バナナがベリー類って本当?みんなが知らない果物の話

雑学

バナナはベリー類だったという意外な話

突然ですが、バナナってどんなイメージですか?

スーパーで手軽に買えて、皮を剥くだけで食べられる便利な果物ですよね。バナナと聞いて「ベリー」を連想する人は、おそらくほとんどいないと思います。

でも実は、バナナは植物学的には「ベリー類」に分類されるんです。イチゴやブルーベリーと違ってジューシーでも小粒でもないバナナがベリーだなんて、なんだかピンと来ませんよね。

私自身、初めてその話を聞いたときは「え、本当?」と思わず声が出てしまったくらいです。普段よく食べるあのバナナがベリーなんて、ちょっと信じがたいですよね。

ですが、この話は間違いなく事実なんです。その理由をこれから詳しく見ていきましょう。

バナナがベリー類になる理由を解説

そもそも、なぜバナナがベリーに分類されるのでしょうか?ここでポイントになるのは、植物学上の「ベリー」の定義です。ベリーと聞くと小さくて甘酸っぱい果物を思い浮かべがちですが、実は定義は意外なほどシンプルなんです。

ベリーの定義は意外とシンプル

植物学でいうベリー類とは、「1つの花にある1つの子房から育ち、果皮が柔らかく肉質で、中に種を含んでいる果実」のことを指します。難しい表現を避けて言うなら、花が1つだけ咲いて、その花の中の一部分が膨らんで果実になり、実の中に種があるという構造を持つ果物がベリーです。

少し分かりにくいのでイメージしてみましょう。例えば、トマトを思い浮かべてください。トマトは一つの花から一つの果実ができ、果肉があって中には種がありますよね。実はトマトもバナナと同じく植物学ではベリー類なんです。意外ですよね。

バナナがその条件に合致する理由

それではバナナはどうでしょう?バナナも実はトマトと同じように、「1つの花から1つの果実が育ち、果皮が肉質で、中に種がある」というベリーの条件をクリアしています。つまり、バナナは立派なベリーというわけです。

「でもスーパーのバナナに種なんて入っていないよ?」と思った方もいるでしょう。その通りです。私たちが普段食べるバナナは種なし品種で、栽培の過程で種が退化してしまっただけです。野生種のバナナにはちゃんと種が入っているんですよ。

普段意識しないけれど、実はバナナはベリー類の条件をすべて満たしていたということですね。意外な視点ですが、バナナを次に食べるときにはちょっと面白い目線で眺められそうです。

イチゴはベリーではなかった

バナナがベリー類というだけでも意外なのに、さらに驚くべきことがあります。それは、みんなが「ベリーの代表」として思い浮かべるイチゴが、実はベリーではないという事実です。

鮮やかな赤色で、甘酸っぱくてジューシーなイチゴこそ、まさにベリーだと思いますよね。でも植物学の視点から見ると、イチゴはベリーの条件を満たしていないんです。

一体どういうことなのでしょうか?イチゴの意外な正体を少し掘り下げてみましょう。

イチゴは果実じゃなく偽物だった

植物学上、イチゴは果実ではなく「偽果(ぎか)」と呼ばれます。

「偽果」とは、果実のように見えるけれど、実際には果実ではないというもののこと。イチゴの場合、普段私たちが食べている赤い部分は、「花托(かたく)」と呼ばれる花の根元が膨らんだものです。

花托という言葉は聞きなれないかもしれませんが、簡単に言えば花を支える土台の部分です。花の根元が膨らんで大きくなり、果実のように見えているのがイチゴなのです。

ケーキやスイーツに添えられる赤いイチゴは、本当の果実ではなく、実は「膨らんだ花の土台」だったというわけですね。何だか不思議ですよね。

イチゴの粒は種ではない

イチゴの表面にたくさんついている粒々、これを種だと思っている人は多いのではないでしょうか。でも実は、あの粒々は種ではありません。

実はあの粒々こそが、植物学的には本物の「果実(痩果:そうか)」です。痩果とは小さくて固い果実のこと。イチゴの赤い部分の表面についている一粒一粒が、それぞれ独立した果実で、その中に小さな種を含んでいるんです。

イチゴは、たくさんの小さな果実が花托の表面にびっしりついている、いわば「果実の集合体」というわけです。

こうして見ると、普段何気なく食べているイチゴも、全く違った存在に見えてきますよね。

意外な果物もベリー類だった

バナナがベリー類でイチゴがベリー類ではないことだけでも驚きなのに、実は他にも意外な果物がベリー類に分類されています。スーパーでよく目にするあの果物も、実はベリーの仲間だったりするんです。

