『ミドルネーム』は日本にも昔あった!?海外と日本の名前文化の違いが面白い!

雑学

そもそもミドルネームとは

みなさんは「ミドルネーム」というワードを見聞きしたことがありますか?主に外国籍の方の名前で見かけることが多いミドルネーム。

そもそもミドルネーム(middle name)とは、ファーストネーム(苗字)とラストネーム(個人名)の間に付けられる名前のことを指します。ただし、地域や国によってはこの順番が異なることもあります。

ミドルネームは、古代ローマに起源があるとされています。当時の貴族たちが子どもに付ける名前選びで「好きな名前」と「聖人の名前」どちらを選ぶか迷ったときに、両方の名前を使うようになったことが、ミドルネームの由来になったと言われています。

現在ではその由来を知る人は少なく、単に「名前にミドルネームを入れるのが一般的だから」という理由で使われることが多いようです。

また、海外では名前のバリエーションが日本ほど多くないため、親と同じ名前がかぶらないようにする目的でミドルネームが付けられることもあります。

ミドルネームにも種類がある

一言でミドルネームといっても、その種類は様々。以下はその代表的な例です。

  • キリスト教徒の洗礼名(キリスト教の信者である証として授けられる)
  • 旧姓(女性が結婚したとき日本では女性が結婚すると夫の姓に変わりますが、海外では旧姓をミドルネームとして残すことがあります。)
  • 先祖の名前(祖先の名前をミドルネームに使う人もいます)
  • 母方の苗字(子どもの名前に母方の苗字をミドルネームとして入れるパターン)

また、イニシャルミドルネームという形式もあります。ミドルネームをイニシャルで表したもので、名前を短く表記したい場合に使われます。

日本にも昔はミドルネームみたいなものがあった

海外では主流なミドルネームですが、実は日本にも昔ミドルネームのような仕組みがありました。厳密には、海外のミドルネームとは全く別のものですが、その在り方は似通っています。

  • 氏(うじ): 一族の名前。家族や血縁関係を示す。
  • 姓(かばね): 天皇から授けられた位。氏族の社会的地位や役割を示す。
  • 苗字(みょうじ): 現代でいうところの名字。平安時代以降に使われ始め、土地や職業に由来することが多い。
  • 官位(かんい): 朝廷や政府から与えられた役職や位階。貴族や官僚の地位を示す。
  • 通称または字(あざな): 幼名や役職名など。成人後に使われる別名や愛称。
  • 諱(いみな): 個人名。正式な名前であり、特に死後に使われることが多い。

例えば、日本を代表する戦国武将「織田信長」の正式名称は「平朝臣織田上総介信長(※)」です。名字が織田、諱が信長なので、その他の部分がミドルネーム的な役割を果たしています。
※「通称または字(あざな)」は、正式な名前とは別に使われるものであり、公式な文書や記録には含まれないため、ここでは組み込まれていません。

  • 氏  : 平
  • 姓  : 朝臣
  • 苗字 : 織田
  • 官位 : 上総介
  • 諱  :信長

この名前のシステムは明治時代に法律で整理され、よりシンプルな現在の苗字+名前となったようです。

ミドルネームを目にする機会があれば今回の雑学を思い出してみよう

もし今後、海外の方と交流するときにミドルネームを目にする機会があれば、今回の雑学を思い出してみてください。日本にもかつてはミドルネームみたいな名前があったことを周囲の人に教えてあげると、話が盛り上がるかもしれません。

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