ウルトラマンの故郷『M78星雲』が実在するって本当?SFと科学が交差する驚きの世界

雑学

憧れのヒーロー、その故郷『M78星雲』は実在していた!

「シュワッチ!」の掛け声とともに地球を守ってくれたウルトラマン。子供のころ、誰もが空を見上げては、はるか彼方にある「光の国」に思いを馳せたものです。そんな空想の世界だと信じていたM78星雲が、実は本物の天体だったとわかったときの驚きは、多くのファンの心に深く刻まれています。

オリオン座の中に実在するこのM78星雲。その発見は、18世紀にさかのぼります。フランスの天文学者シャルル・メシエ(忙しい彗星ハンターでした!)が作成した「メシエカタログ」という天体リストの78番目に登録された星雲なのです。

そう、ウルトラマンが生まれるずっと前から、この星雲は天文学者たちに知られていたというわけです。

オリオン座で見つけた『M78星雲』の姿

地球から約1350光年離れた場所に位置するM78星雲。これは電車で東京から大阪まで行くのに約2時間半かかるのと比べると、とてつもない距離です。光の速さで1350年かかるなんて、想像もつきませんよね。

この星雲は「反射星雲」と呼ばれる天体の一種です。まるで鏡のように、近くにある明るい星の光を反射して輝いているのです。私たちの部屋で言えば、カーテンに差し込む太陽の光が反射して、部屋全体が明るくなるようなイメージですね。

そして興味深いのは、この星雲の中で今まさに新しい星が生まれつつあることです。科学者たちの観測によると、dense gas(濃いガス)と呼ばれる物質が集まって、少しずつ星になっていく過程が確認されているのです。まさに「光の国」にふさわしい、生命力に満ちた天体と言えるでしょう。

ウルトラマンの故郷がM78星雲になったワケ

実は、ウルトラマンの故郷として最初に考えられていたのは、M87星雲だったという裏話があります。M87星雲は、おとめ座の方向にある巨大な銀河で、最近では人類史上初めてブラックホールの撮影に成功したことで話題になりました。

ところが、台本作成時の誤植により「87」が「78」になってしまい、そのままM78星雲が採用されたのです。でも、この「ミス」が結果的には大正解だったかもしれません。なぜなら、M78星雲はオリオン座という、冬の夜空で最も見つけやすい星座にあるからです。

驚きの新事実!光り輝くM78星雲の最新研究

最近の研究では、M78星雲の中で予想以上に活発な星の形成が行われていることがわかってきました。まるで「光の国」そのもののように、次々と新しい星が誕生しているのです。

望遠鏡で観察すると、星雲の中心には青く輝く2つの若い星が見えます。これらの星は、まだ生まれたばかりの”赤ちゃん星”なんです。その周りには、まるでベビーベッドのように、ガスや塵が包み込むように広がっています。

ただし、このガスは地球の大気とは比べものにならないほど濃く、紫外線も強いため、実際にはウルトラマンでも住めない環境かもしれません。とはいえ、新しい星が次々と生まれる様子は、まさに「光の国」という名にふさわしい神秘的な光景です。

オリオン座でM78星雲を探してみよう

冬の夜空に輝くオリオン座は、星座の中でも特に見つけやすいことで知られています。ベテルギウス(赤っぽい一等星)とリゲル(青白い一等星)を結ぶ線の中央あたりに、「三ツ星」と呼ばれる並びがあります。M78星雲は、この三ツ星の最も東側(左側)の星から少し北上したところにあります。

肉眼では見えませんが、双眼鏡や小型の望遠鏡を使えば、かすかなぼんやりとした光として確認できます。空気の澄んだ冬の夜、特に月明かりの少ない夜が観察のベストタイミングです。まるで、はるか彼方の「光の国」からの手紙を受け取るような気分になれますよ。

あなたもウルトラの星(M78星雲)の魅力を伝えてみよう

子供のころに夢見た「光の国」が実在する天体だったという事実。この意外な発見は、科学の面白さとSF作品の魅力を同時に教えてくれます。

空想の産物だと思っていたものが実は本物だった…そんな驚きの体験を、ぜひ周りの人にも伝えてみてください。特に、お子さんと一緒に冬の星空を見上げながら「あそこにウルトラマンの故郷があるんだよ」と話すのは、素敵な思い出になるはずです。

そして時には、夜空を見上げてみましょう。オリオン座のその先に、本当に「光の国」があるかもしれません。宇宙の神秘は、私たちの想像をはるかに超えているのですから。

このように、実在するM78星雲の存在は、科学とファンタジーが見事に結びついた、素晴らしい偶然の産物と言えるでしょう。SF作品の舞台として選ばれたことで、より多くの人々の心に刻まれることになったこの星雲。これからも、夜空に輝く「ウルトラの星」として、私たちを魅了し続けることでしょう。

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