「13日の金曜日」って本当に縁起が悪いの?
「13日の金曜日か…なんだか嫌な予感がする」
カレンダーをめくって、ふとそんな不安がよぎったことはありませんか?実はこの感覚、あながち的外れではないかもしれません。アメリカでは実に1,700万人から2,100万人もの人々が、この日を特別に恐れているといいます。中には「13日の金曜日恐怖症(friggatriskaidekaphobia)」という症状を抱える人もいるほど。
では、なぜこれほどまでに多くの人が13日の金曜日を忌み嫌うのでしょうか?その理由は、意外なところにありました。
恐怖の始まり!13日の金曜日が不吉とされる3つの理由
実は13日の金曜日が不吉とされる背景には、宗教や歴史的な出来事が複雑に絡み合っています。
まず衝撃的なのが、キリスト教に関連する逸話です。イエス・キリストの「最後の晩餐」には13人が参加し、13番目の席についたのが裏切り者のユダだったとされています。さらに、キリストが十字架にかけられたのが金曜日。こうして「13」という数字と「金曜日」が、不吉な意味を持つようになったのです。
北欧神話にも、13にまつわる暗い話が伝わっています。12人の神々が宴を開いていたところ、13番目として現れた悪戯神ロキが、善神バルドルを殺してしまうという物語です。まるでミステリー小説のような展開ですが、これが「13人で食事をしてはいけない」というタブーの起源となったともいわれています。
さらに歴史的な出来事として、1307年10月13日の金曜日に起きた「テンプル騎士団の弾圧」があります。当時、ヨーロッパで強大な力を持っていたテンプル騎士団が、フランス国王フィリップ4世の命令により、一斉に逮捕されるという衝撃的な事件でした。
これらの出来事が重なり、徐々に13日の金曜日は「不吉な日」としてのイメージが定着していったのです。
縁起の悪さは世界共通?実は国によって違う13日の金曜日の過ごし方
実は13日の金曜日に対する考え方は、国や地域によって大きく異なります。
例えばイタリアでは、13日の金曜日よりも「17日の金曜日」の方が不吉とされています。一方、スペインやラテンアメリカでは「13日の火曜日」が最も縁起の悪い日。「火曜日には結婚をするな、船にも乗るな」という諺まで存在するほどです。
驚くべきことに、フランスでは13日の金曜日を「宝くじ購入日」として捉える人も。「これ以上悪いことは起きないだろう」という逆転の発想から、この日に宝くじの売り上げが急上昇するそうです。
このように、13日の金曜日の捉え方は文化によって実にさまざま。むしろ、英語圏とドイツ、フランスなどの一部の国々でのみ、特別に不吉な日として認識されているのです。
次は、この「忌み日」に実際に起きた驚くべき出来事について見ていきましょう…
歴史が証明する!13日の金曜日に実際に起きた出来事
「13日の金曜日の迷信なんて、たまたまでしょ?」
そう思う人も多いかもしれません。しかし、歴史を紐解いてみると、この日に起きた衝撃的な出来事が次々と見つかります。
1972年10月13日、アンデス山脈上空で起きた「ウルグアイ空軍571便墜落事故」。ラグビーチームを乗せた飛行機が墜落し、生存者たちは72日間もの間、極寒の山中で救助を待ち続けました。この事故は後に映画「アライブ」として dramatize され、世界中に衝撃を与えています。
2015年11月13日には、パリ同時多発テロが発生。130人もの尊い命が失われた悲しい事件です。その7か月前の2015年1月13日には、フランスで「シャルリー・エブド襲撃事件」が起きており、偶然とは思えない日付の一致に、多くの人が戦慄を覚えました。
2012年1月13日には、イタリアで豪華客船「コスタ・コンコルディア号」が座礁・転覆。この事故では32名が犠牲となりました。船長が「13日の金曜日だから」と不安を感じていたという証言も残されています。
こうした出来事の数々は、単なる偶然なのでしょうか?それとも…?
科学的に検証!13日の金曜日は本当に危険な日なのか
迷信は迷信として片付けられない…そんな声も聞こえてきそうですが、実は科学的な検証も行われています。
オランダの保険統計センターが2008年に興味深い調査を実施しました。13日の金曜日の交通事故データを分析したところ、予想に反する結果が!なんと、この日は他の日よりも事故が少なかったのです。
理由は意外にもシンプル。「不吉な日」として認識されているため、むしろ人々が慎重に行動する傾向があるのだとか。火災や犯罪の発生率も、平均よりも低い数値を示しているそうです。
医療分野でも同様の研究が行われています。ある病院が行った手術の成功率調査では、13日の金曜日と他の日で有意な差は見られませんでした。
「迷信を信じて行動を制限するより、むしろ普段通り過ごす方が安全かもしれない」
ある研究者はそう語っています。ただし、これは統計的な話。「だから大丈夫!」と気を抜くのは禁物かもしれません…
意外と知らない!13日の金曜日にまつわるポジティブな逸話とは
「不吉な日」というイメージが強い13日の金曜日ですが、実は意外なポジティブな側面も持ち合わせています。
古代エジプトでは、13という数字には特別な意味が込められていました。人生には12の成長段階があり、13番目の段階で「永遠の生命」を得られると考えられていたのです。つまり、13は最高の祝福を表す数字だったというわけです。
また、月の満ち欠けが13回で1年を形作ることから、古代文明では13を豊穣や実りの象徴として崇めていた地域も。「13=不吉」という考えは、比較的新しい解釈だったことがわかります。
1881年には、この迷信に果敢に挑戦した面白いエピソードも。ウィリアム・ファウラーという人物が「13の会」を設立し、13人で集まって食事会を開催したのです。開催日はもちろん13日の金曜日。さらには、はしごの下を通ったり、塩をこぼしたりと、当時タブーとされていた行為をあえて行いました。結果は?何も不吉な出来事は起こらなかったそうです。
話のネタ満載!友達に教えたくなる13日の金曜日の豆知識
「へぇ、そうだったの!」思わず誰かに話したくなる、13日の金曜日にまつわる驚きの豆知識をご紹介します。
高層ビルの13階表示を避けるのは、実はアメリカの建築業界では今でも一般的。多くのホテルでは13階を14階と表示したり、13番の部屋を作らなかったりします。ニューヨークのエンパイアステートビルディングですら、この慣習を守っているんです。
映画「13日の金曜日」シリーズで有名なホッケーマスクの殺人鬼ジェイソン。実は第1作目には登場しないって知ってました?あのマスク姿が定着したのは第3作目からなんです。
面白いことに、グレゴリオ暦では必ず年に1回は13日の金曜日が訪れます。最大で年3回。しかも400年周期で同じパターンが繰り返されるという、数学的にも興味深い特徴があるんです。
でも、こんな豆知識を知ったところで、13日の金曜日は特別な日なのでしょうか?
結局のところ、それは私たち次第なのかもしれません。不吉な日として恐れるのも、ラッキーデーとして楽しむのも、あなた次第。フランス人のように「むしろラッキーかも?」という発想の転換で、13日の金曜日を特別な思い出の日にしてみるのはいかがでしょうか。
こんな風に、歴史や文化、科学的な視点から見ると、13日の金曜日には思いがけない魅力が隠されているんです。さぁ、これであなたも13日の金曜日通です。友達や家族に「実はね…」と話を切り出してみましょう。きっと、みんな興味津々で耳を傾けてくれるはずですよ。