4月17日は『なすび記念日』|徳川家康が愛した野菜の秘密とは?

雑学

「なすび記念日」って何?4月17日に隠れた意味と秘密

普段の食卓でなすを食べる機会はあっても、「なすび記念日」という言葉を耳にしたことがある人は少ないかもしれません。

「そもそも、なぜなすに記念日があるの?」と疑問に感じる人もいるでしょう。野菜に記念日という発想自体、なんだか不思議ですよね。

実はこの「なすび記念日」、単なる語呂合わせの日というわけでもないんです。4月17日という日に隠された、ちょっと驚くような偶然の一致や歴史的なエピソードが込められているんですよ。

この記事では、なぜわざわざ「なすび記念日」が作られたのか、そして意外な歴史との関係を紹介していきます。読み終わる頃には、きっと誰かに話したくなるはずです。

なすび記念日は「冬春なす主産県協議会」が制定した日

なすび記念日を制定したのは、「冬春なす主産県協議会」という組織です。

野菜の記念日と言われてもピンと来ないかもしれませんが、この協議会は、全国でも特になすの生産量が多い地域のJAなどが集まってできた団体です。生産者たちが一致団結して、「冬春なす」をもっと消費してもらおうと活動しているんですね。

では、具体的にどんな目的で記念日を作ったのでしょうか。

2004年に制定、狙いは「国産なす」の消費拡大

冬春なす主産県協議会が「なすび記念日」を制定したのは、2004年2月のことでした。

当時、スーパーでは冬から春にかけて店頭に並ぶなすの多くが輸入品でした。そこで、この協議会は「国産の冬春なす」をもっと多くの人に知ってもらい、消費を増やしたいと考えました。

記念日を設けることで、日常でなすを手に取る機会を増やし、「そういえば国産のなすって美味しいよね」と感じてもらえるきっかけを作りたかったのです。身近な野菜でも、消費を促すために記念日まで作られるなんて、ちょっと意外ですよね。

なぜ4月17日なのか?語呂合わせと徳川家康の関係

記念日を作るとき、多くの団体が語呂合わせを使います。なすび記念日も例外ではありません。

「4(よ)1(い)7(な)す」という語呂合わせがベースになっています。でも実は、この4月17日という日付には、語呂合わせだけでなく歴史的な偶然も重なっているんです。

なんと徳川家康の命日が、この4月17日だったんですね。偶然とはいえ、「なす」と徳川家康にどんな関係があるのか、少し不思議に思えませんか。実は徳川家康は、あるなすに深い縁があったとされているんですよ。

徳川家康が愛した「折戸なす」の秘密

なすび記念日が徳川家康の命日と偶然一致しているだけでも面白いですが、実は家康自身が「なす」をとても好んでいたという話があります。

特に家康が好んだのが、静岡県の「折戸なす(おりどなす)」という品種でした。食べ物の好みが記念日とつながるなんて、歴史にはちょっとしたロマンがありますよね。でも、そもそも「折戸なす」とはどんななすだったのでしょうか。

家康の好物だった静岡の折戸なすとは?

「折戸なす」は、静岡県の三保地区で古くから栽培されてきたなすです。大きさは普通のなすより少し大きめで、果肉がやわらかく甘みがあることが特徴です。

当時はこの「折戸なす」が駿府城にも献上されており、家康のお気に入りだったことが歴史書にも記録されています。そして興味深いことに、お正月によく耳にする「一富士二鷹三茄子」という言葉も、家康が好んだものが由来という説があるんですよ。「一富士」は富士山、「二鷹」は鷹狩り、「三茄子」はもちろん家康が愛した折戸なすを指しているという話ですね。

縁起が良いとされる理由には諸説ありますが、家康が好んだものだから幸運をもたらすと考えられた、というのは説得力があります。

折戸なすをきっかけに、こうした江戸時代のちょっとしたエピソードに触れると、歴史が身近に感じられるかもしれません。

地域によって違う「なす」の面白い話

家康と折戸なすの話からもわかるように、日本のなすには地域ごとに特徴的な品種やエピソードがあります。なすび記念日をきっかけに、全国にある様々ななすの面白い歴史を知るのも面白いですよね。

ここでは代表的な2つの地域のなすを紹介します。

京都「賀茂なす」は江戸時代から高級品

京都を代表する「賀茂なす」は、まん丸の形をした大ぶりななすです。

今ではスーパーなどでも見かけるようになりましたが、江戸時代にはとても貴重な食材でした。当時の朝廷や将軍家に献上されていたほどですから、庶民が口にするのは難しかったようです。

なすが高級品として扱われていたなんて、現代からするとちょっと意外ですよね。現在でも京都では、夏の名物料理として田楽や天ぷらなどで楽しめます。

昔の人が味わった高級食材を、今では手軽に楽しめるというのは、なんだか贅沢に感じるかもしれません。

高知県は「冬春なす」の生産量が日本一

冬から春にかけて出回る「冬春なす」は、高知県の安芸地区が全国で最も多く生産しています。

なすは夏の野菜というイメージが強いですが、実は冬春なすはハウス栽培で大切に育てられているのです。冬の寒さにも負けず、しっかりとした果肉と味わいを保っているのが特徴です。

なすび記念日が制定された背景には、高知県を中心とした生産者の努力があるんですね。こうした地域ごとの背景を知ると、スーパーでなすを選ぶときも少し特別な気持ちになるのではないでしょうか。

「なすび記念日」を雑学ネタにしてみては?

これまで紹介してきたように、なすび記念日にはちょっと意外な歴史や地域のエピソードが詰まっています。

毎日の生活で「なす」を話題にすることは少ないかもしれませんが、こうした記念日のエピソードを知っていると、何気ない会話がぐっと面白くなるはずです。

特に、「4月17日が徳川家康の命日と重なっている」という話題は意外性があり、ちょっとした雑談の種としても魅力的です。また、家康が実際になすを好んだというエピソードも、話す相手にとって興味深い内容になるでしょう。

地域のなす話では、特に京都の「賀茂なす」が江戸時代に高級品だったという事実も、歴史好きな相手との会話にぴったりです。高知県の冬春なすの生産量が日本一という話題も、身近な食材の産地を知るきっかけとして、軽く共有してみてもいいですね。

こうした身近な野菜に隠された歴史やエピソードを、雑学として自然に話題に取り入れることで、普段の何気ない会話がちょっと豊かになるかもしれませんよ。

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