毎日の暮らしに欠かせない「家電」。エアコンや照明など、何気なく使っているこれらの家電には、ちょっと驚くような雑学が詰まっています。
今回は、家電にまつわる雑学をお届け。最後まで読めば、身近な家電を使うのが楽しくなるかもしれませんよ。
エアコンの冷房とドライ、電気代が安いのは…
エアコンを使って部屋を涼しくしたいとき、みなさんは「冷房」「ドライ」どっちのモードを選んでいますか?結論を述べると、状況次第ですが最も安くなる可能性が高いのは「ドライ(弱冷房除湿)」です。
「冷房」は文字通り室温を下げる機能。空気を冷やす際に湿気も一緒に取り除く仕組みになっています。一方、「ドライ」は主に湿度を減らすための機能で、あまり温度を下げずに空気中の水分だけを取り除こうとするものです。
そして、ドライには、主に2つのタイプがあります。ひとつは「再熱除湿」と呼ばれる方式。これは、まず空気を冷やして湿気を水滴として取り除いたあと、その空気を再び温めてから部屋に戻す方法です。湿度だけを下げつつ、部屋の温度はあまり変わらないのが特徴です。
もうひとつは「弱冷房除湿」と呼ばれるもの。こちらは空気を軽く冷やすことで湿気を除去し、そのまま送り出します。そのため、湿度は下がりますが室温も少し下がる傾向があります。
エアコンの除湿や冷房の運転モードによって、電気代には大きな差が出ます。東京電力の調査によると、最も電気代が安くすむのは「ドライの弱冷房除湿」。次いで「冷房」、そして一番コストがかかるのが「ドライの再熱除湿」とされています。
弱冷房除湿」は冷房よりも軽い運転で除湿を行うため、省エネにつながります。一方、「再熱除湿」は一度冷やした空気を再び温める工程が加わるため、冷房と暖房を同時に使っているのと同じような状態になり、電力消費が大きくなるのです。
このように、ドライ運転といっても、冷房と暖房を同時に使う場合もあり、結果的に冷房より電気を使うこともあるのです。
白色LEDは色の組み合わせで白色を作り出していた
私たちが日常で目にしている照明の「白色LED」…実は、本当に真っ白な光を出しているわけではありません。LED自体は純粋な白色を直接出すことができないため、光の仕組みを工夫して“白っぽく見せている”のです。
一般的な白色LEDでは、青色のLEDに黄色の蛍光物質を組み合わせています。青い光が蛍光体に当たることで、黄色い光が生まれ、2つの色が合わさると、人の目には白に近い光として認識されます。これは「補色の関係」を利用した方法です。
他にも、青色LEDに赤や緑の蛍光体を加えて白色を再現する手法もありますが、この方法だと光がやや青みがかって見えます。
もっと自然に近い白色光を作るには、赤・緑・青の3色のLEDを同時に使う方法が効果的。ただし、この方式はコストが高くなってしまうため、一般家庭用の照明にはあまり採用されていません。
最近では、青と黄色のLEDを組み合わせて、コストと見た目のバランスをとった照明も増えています。要するに、私たちが「白」と感じているLEDの光は、実はいくつかの色の組み合わせによってつくられているのです。
電子レンジの「チン」という音の由来
家庭用電子レンジが日本に登場したのは1965年のこと。その2年後、今ではすっかりおなじみとなった「チン」という音が新たに加わりました。きっかけは、「温めたことに気づかずに料理が冷めてしまう」といった利用者の声。そこで、加熱が完了したことを知らせるための音が導入されることになったそうです。
この音を考案したのは開発者の藤原康宏さん。ヒントになったのは、なんと自転車のベルの音でした。街中で小さな音でも人の注意を引ける自転車のベルに着目し、「電子レンジにもこれを応用できないか」と考えた結果、「チン」という音が採用されたとのこと。
このシンプルなチン、という音は多くの人に親しまれ、「温める=チンする」と言われるほど一般に定着しました。
今回の雑学、面白かったらぜひ周りの人にも教えてあげてみてください。