『靴の日』というちょっと変わった記念日
毎日何気なく履いている靴ですが、実は「靴の日」という記念日があることをご存じでしょうか。
バレンタインや母の日のように派手に注目されることもなく、ひっそりと3月15日に毎年訪れる靴の日。靴に特別な感謝の日があるなんて、ちょっと意外ですよね。
普段から何気なく履いている靴が、実は記念日まで作られるほど私たちの生活にとって大切なものだと考えると、なんだか少し不思議な感じもします。
でも考えてみると、靴がなければ外出も難しくなりますし、仕事やおしゃれも成り立ちません。当たり前すぎて気付かなかったけど、靴って意外と私たちの生活を支えてくれている存在かもしれませんね。
なぜ3月15日が『靴の日』なのか
では、どうして数ある日の中から3月15日が靴の日に選ばれたのでしょうか。その理由は、明治時代までさかのぼります。
1870年、東京の築地に日本で初めて西洋式の靴工場ができました。この工場を開いたのは、西村勝三という人物。彼は当時の日本では非常に珍しかった西洋靴を日本で初めて本格的に製造しました。それまで日本人は、草履や下駄といった伝統的な履物しか知りませんでしたから、西洋靴の登場はまさに衝撃的でした。
当時の日本人にとって初めて靴を履くという経験は、例えるなら、生まれて初めて自転車に乗った時のようなものだったかもしれません。実際、慣れない靴に苦戦して、転んでしまったり、靴擦れで足が痛くなったりする人も多かったようです。
そんな日本人に衝撃と驚きをもたらした西洋靴。その第一歩が踏み出された特別な日が、3月15日だったというわけです。このエピソードをきっかけとして、この日はのちに「靴の日」として選ばれることになったのです。
『靴の日』を制定した人たちの想い
靴の日を作ったのは、「日本靴連盟」という団体です。1932年(昭和7年)のことでした。
この団体は、靴の職人やメーカーが協力して結成された組織で、日本に靴文化を広めたいという熱い願いがありました。当時の日本は、西洋の新しいものが次々と入ってきた時代。街には洋服や洋食など、海外から入ってきた文化が次々と定着していました。そんな時代背景のなかで、日本靴連盟の人たちは「靴をただの生活必需品ではなく、暮らしを豊かにする文化として日本中に伝えたい」と願いました。
今の私たちが靴をおしゃれの一部として楽しんでいるように、彼らは靴が日本人の暮らしにもっと深く馴染んでいくことを願ったのです。こうした人々の願いがあって初めて、「靴の日」は日本の記念日の一つになったのでした。
日本人が初めて靴を履いた頃の戸惑い
日本で靴を履く習慣が広まった明治時代、人々は初めて履く靴に戸惑いを感じました。それまで日本人が履いていたのは、草履や下駄といった脱ぎ履きしやすいもの。急に革靴を履くことになり、思わぬトラブルが続出したのです。
例えば、革靴の履き心地は下駄や草履とはまったく違います。当時の日本人は、その窮屈さや足が覆われる感覚にどうしても慣れませんでした。まるで、いつも着ているゆったりとしたパジャマから、突然ピシッとしたスーツに着替えたときの違和感のようだったでしょう。
また、靴には左右があるということすら知らず、左右を逆に履いて街を歩いてしまう人も多かったそうです。周囲に指摘されて、恥ずかしくて急いで履き直した…そんな可愛らしいエピソードも記録に残っています。今では当たり前になった靴も、日本人が快適に履きこなせるようになるまでには、そんなちょっとした笑える苦労話があったのですね。
誰かに話したくなる『靴の日』の雑学
ここまで靴の日のエピソードを色々と見てきましたが、最後に、誰かにサクッと話せる雑学としてポイントだけまとめておきますね。
- 「靴の日」は毎年3月15日。
- 日付の由来は、日本で初の西洋靴工場が1870年に開業した日だから。
- 記念日を作ったのは日本靴連盟。1932年に靴文化を広める目的で制定。
- 初めて靴を履いた日本人は、履き方がわからず戸惑った人も多かった。
日常的すぎて忘れがちな靴にも、実はこんな面白い背景があります。せっかく今日知ったこの靴の日の雑学、ぜひ誰かに教えてあげてくださいね。ちょっとした会話がきっと楽しくなるはずですよ。
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