アボカドもベリーの仲間

アボカドがベリー類だというと、ちょっと信じられないかもしれませんね。でもアボカドは、「1つの花から1つの果実ができ、その果実が多肉質で、中に種がある」というベリーの条件に完全に合致しています。

つまり、柔らかい果肉の中に大きな種が1つあるアボカドは、植物学的にはベリーそのものなんです。バナナ同様、アボカドも見た目はベリーらしくありませんが、条件をよく考えると確かに納得できますよね。

キウイも実はベリー類

さらにキウイフルーツもベリー類の一種です。

キウイは皮も果肉も柔らかく、中には小さな種がたくさんありますよね。これもベリーの定義にぴったり合致しています。キウイはベリーらしい見た目ですが、イチゴがベリーではないことを考えると、ちょっと意外な感じがしますね。

トマト・スイカ・ブドウもベリーだった

さらに驚くことに、トマトやスイカ、ブドウまでがベリーの仲間です。

トマトは野菜として扱われることが多いですが、実際には「1つの花から1つの実が育ち、中に種があって果肉が多い」というベリーの条件を満たしています。実はフルーツトマトという呼び方は植物学的にも正しいんですね。

スイカは非常に大きいのでベリーらしくありませんが、これも一つの花から育った果実で、内部に種があることからベリーに分類されます。大きさと見た目からすると意外ですが、構造的にはベリーそのものなんです。

ブドウはたくさんの実が房状になっていますが、ひとつひとつの実はそれぞれが一つの花から育った独立した果実であり、ベリーの定義を満たしています。

トマトやスイカ、ブドウまでベリー類に含まれるとは、驚きですよね。ベリー類の定義を知ったことで、果物や野菜を見る目がちょっと変わったのではないでしょうか。

なぜベリーの誤解は生まれたのか

ここまで、バナナがベリーでイチゴがベリーでないという意外な話を見てきました。でも、そもそもなぜこんなに混乱するのでしょうか?

それには実は、言葉の使い方や文化的な背景が深く関係しています。特に日本語と英語の違いが、私たちの認識を大きくズレさせてしまったようです。

日本語と英語のズレが原因だった

日本で「ベリー」という言葉を聞くと、ブルーベリーやストロベリーなど、小さくてジューシーな果物をイメージしますよね。でも英語の「Berry」は、もともと植物学から来た言葉です。

英語のBerryは、植物学での定義に忠実に使われている場合も多く、バナナやトマトも本来ならBerryに含まれます。しかし、日本語ではBerryを単純に「小さな果実」の意味で使ってしまったため、本来の植物学的な定義とは大きくかけ離れてしまったんですね。

言語や文化が違うと、同じ言葉でも意味が変わってしまうことはよくあります。Berryという言葉が、日本語と英語でこれほど違う意味で使われるようになったのも、ある意味当然の結果かもしれません。

その結果、日本語話者である私たちは、バナナやアボカドがベリー類だと聞くと、不思議に感じるわけです。言葉の背景を知ると、この誤解も自然なことだったんだなと納得できますよね。

ふと話したくなるバナナの小ネタ集

さて、ここまで色々と驚きの雑学を紹介してきました。最後に、知っているとちょっと人に話したくなるような、気軽に楽しめるバナナの雑学を集めてみました。

短く覚えやすいものばかりなので、ぜひ家族や友人との会話の中でさりげなく使ってみてください。

野生のバナナは種だらけだった

今、私たちが食べているバナナは種がありませんよね。でも、もともと野生のバナナには大きな種がたくさんあり、果肉が少なくて食べにくいものでした。

人間が長い年月をかけて種の少ない品種を選んで栽培したため、現在のような食べやすいバナナが誕生したんです。自然のままでは、バナナも意外と食べにくかったんですね。

バナナは最初は上を向いて育つ

バナナの房は、成熟しているときは下向きに垂れていますよね。でも実は、育ち始めの頃は上を向いています。成長とともに房の重さで下向きに曲がってしまうんです。植物の成長には不思議な仕組みがたくさんありますが、バナナの育ち方もちょっとユニークですね。

世界には約1000種のバナナがある

スーパーでよく見るバナナは数種類ですが、実は世界中にはなんと約1000種類ものバナナが存在しています。

小さなミニバナナや、料理用の甘くないバナナ、ピンク色の皮を持つ珍しいバナナまであります。私たちが知っているバナナは、そのほんの一握りだったんですね。

普段なにげなく食べている果物も、調べてみると意外な事実がたくさん隠されています。ここで知ったバナナの雑学、ぜひ身近な人にも気軽に教えてあげてくださいね。

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