『ヒュッゲ』と『フィーカ』の違いとは?北欧流リラックス文化を解説!

雑学

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寒くて長い冬を過ごす北欧の人々は、日々の暮らしの中にあたたかさや心地よさを大切にする文化を築いてきました。そんな北欧ライフスタイルを象徴する言葉として、「ヒュッゲ」と「フィーカ」が挙げられます。

今回は、「ヒュッゲ」と「フィーカ」の意味についてわかりやすく解説。北欧のゆったりとした暮らしに興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

ヒュッゲとは

ヒュッゲとは、デンマークの人々が大切にしている“心地よく過ごす暮らし方”を表す考え方です。家族や友人との穏やかな時間、ぬくもりのある空間、ゆったりとしたひとときなど、日常の中にある小さな幸せを楽しむ感覚です。

ヒュッゲのルーツは、古い北欧の言語にあるとされ「心」や「思いやり」といった意味を含んでいるとされています。英語や日本語にはぴったり訳せる言葉がなく、デンマークの文化や価値観を知る中で少しずつ理解できるようになる独特の表現といわれています。

たとえば、家族と食卓を囲んで笑い合う夕食の時間や、静かな部屋で一人ゆっくり本を読むような瞬間も、ヒュッゲに通じるひとときです。誰かと一緒に過ごす時間だけでなく、自分自身がリラックスできる空間や過ごし方も、ヒュッゲと言えるでしょう。

フィーカとは

フィーカは、スウェーデンならではの“コーヒーを楽しむひととき”を意味する言葉です。単に飲み物を口にするだけではなく、誰かとおしゃべりを楽しんだり、気持ちをリセットしたりするための習慣です。語源は、スウェーデン語でコーヒーを意味する「Kaffi」を並び替えて生まれたといわれており、長年にわたって日常に根付いた文化となったそうです。

スウェーデンの人々にとってフィーカは、時間や場所に縛られず、気軽に取り入れられるリフレッシュの時間です。職場の同僚と過ごす短い休憩時間も、友人とカフェで語り合う時間も、すべてがフィーカ。ときには「フィーカしよう」と気軽に声をかけることもあり、恋人未満の相手を誘う口実としてもよく使われます。

ちなみに、スウェーデンでは、コーヒーのお供には甘い焼き菓子が定番。特にシナモンロールなどのパンは「フィーカブレッド」と呼ばれ親しまれています。

ヒュッゲとフィーカの違い

ここまでお読みの方なら、既にご理解されていると思いますが、ヒュッゲとフィーカは意味が大きく異なる言葉同士です。

まず大きな違いは、それぞれの言葉が生まれた国。ヒュッゲはデンマーク語、フィーカはスウェーデン語です。似た文化を持つ国ではありますが、ヒュッゲとフィーカは意味にも違いがあります。

ヒュッゲは、「心が落ち着く空間や、穏やかな時間を楽しむこと」を表す言葉で、インテリアや過ごし方、雰囲気など全体的な“心地よさ”に焦点を当てています。一方のフィーカは、コーヒーやお茶を飲みながら甘いものを楽しむ小休憩のこと。コミュニケーションや気分転換を目的とした「行動」を指します。

つまり、ヒュッゲは「心地よく過ごすための時間や空間」を広く意味するのに対し、フィーカは「誰かとお茶を飲むひととき」に焦点を当てていると言えるでしょう。

ただし、2つはまったく無関係というわけではありません。たとえば、気の合う人とコーヒーを楽しむフィーカの時間は、まさにヒュッゲ的な過ごし方のひとつとも考えられます。ヒュッゲという大きなくつろぎの中に、フィーカがあるようなイメージを持つとわかりやすいかもしれません。

今回の雑学、面白かったらぜひ周りの人にも教えてあげてみてください。

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