北海道にはゴキブリがいないってホント?気になるウワサの真偽を解説

雑学

北海道にゴキブリはいないという噂の真偽

みなさんは「北海道にはゴキブリがいない」という噂を耳にしたことがありますか?実はこの噂はウソ。現在では、札幌を中心にゴキブリたちが生息しているとされています。それではどうして、「北海道にゴキブリはいない」なんて噂が広まったのか?今回はその理由について紹介していきます。

北海道は寒いから

「北海道にゴキブリはいない」という噂が流れた主な理由は、北海道が極めて寒い地域であるから。

ゴキブリが活動しやすいのは20〜32℃の気温。比較的温かい環境での生存に向いている生態です。一方で寒いのは苦手。気温が20℃を下回ると繁殖が難しくなるといわれています。

北海道の気温は、夏でも平均17.5〜20℃程度。夏でも暖かいとは言いにくい気温です。ゴキブリにとって快適な環境とはいえないでしょう。

さらに、厳しいのが冬。北海道の冬は平均気温が-1.6℃。地域によっては-5℃以下になることもあります。ここまで寒いとゴキブリが生き残るのはかなり困難です。

例えば繁殖力が強くゴキブリの中でも目にする機会が多い「チャバネゴキブリ」の場合、-5℃で24時間過ごすと生きられません。そのため、屋外では冬を越すことができないでしょう。こうした背景から北海道ではゴキブリが少ない、もしくはいないと言われ続けてきました。

ただし、これは屋外で過ごす場合の話。近年は、北海道でも暖房機器が充実。屋内では冬でも暖かい環境が増えてきました。商業施設や飲食店は年中暖かいので、ゴキブリが繁殖しやすくなったと言われています。

昔は本当にゴキブリがいなかったといわれている

「北海道にゴキブリはいない」と噂されるもうひとつの理由は、昔は本当に生息していなかったから。1980年代まで、日本におけるゴキブリの生息分布の最北端は青森県だったと言われています。考えてみれば当たり前の話。ゴキブリからしてみれば、わざわざ海を渡ってより寒さが厳しい北海道に移動する必要がありません。

では、どうして北海道にゴキブリが現れるようになったのか?その要因のひとつは物流だと言われています。

物流には段ボールがよく使われます。この段ボールは、ゴキブリにとって餌となるでんぷんが豊富。さらに断熱性も高いためゴキブリが隠れて過ごすのにピッタリなのです。つまり、物流に使われている段ボールにはゴキブリが潜んでいることが多いのです。

1980年代の北海道は物流が今ほど発達していませんでした。しかし、1988年に青函トンネルが開通して以降、物流が一気に活発化。段ボールと一緒にゴキブリが入り込むことが多くなったため、北海道でゴキブリが現れるようになったと言われています。

結論、北海道にもゴキブリはいるが少ない

今回の雑学をまとめると、「北海道にゴキブリはいない」は昔の情報で現在においてはウソ。ただし、生息数自体は少ないとされています。北海道に住んでいるけどゴキブリを見たことがない、という方も多いようです。ゴキブリ嫌いなら北海道に移住してみるのも悪くないかもしれませんね。

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