力士は『まわしを洗わない』相撲に関する雑学5選

雑学

国技だけど意外と知らない相撲のこと

日本の国技として知られる相撲は、多くの人たちの間で愛されてきた伝統文化の1つ。

けれども相撲という競技については、力士たちが身につけているものからルールに至るまで、日本人でさえも意外と知らないことがたくさんあります。

そこで今回は、理解してみると相撲を見るのがより一層楽しくなるかもしれない相撲に関する雑学をご紹介します!

相撲にまつわる雑学5選

力士が締める「まわし」は洗わない

ふんどしをお腹周りに何重にもまわして締めることから生まれたとされる力士たちの「まわし」。関取以上になると、本場所などでは鮮やかな色合いのものを締めて競技を行いますが、たとえ土や汗で汚れたとしても基本的には洗いません。

このまわしは高級織物で作られており、洗濯すると生地が傷んでしまうのです。また、勝負事を「水に流さない」ようにというゲン担ぎの意味も込めて、洗わないようにしているのだそう。

ただし、まわしについた土汚れなどを落とした上で屋外に干して乾かしたり、部分的にアルコールで消毒するといったお手入れは日頃から行われています。

力士の服装には階級が表れている

力士が普段着用している着物には、見るだけで番付が予想できる興味深いしきたりが存在します。お相撲さんと言えば、立派な紋付羽織袴を着ているイメージがありますが、これを着用できるのは関取と呼ばれる十両以上の力士のみ。

また、前頭以上の幕内力士となると、自分のしこ名を染抜いた「染抜き」と呼ばれる浴衣も着用できます。

一方で、最下位の序ノ口や序二段はみんなおそろいで支給される浴衣しか着れず、足元は下駄のみで羽織もありません。三段目でようやく着物や羽織の着用、エナメルの雪駄が許されますが、外套やマフラーを着用できるようになるのは幕下力士になってからです。

勝敗がつかない「引き分け」が存在する

相撲のルールには「勝ち」「負け」だけでなく、実は「引き分け」もあります。引き分けが適用されるのは、組み合う時間が相当長くなり、両方の力士が疲労困憊になって勝負がつかない時や、場所全体の進行に関わる時です。

途中で取組を一時中断する「水入り」も行われますが、それでも決着がつかないのであれば引き分けもやむなし。とは言え、最近はそこまでの持久戦を展開するケースはほとんどなく、最後に幕内の取組で引き分けとなったのは1974年となっています。

「ちゃんこ」は力士が作った料理全般を指す

力士たちが食べる食事メニューで有名なのは「ちゃんこ鍋」ですが、本来「ちゃんこ」は相撲部屋の力士が作る料理全般を意味する言葉で、鍋だけを指しているわけではありません。

ちゃんこの由来については、中国から伝わった鍋の名前である「チャンクォ」がなまったものだという説や、相撲部屋では親方を父親という意味を持つ「ちゃん」、弟子を「こ(子)」と呼び、両者が一緒に食べる食事だからという説などさまざまあります。

土俵の俵が4つだけずれているのは雨対策の名残り

白熱の勝負が繰り広げられる土俵の中央には、俵を埋め込んでできた境界線となる丸い円が作られていますが、よく見ると正円ではなく、東西南北の4ヶ所だけ外側に少しずれています。

実はこれは、かつて相撲が野外で行われていた名残りの1つ。雨が降ると土俵に水が溜まり、崩れてしまうので、それを防ぐために排水スポットを作ったと言われています。

ちなみにこの部分の俵は、土俵際に追い込まれてもここなら外側に張り出している約10cm分は他よりも足を残すことができておトクだからという意味で、「徳俵」と呼ばれています。

雑学を元に相撲の世界を覗いてみよう!

今回は相撲に関する5つの雑学をご紹介しました。いずれの情報も、各場所の中継や力士にまつわる番組、ニュースなどをテレビで見る時に知っていると、一段と興味深い気持ちになりそうです。

もしも機会があれば、現地で相撲観戦をしてみるのも良いかもしれません。迫力のある相撲の世界をぜひ体感してみてくださいね。

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