おみくじを結ぶ理由とは?結ばないとどうなる?運勢の真実

雑学

むかしの人の知恵が詰まった!おみくじを結ぶ3つの理由

「大吉が出た!でも結んでいいのかな…」
「凶だったから結んでおこう…」

初詣や観光で神社やお寺に訪れた際、誰もが一度は悩んだことがあるのではないでしょうか。

実は、おみくじを結ぶ行為には、先人たちの知恵が詰まっているんです。主に3つの理由があると言われています。

1つ目は「悪い運気を境内にとどめる」という考え。
これは、凶など良くない運勢を、神聖な場所である境内に「お預け」する発想から来ています。まるで重たい荷物を一時的に預かってもらうような感覚ですね。

2つ目は「神様とのご縁を結ぶ」という意味。
「結ぶ」という行為そのものに、神様との絆を深める願いが込められているんです。これは、私たちが大切な人と約束をする時に「固く結ぶ」と表現することにも通じる考え方かもしれません。

3つ目は「困難を乗り越える象徴」としての意味。
特に、利き手と反対の手で結ぶことで、「苦手なことに挑戦する」という決意表明になるんです。不器用な手で結び目を作る。その小さな困難を乗り越えることが、「凶が吉に転じる」きっかけになると考えられてきました。

おみくじの歴史に隠された驚きの事実

おみくじの歴史は実は想像以上に古く、その起源は国家の重要な決定を下す時の神託(※1)にまで遡ります。

現代のような個人の運勢を占うスタイルになったのは、江戸時代からだと言われています。特に大きな転換点となったのが、徳川家康の側近であった天海大僧正(※2)の影響です。ある日の夢のお告げがきっかけで、長野県の戸隠で100枚の偈文(※3)を発見したことから、今日のおみくじの形が生まれたと伝えられています。

当時は、人々の悩みに対する「処方箋」として、的確な指示や教えが書かれていました。つまり、今でいう人生相談のようなものだったんですね。単なる占いではなく、生きる知恵を授けてくれる大切な導きの糸だったというわけです。

※1 神託:神様からのお告げのこと。現代で例えるなら、とても重要な判断を下す際の「お墨付き」のような存在でした。
※2 天海大僧正:江戸時代初期の高僧で、徳川家康の政策顧問としても活躍した人物。
※3 偈文:仏教の教えを短い言葉で表したもの。今でいう格言や金言に近い存在です。

おみくじを結ぶ場所で運気が変わる?参拝の作法

おみくじを結ぶ場所にも、実はちょっとした決まりがあります。むやみに木の枝に結びつけるのは、実は木々を傷めてしまう可能性があるんです。

多くの神社やお寺では、専用の「おみくじ結び所」や「おみくじ掛け」が用意されています。これは単なる便利さだけでなく、神様への敬意と自然への配慮が込められているんですね。

また、木に結ぶ理由には、木々の生命力にあやかりたいという願いも込められています。まるで、すくすくと育つ木のように、自分の願いも大きく育ってほしいという気持ちが形になったものと言えるでしょう。

おみくじは持ち帰ってもいいの?参拝のルール

「おみくじは結ばなきゃいけない」という固定観念を持っている人も多いのですが、実は持ち帰ることも大切な選択肢の一つなんです。

ウェザーニュースの調査によると、おみくじを結ぶ人が43%、運勢によって判断する人が35%、持ち帰る人が22%という結果が出ています。つまり、5人に1人以上が持ち帰りを選択しているんですね。

持ち帰る場合の心得として、おみくじには神様や仏様の教えが込められているという考え方があります。そのため、財布やバッグの中で大切に保管している人も少なくありません。時には悩みに直面した時の道しるべとして、おみくじの言葉を読み返すこともあるそうです。

特に「凶」のおみくじについて悩む方も多いのですが、実は「凶」も大切なメッセージとして受け止められています。「凶」を引いたからといって、必ずしも結ばなければいけないわけではないんです。むしろ、その警告を生活の中での注意点として活かすことも、立派な受け止め方の一つと言えます。

おみくじの保管方法にまつわるユニークな習慣

おみくじを持ち帰る人たちの間で、思い思いの保管方法が編み出されています。例えば、手帳に挟んで日々の励みにする人、神棚の近くに置いて神様との縁を大切にする人、財布に入れて常に携帯する人など、実に様々です。

面白いエピソードとして、ある会社員の方は、仕事の企画書を出す前に、大吉だったおみくじを見返すことで自信を得ているそうです。また、学生さんの中には、試験前の必勝アイテムとしておみくじを机に置いている人もいるとか。

おみくじの処分には実は作法がある?

「持ち帰ったおみくじ、いつかは処分しないといけないけど、どうしたらいいんだろう?」という声をよく聞きます。実は、おみくじの処分にも素敵な作法があるんです。

一般的には、新しい年を迎える際に、古いおみくじを神社やお寺に返納する方法が取られています。これは、一年間の感謝の気持ちを込めて、神様や仏様にお返しするという意味があります。

特に人気なのが、1月15日頃に行われる「どんど焼き」での処分です。新年の注連縄(しめなわ)や門松とともに、古いおみくじを神聖な火で清めるという伝統行事です。まるで、前年の思い出とともに、新しい年への希望を空高く舞い上がる煙に託すような、風情のある行事なんですね。

おみくじにまつわる素敵な豆知識

おみくじの結果に一喜一憂するのは、古今東西、変わらない人間の姿かもしれません。でも、実は「大吉」や「大凶」には、意外な見方があるんです。

例えば、「陰陽(おんみょう)」の考え方では、「大吉の後には凶が、大凶の後には吉が来やすい」と言われています。これは、物事には常にバランスがあるという東洋の知恵が込められているんですね。

また、おみくじの順位も神社やお寺によって実はバラバラ。一般的には「大吉→吉→中吉→小吉→末吉→凶」という順序が多いものの、「中吉」が「吉」より上位の場所も。さらには「平」という、なんとも言えない微妙な運勢を加えているところもあるんです。

おみくじを通して見える、日本人の素敵な心づかい

おみくじを結ぶ習慣の中には、日本人特有の繊細な心づかいが詰まっています。運勢の善し悪しだけでなく、自然への配慮や、神様への感謝、そして未来への希望。こうした多層的な意味が、小さな紙切れの中に込められているんですね。

次に神社やお寺を訪れた際は、おみくじの向こう側に込められた先人たちの知恵に、少し思いを馳せてみてはいかがでしょうか。きっと、普段何気なく行っている参拝の作法が、新鮮な輝きを帯びて見えてくるはずです。

こんな素敵な日本の文化、ぜひ家族や友人と話題にしてみてください。きっと、「へぇ、そうだったんだ!」という発見の連続になるはずです。

※なお、この記事で紹介した内容は一般的な解釈であり、神社やお寺によって考え方が異なる場合があります。詳しくは、参拝先の作法に従うことをおすすめします。

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