クリスマスツリーを片付けるベストなタイミング
「クリスマスが終わったら、すぐにツリーを片付けなきゃ」
そう思っている方、実は多いのではないでしょうか?特に日本では、12月26日になるとさっそくツリーの片付けを始める家庭が少なくありません。
でも、実はこれ、世界的に見るとちょっと早いんです。欧米では、クリスマスツリーは1月6日まで飾り続けるのが一般的なんです。
なぜこんな違いが生まれたのか?実は、ここには興味深い文化的背景が隠されています。
欧米でクリスマスツリーを1月6日まで飾る理由
欧米のクリスマスは、12月25日で終わりではありません。実は、クリスマスから12日間は「降誕節(※1)」と呼ばれる特別な期間なんです。
この12日間、欧米の家庭ではクリスマスツリーを飾り続けます。そして、最後の13日目となる1月6日の「公現祭(※2)」でようやくツリーを片付けるのです。
「えっ、なんで12日間も?」と思われるかもしれません。これには素敵な物語が隠されています。
伝説によると、イエス・キリストが誕生した時、東方の三人の賢者たちが赤ちゃんのイエスを訪ねてきたそうです。彼らは星に導かれて長い旅をし、ついに1月6日にイエスのもとにたどり着きました。
この三人の賢者たちの訪問を記念して、1月6日まではクリスマスツリーを飾り続ける習慣が生まれたんです。素敵な由来ですよね。
実は、よく目にする「Merry Christmas & Happy New Year」という英語のメッセージも、このクリスマスが年末年始をまたいで続くという文化から来ているんです。
こう考えると、クリスマスツリーを眺めながら新年を迎えるという欧米の習慣も、なんだかロマンチックに感じませんか?
※1:降誕節(こうたんせつ):クリスマスから1月5日までの12日間。イエス・キリストの誕生を祝う特別な期間です。
※2:公現祭(こうげんさい):1月6日の祝日。三人の賢者がイエス・キリストを訪れた日を記念する日です。「エピファニー」とも呼ばれます。
日本人の多くが12月26日に片付けるのはなぜ?
欧米のような素敵な習慣がある一方で、日本では12月26日にツリーを片付ける人が圧倒的に多いのです。これには、日本独自の文化が大きく関係しています。
実は、日本人がクリスマスツリーを早めに片付けるのには、れっきとした理由があるんです。そう、お正月の準備があるからなんです。
日本の年末年始といえば、大掃除をして、しめ縄や門松を飾り、新年を迎える準備に追われる時期。特に12月28日は、お正月飾りを設置する日とされています。
「え?なんで12月28日なの?」と思われる方もいるかもしれません。これには面白い言い伝えがあります。12月29日は「苦立て(くたて)」の語呂合わせから縁起が悪いとされ、31日は「一夜飾り」と呼ばれて避けられる傾向にあるんです。
そのため、多くの日本人は12月26日にクリスマスツリーを片付け、27日に大掃除を済ませ、28日にお正月飾りを設置する…というスケジュールを組むことが多いんです。
「歳神様(※3)を迎えるための準備」という日本古来の文化と、比較的新しい文化であるクリスマスが、上手に共存している形と言えるかもしれません。
クリスマスが終わるとすぐにお正月ムードに切り替わる。これって、実は日本ならではの興味深い文化の一つなんですよ。
※3:歳神様(としがみさま):新年に各家庭を訪れ、一年の幸せを授けてくださるとされる神様。一般的には先祖の御霊とされています。
クリスマスツリー、いつからいつまで飾るのがベスト?
