だけでなく周辺の博物館や文化施設も無料で開放されます。普段、城にはあまり関心がないという人でも、春の風物詩として家族で気軽に訪れる人が増える季節です。

実際に訪れた人の話では、「人が多くても桜と城が本当に美しくて、気分が華やぐ」と評判です。美しい景色を写真に収めているうちに、自然と歴史にも興味がわいてしまうのだとか。

名古屋城で配られる特製「城の日」御城印

城巡りが好きな人にとって欠かせないのが、御朱印帳ならぬ「御城印(ごじょういん)」です。特に4月6日の城の日に名古屋城で配布される特製御城印は、城ファンならぜひ手に入れたい限定品。

毎年先着460名という限られた数だけ配られるこの御城印を目当てに、早朝から長い列ができることも珍しくありません。限定デザインなので、もらった後もコレクションとして特別な価値を持ち続けます。

「並んだ甲斐があった」と嬉しそうに語る城ファンも多く、城の日が近づくとSNSでも話題になるほど人気があります。

青森県「根城」では甲冑姿のスタッフがお出迎え

青森県八戸市の史跡「根城(ねじょう)」では、城の日に合わせてスタッフが甲冑や小袖姿で訪問者を出迎えてくれます。まるで戦国時代にタイムスリップしたような気分が味わえるとして、毎年人気を集めるイベントです。

また、現地では限定の記念品が配布されるほか、地元のゆるキャラが登場するなど、歴史だけでなく楽しさも感じられる工夫がされています。

特に家族連れに人気で、実際に訪れた人からは「子どもが甲冑姿のお侍さんを見て大興奮だった!」という声も聞かれます。普段は静かな城跡が、この日だけは賑やかな笑顔に包まれます。

そもそもなぜ「城の日」ができたの?その裏側とは

「城の日」のイベントを知ったところで、「そもそも、なぜ『城の日』が作られたの?」と疑問に思う人もいるかもしれません。単なる語呂合わせだけでなく、その裏側には意外な事情と熱い思いがあったのです。

「城の日」を制定した日本城郭協会は、日本の城が次々と失われたり傷んだりしている状況を何とかしたいと考えていました。高度経済成長期には、古いものよりも新しいものを重視する価値観が強く、歴史的価値の高い城が取り壊されるケースもありました。

城への関心を高めるためにイベントを活用

そこで協会は「城の大切さを一般の人にも分かりやすく伝える機会を作ろう」と決心。堅苦しい歴史講座ではなく、親しみやすいイベントを各地で行うことで、より多くの人に城への興味を持ってもらえると考えました。

さらに姫路市が「城の日」を1990年に制定した理由も、ただ観光地としてのPRだけではありません。当時の姫路市は姫路城を中心に地域を盛り上げようとしていましたが、観光客の数は伸び悩んでいました。そこで「城の日」というわかりやすいテーマを設定して、街全体で観光を盛り上げる工夫をしました。

結果的に、このアイデアは成功しました。姫路城を中心とした観光客が増えただけでなく、姫路城が世界遺産に登録される1993年より前に、地域の人々が姫路城の価値を再認識するきっかけになったのです。

実は、「城の日」の制定は「語呂合わせ」という単純な理由だけでなく、城を守るための強い願いや地域活性化の熱意が込められた深い意味のある日だったのです。

城好きが密かに訪れる穴場スポット

有名なお城のイベントも魅力的ですが、「せっかくだから静かな場所でゆっくりと歴史に浸りたい」という人も多いのではないでしょうか。そんな方にぴったりなスポットが、静岡県三島市にある「山中城跡」です。

静岡県「山中城跡」で楽しむ静かな城巡り

山中城跡は戦国時代の北条氏が築いた城跡で、戦国時代の終わり頃、豊臣秀吉の小田原征伐で激しい戦いの舞台となった場所です。特徴的なのは、深く掘り込まれた空堀や曲輪(くるわ)が今も鮮明に残されていること。まるで当時の戦略や防御の工夫を、そのまま感じ取れるような雰囲気です。

この城跡は他の有名なお城のように観光客が殺到することも少なく、静かな雰囲気でゆっくりと散策を楽しむことができます。訪れた人の多くが「城好きにはたまらない場所」と評しています。

また、山中城跡は整備が丁寧に行われており、歩きやすい散策路や丁寧な解説看板が設置されています。そのため、歴史にあまり詳しくない方でも、わかりやすく当時の様子を想像できるようになっています。

静かな場所でじっくり歴史に浸ることが好きな人にとって、山中城跡はまさに理想的な穴場スポットと言えるでしょう。

一度は訪れたい魅力的なお城3選

「城の日」以外でも日本には魅力的なお城がたくさんあります。ここでは特に美しさや歴史的価値で評判の高い、人気のお城を3つご紹介します。

▶松本城(長野県)
まず、長野県の松本城。漆黒の壁と優雅な姿が特徴の、国宝指定された天守閣です。山々を背景に堂々とした姿を見せるこの城は、「日本一美しい城」とも呼ばれ、多くのファンを惹きつけています。

▶彦根城(滋賀県)
次に、滋賀県の彦根城。井伊直弼など、井伊家ゆかりの歴史ある名城です。現存する天守閣は国宝に指定され、城下町の風情も相まって昔ながらの日本の風景を楽しめます。

▶松江城(島根県)
最後に島根県の松江城です。この城は全国でわずかに残る現存12天守のひとつで、黒い板張りの天守閣が威厳を感じさせます。城内から眺める宍道湖の美しい景色も訪れる人々の心を捉えています。

どのお城も歴史の深さと美しい景観が楽しめますので、訪れた際にはぜひじっくりとその魅力を味わってみてください。

「城の日」のこと、誰かに話してみませんか

「城の日」の由来から人気イベント、穴場スポットまで、意外と知らない情報があったのではないでしょうか?この記事で得た新しい知識や面白い雑学を、ぜひ家族や友人との話題にしてみてください。

例えば、「4月6日って、語呂合わせで『城の日』なんだって知ってた?」というような、ちょっとした話題をシェアすることで、周囲の人と気軽に盛り上がることができます。

身近な人たちと城の日を共有して、歴史やお城に関する興味が広がるきっかけになると嬉しいです。

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