ウォンバットのうんちは本当に四角いのか

ウォンバットのうんち、つまりふんは、動物のふんの中でもかなり変わった形をしています。
写真などで見ると、まるで小さなサイコロのように角ばっていて、「本当に自然にこんな形になるの?」と不思議に感じるかもしれません。
丸でも細長い形でもなく、四角っぽいふんをする動物はかなり珍しい存在です。
ただし、すべてがきれいな立方体になるわけではありません。実際には、完全なサイコロというより、角のある小さなブロック状に近い形です。
乾き具合や個体差によって、少し崩れていたり、長方形のように見えたりすることもあります。
それでも、平らな面や角が目立つふんは、ウォンバットならではの不思議な特徴です。この四角いふんは、ただの面白い動物雑学ではなく、なぜ自然にそんな形になるのかを研究者も調べてきたテーマでもあります。
四角いふんはお尻ではなく腸で作られる

「四角いふん」と聞くと、出口の形が特別なのではないかと想像してしまいそうです。
ウォンバットは硬いお尻でも知られていますが、四角いふんを作る直接の理由はお尻の硬さではありません。もちろん、肛門が四角いからでもありません。
ふんは体の外に出る直前に急に四角くなるのではなく、腸の中を移動するあいだに少しずつ形作られていきます。排泄されたあとに誰かが形を整えているわけでも、出口で押し固められてサイコロ状になるわけでもありません。
つまり、四角いふんの秘密は「出口」ではなく、その手前にある腸の働きにあります。ここを押さえると、ウォンバットのふんがなぜ丸ではなく角ばるのかを考えやすくなります。
なぜ腸の中で角ばった形になるのか

イメージしやすく言うと、やわらかい粘土を筒の中でゆっくり押し出す場面を想像すると近いです。
筒の内側から全体に同じ力がかかれば、粘土は丸い形に近づきます。ところが、場所によって押す力や伸び方に差があると、表面に平らな面や角のような部分ができやすくなります。
ウォンバットの腸でも、硬い部分と伸びやすい部分があり、ふんが通るときにかかる力が均一ではないと考えられています。
そのため、ふん全体が丸く整うのではなく、少しずつ角ばったブロック状に近づいていくのです。
もちろん、腸が四角い型のようになっているわけではありません。型抜きのように一瞬でサイコロ状になるのではなく、腸の中を進むあいだに押され方の差が積み重なり、平らな面や角が作られていく、というイメージです。
乾いたふんだから形が崩れにくい

腸の中で角ばった形ができても、ふんが柔らかすぎれば外に出るまでに崩れてしまいます。
そこで関係してくるのが、ふんに含まれる水分の少なさです。ウォンバットは草や植物を食べて暮らし、食べ物をゆっくり消化するとされています。
食べ物が体内をゆっくり進むあいだに、腸は栄養だけでなく水分もしっかり吸収します。そのため、ウォンバットのふんは比較的乾いて硬めになりやすく、腸の中でできた面や角が残りやすいのです。
水分が多いふんであれば、せっかく角ばっても丸みに近づきやすくなります。ウォンバットの四角いふんは、腸の中で形が作られ、乾いた状態でその形が保たれることで、外に出たあともブロック状に見えると考えられます。
転がりにくい形が縄張りのサインになる

四角い形は、でき方だけでなく使われ方にも関係していると考えられています。
ウォンバットは、巣穴の入り口や岩の上、倒木の上など、ほかのウォンバットが気づきやすい場所にふんを残すことがあります。
こうしたふんは、自分の存在や行動範囲を知らせるサインになると考えられています。ふんのにおいは、相手がどのあたりを使っているかを知る手がかりになります。
つまり、ふんは単なる排泄物ではなく、ウォンバット同士の情報の目印にもなるのです。
もしふんが丸ければ、岩や倒木の上に置かれても転がり落ちやすくなります。その点、四角く角ばったふんはその場にとどまりやすく、においのサインを残すには都合がよい形です。
ウォンバットの四角いふんは、見た目の不思議さと暮らしの合理性が重なった特徴だといえるでしょう。
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