今年のクリスマスツリー、実はもうすでに「正しい期間」の飾り付けは終わりに近づいています。キリスト教の伝統では、クリスマスの4週間前の日曜日から飾り始めることが推奨されているんです。
その期間は12月1日からスタート。この期間は「待降節(アドベント)(※4)」と呼ばれ、クリスマスを待ち望む特別な時期とされています。ただ、最近では日本独自の楽しみ方も定着してきています。例えば、ハロウィンが終わった11月からツリーを出す家庭も増えているんです。これって、クリスマスシーズンを存分に楽しみたいという気持ちの表れかもしれません。
あるインテリアコーディネーターの方によると、「季節の飾り付けは、その時期を楽しむためのもの。厳密な日付にこだわる必要はありません」とのこと。確かに、その家庭なりの楽しみ方があっていいですよね。
※4:待降節(アドベント):クリスマスまでの約4週間の期間。「アドベントカレンダー」の名前の由来にもなっています。毎日小さな扉を開けて中のお菓子やプレゼントを楽しむあのカレンダー、実はこの期間に合わせて作られているんです。
イベント | 日程 | 備考 |
---|---|---|
待降節(アドベント)開始 | 2024年12月1日(日) | クリスマスツリーを飾り始める伝統的な時期 |
クリスマスツリーの日 | 2024年12月7日(土) | 日本で初めてツリーが飾られた記念日 |
クリスマス | 2024年12月25日(水) | イエス・キリストの降誕を祝う日 |
日本での一般的な片付け日 | 2024年12月26日(木) | お正月準備のため |
お正月飾り設置の日 | 2024年12月28日(土) | 縁起を担いだ日取り |
公現祭 | 2025年1月6日(月) | 欧米での伝統的な片付け日 |
クリスマスツリーと世界のおもしろ習慣
クリスマスツリーの飾り方や片付け方は、実は国によってさまざまな特徴があるんです。
例えば、オーストラリアでは真夏のクリスマス。暑い中でモミの木を飾るのは大変なので、現地の植物を使ったユニークな装飾が人気だとか。
アメリカでは、感謝祭(11月の第4木曜日)が終わった翌日の「ブラックフライデー」から一気にクリスマスモードに突入。この日を境に街中がクリスマス一色に変わるそうです。
ドイツでは、本物のモミの木に本物のろうそくを灯す伝統が今でも残っているとか。もちろん火災には細心の注意を払うそうですが、幻想的な雰囲気を大切にする文化が素敵ですよね。
知ってるだけで楽しい!クリスマスツリーの飾りの物語
クリスマスツリーを片付ける前に、実はその飾りの一つ一つに素敵な物語が隠されているって知っていましたか?
例えば、ツリーのてっぺんに飾る星。これは「ベツレヘムの星」と呼ばれ、三人の賢者をイエス様のもとへと導いた星を表しているんです。欧米では、この星の代わりに天使の飾りを置く家庭も。どちらもイエス様の誕生を祝福する大切な象徴なんです。
リンゴの形をした赤いオーナメントボールには、実は面白い歴史があります。昔は本物のリンゴを飾っていたそうです。でも、冬の間中リンゴを飾っておくのは難しかったため、次第にガラス製の飾りに変わっていったとか。
よく見かける杖の形のキャンディケーン。これって、羊飼いの杖がモチーフなんです。逆さまにすると「J」の文字に見えることから、Jesus(イエス)の頭文字を表現しているという説も。
来年も使えるクリスマスツリーの上手な片付け方のヒント
せっかくのクリスマスツリー、来年も綺麗な状態で使いたいですよね。実は、片付け方にちょっとしたコツがあるんです。
ベテランのインテリアコーディネーターによると、オーナメントは本来の箱に戻すのがベスト。ない場合は、卵パックを代用するのも賢い方法だそう。電飾は、絡まないように段ボールに八の字型に巻いて収納するのがおすすめ。「来年解くのに一苦労…」なんて事態を避けられます。
ツリー本体は、湿気対策が重要。押し入れの奥よりも、風通しの良い場所での保管がベター。防虫剤と一緒に保管すれば、虫食いの心配も減らせます。
クリスマスツリーにまつわる素敵な話を誰かに教えてみませんか?
今回ご紹介したクリスマスツリーにまつわる話、いかがでしたか?片付ける時期一つとっても、その背景には様々な文化や歴史が隠れていたんですね。
欧米では新年もツリーと一緒に迎える文化があること、日本では独自の年末年始の過ごし方に合わせてアレンジしていること。そして、一つ一つの飾りに込められた素敵な物語。
これらの話は、きっと来年のクリスマスシーズンをより一層楽しくしてくれるはず。大切な人と飾り付けをする時、「実はこんな意味があるんだよ」なんて話すのも素敵ですよね。
クリスマスツリーは、単なる季節の飾りではありません。世界中の人々の願いや祈り、そして歴史が詰まった、とっても特別なもの。そんな素敵な文化を、あなたも誰かに教えてあげてください。きっと、クリスマスの新しい楽しみ方が見つかるはずです。