『行ってきます』という言葉、実は略語だった 当たり前のように使っている略語の面白豆知識とは

雑学

世の中には略語がいっぱい存在する!

何気なく使っていても実は略語である言葉は多々あります。たとえば「行ってきます」。意外かもしれませんが、これも略語なのです。

略語の由来をたどってみると、思わず「へぇ~」と思える面白い背景が隠れていることも。今回は、当たり前のように使っている略語にまつわる豆知識を紹介します。知ればきっと誰かに話したくなる、ちょっとしたトリビアです。

行ってきます

普段、当たり前のように使っている「行ってきます」という言葉。実は思っている以上に丁寧な意味を持つ略語です。現代では、軽いあいさつ感覚で使われていますが、本来は「行って参ります」という丁寧な表現の略。つまり「これから出かけて、また戻ってまいります」という意味が込められています。

「行って参ります」には、必ず帰ってくるという暗黙の約束が含まれています。返す言葉の「いってらっしゃい」も、その約束を前提にしたやり取り。「気をつけて行ってね、待っているよ」という思いが込められているのです。何気なく口にしていますが、意外と真剣な意味を持つ言葉なのです。

バス

通学や通勤、お出かけするときの便利な交通手段としておなじみの「バス」。実は、これも略語のひとつ。バスの語源は、ラテン語の「omnibus(オムニバス)」に由来しています。

元々「オムニバス」はヨーロッパにおける乗合馬車。その後、自動車が登場し馬車が廃れていっても「オムニバス」という名前は引き継がれました。やがて日本に入ってきた際、発音が簡略化され「バス」と呼ばれるようになったそうです。

経済

ニュースなどでよく耳にする「経済」という言葉。現代ではお金に関する言葉ですが、もともとはお金やビジネスのことだけを指していたわけではありません。現代の「お金の流れを扱う学問」という使われ方になったのは、近代以降に西洋の経済学が導入されてから。それ以前は別の意味を持っていました。

経済の語源は中国の古典にある「経世済民(けいせいさいみん)」という言葉。「世の中をよく治め、人々を救う」という意味を持ち、「経済」はその略語です。一方、日本でも江戸時代までは、今のように市場や貿易の話ではなく「天下国家を治める」という意味で使われていたそうです。

つまり、当初の「経済」は、人々の幸福や社会の秩序を守るための知恵を表す言葉だったのです。

シャーペン

シャーペンは「シャープペンシル」の略語である…そう思われている方は多いはず。間違っているわけではありませんが、実は正確というわけでもありません。

というのも「シャープペンシル」という言葉自体も略語。本来の正式名称は「エバー・レディー・シャープペンシル」といいます。まさかの二段構えでしたね。ちなみに、英語圏ではシャーペンのことを「メカニカルペンシルl」と呼んでいます。

ピアノ

最後に紹介するのは「ピアノ」。「ピアノ」という言葉は、とても長い名前の略称です。正式にはイタリア語の「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」という言葉。直訳すると「弱い音(ピアノ)と強い音(フォルテ)が出せる鍵盤楽器」という意味になります。

当時主流だったチェンバロは音の強弱をつけることができませんでしたが、この新しく登場した楽器「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」は鍵盤を押す力加減によって音の大きさを変えられるという革新的な特徴を持っていました。

そのため、「小さな音と大きな音を奏でられる楽器」としてこの名前が付けられたそうです。やがて名前が短くなり、今の「ピアノ」と呼ばれるようになりました。

略語の豆知識をまわりにも教えてあげよう

日常で何気なく使っている略語の数々には、意外な由来や歴史が隠れています。言葉の背景を知ると、普段の会話や雑談がちょっと楽しくなること間違いなし。

略語の豆知識は、教える側も聞く側も楽しめる小ネタです。身の回りの言葉に隠れた雑学を知って、ぜひまわりの人にもシェアしてみましょう。

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