弁当のおかずの下にパスタを敷くのはなぜ?かさ増しだけではない4つの役割

雑学

下敷きパスタには弁当を支える4つの役割がある

ハンバーグを持ち上げたら、下から数本のスパゲッティが出てきた。「なぜこんなところにパスタ?」と思ったことはないでしょうか。

量は少なく、主役のおかずに隠れている。いかにも余ったスペースを埋めただけに見えます。しかし、あのパスタにはちゃんと仕事があります。

弁当店やおかずによって目的は異なりますが、主な役割は次の4つです。

  1. 油や汁気を受ける
  2. 熱いおかずと容器の間に入る
  3. おかずのズレを抑える
  4. 盛り付けに高さを出す

下敷きパスタは、食べられる“土台”として弁当を支えているわけです。

まず分かりやすいのが、油や汁気の受け皿です。

ハンバーグの肉汁やソース、揚げ物から落ちた油が容器の底にたまると、おかずがベチャッとしたり、隣のおかずへ味が広がったりすることがあります。そこで下のパスタが、それらを受け止めます。

熱いおかずと容器の間に入るのも役割の一つです。

出来たてのおかずが容器へ直接触れるのを避けるクッションになり、麺の間にできる空気の層から蒸気も逃げやすくなります。ただし、食品容器にはさまざまな種類があるため、「パスタがなければ必ず容器が変形する」という意味ではありません。

さらに弁当は、作った場所から売り場へ運ばれ、買った後にも持ち歩かれます。

そこで困るのがおかずの片寄りです。パスタを下へ敷いて隙間を減らせば、おかずが滑ったり動いたりするのを抑える土台にもなります。

そして4つ目は、少し身もふたもありません。見栄えです。

パスタを下に敷けば、おかずの位置が高くなり、盛り付けに立体感が出ます。そのぶん、ふたを開けたときにボリュームのある弁当に見せることができます。

ここで「やっぱり、かさ増しなのでは?」と思うかもしれません。たしかに、見た目のボリュームを出すことも役割の一つです。ただ、「量を増やすためだけ」と考えると少し違います。

見栄えを整えながら、油や汁気、熱、ズレへの対策も兼ねているのが下敷きパスタなのです。

レタスやキャベツよりパスタが使いやすい場面もある

おかずの下に敷かれているのは、パスタだけではありません。弁当によっては、レタスやキャベツなどの野菜が仕切りや土台のように使われることもあります。

ただ、食べる頃にはレタスがしんなりしていた――という経験がある人もいるでしょう。生野菜は時間がたつと水分が出たり、鮮度や食感が変わったりします。

ある程度の時間を置いて食べる弁当や、容器ごと電子レンジで温める弁当では、使いにくい場合があります。

そこでパスタです。乾麺なら保存しやすく、必要な量をまとめてゆでて用意できます。味も比較的シンプルなので、ハンバーグ、焼き肉、揚げ物などさまざまな主菜と組み合わせられます。

もちろん、パスタが唯一の正解ではありません。ポテトやもやし、加熱した野菜などが使われる場合もあり、おかずとの相性や弁当の作り方によって向き不向きがあります。

それでも、保存しやすく、調理しやすく、さまざまな主菜と合わせやすいという条件がそろっていることが、パスタが下敷きに使われる理由の一つです。

下敷きパスタは主菜を邪魔しない薄味が多い

下敷きパスタを食べて、「あれ、ほとんど味がしない」と感じたことはないでしょうか。ナポリタンのような味を期待すると、かなり地味です。

ところが、この“味の薄さ”も欠点とは限りません。

下敷きパスタは、それ自体を一品のおかずとして目立たせるより、上にのる主菜を支えるために使われます。そのため、ハンバーグや唐揚げの味を邪魔しないよう、強く味付けされていないことがあります。

しかも、食べる頃には事情が変わります。

ハンバーグの下ならデミグラスソースや肉汁、焼き肉ならタレなどがパスタに絡みます。最初からパスタだけで味を完成させるのではなく、上のおかずと一緒になったときに味が付くわけです。

「味が薄い」のではなく、主菜の味を受け止める余白を残していると考えると、いつもの下敷きパスタが少し違って見えてきます。

普段は見過ごされがちなこの味に注目し、「名もなき下敷きスパゲッティ」をテーマにした商品まで登場しています。

主役のおかずをどけた後に残るあの味も、一つの個性として注目されたわけです。

「ガロニ」は付け合わせを指す料理用語

あのパスタの名前を調べると、「ガロニ」という言葉を見かけることがあります。

ただし、ガロニは下敷きパスタだけの専用名ではありません。「ガルニチュール」に由来する呼び方で、料理に添える付け合わせ全般を指す言葉です。

弁当のハンバーグに添えられたスパゲッティもガロニと呼ばれることがありますが、パスタだけを意味するわけではありません。

役割ははっきりしているのに、専用の名前となると意外に曖昧です。エースコックが「名もなき下敷きスパゲッティ」という商品名を付けたのも、そんな存在感をよく表しています。

次に弁当でパスタを見つけたら、その置かれ方を見てみるのも面白いでしょう。ソースや油を受けているのか、おかずの隙間を埋めているのか、それとも下から持ち上げて高さを作っているのか。

何となく敷かれているように見えた数本の麺にも、その弁当で任された仕事が見えてきます。

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