キツツキが脳震盪を起こさない理由…それは「脳のサイズ」にあった!?

雑学

コンコンと木を突き続けるキツツキ

「コンコン」と、キツツキがくちばしで木を激しく叩く姿は、有名な光景です。ですが、私たち人間が同じことをすれば間違いなく脳震盪を起こしてしまうはず。それにもかかわらず、キツツキは平然と木を叩き続けています。なぜキツツキたちの脳は無事なのか…その秘密にはキツツキの「脳のサイズ」が関係していたのです。

今回は、キツツキが脳震盪を起こさない驚きの理由についてわかりやすく解説します。最後までお読みいただくと、キツツキ博士に一歩近づけることでしょう。

キツツキの体は脳への衝撃を軽減させていなかった

キツツキは、1秒間に20回以上という驚くほどの速さで木をつつきます。にもかかわらず、脳にダメージを受けている様子はまったく見られません。

以前は、キツツキのくちばしと頭蓋骨のあいだに“衝撃をやわらげる構造”があり、それが脳を守っていると考えられてきました。しかし、2022年にベルギーのアントワープ大学が行った研究により、その通説は覆されることになります。研究によると、キツツキの頭には衝撃を吸収するような構造は存在せず、木をつついたときの衝撃もそのまま頭に受けていることが判明しました。

さらに研究チームは、キツツキの体のデータと頭部の動きからシミュレーションを行い、「衝撃を吸収する構造がある場合」と「そうした構造がない場合」の2つのモデルを比較したそうです。その結果、衝撃を吸収する仕組みを取り入れたモデルでは、木をつつく力が大幅に落ちてしまうことが判明。

研究を主導したサム・ヴァン・ワッセンベルク氏によると、「もし衝撃をやわらげる構造が本当にあったら、木に穴をあけるにはもっと多くのエネルギーを使わなければならない」とのことです。

キツツキが脳震盪を起こさない理由

キツツキが木をつつく衝撃はかなりのもの。もし同じ力が人間やサルに加われば、たちまち脳震盪を起こしてしまうレベルだとされています。

それでは、どうしてキツツキは脳震盪を起こさないのか…?その理由は、キツツキの脳が小さいからです。

キツツキのように脳が小さい動物は、頭に強い衝撃を受けても脳に深刻なダメージが及ばないとのこと。研究を率いたワッセンベルク氏によれば、キツツキの脳はその小ささゆえ、木をつついた際に受ける衝撃が脳震盪を引き起こすレベルには達していなかったそうです。

また、キツツキがつつくのは木の幹のようにある程度やわらかく、衝撃を吸収しやすい素材であることも、脳を守る一因になっているのだとか。

今回の雑学、面白かったらぜひ周りの人にも教えてあげてみてください。

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