5月1日は『メーデーの日』|祝日じゃない不思議をスッキリ解説

雑学

5月1日『メーデーの日』って何の日?

ゴールデンウィークが近づくと、街中やニュースで「メーデーの日」という言葉を耳にしますよね。

「あれ?でもメーデーって、結局なんの日だっけ?」
「休みっぽい響きだけど、実際には仕事あるし…」

こんなふうに感じる人は少なくないでしょう。

実はメーデーの日というのは、働く人たちにとって特別な意味を持つ日なんです。ただの休日でもないし、かといって普通の日とも少し違います。

この記事では、「メーデーの日」がどのような経緯で生まれ、なぜ特別な意味を持つのか、その意外な歴史や豆知識をわかりやすくご紹介します。読み終えたころには、「メーデーの日って、意外と面白いんだな」と感じていただけるかもしれませんよ。

メーデーの日ができた歴史

「メーデーの日」は、世界中の労働者たちが団結して、自分たちの働く環境や権利について考えるきっかけとして生まれました。とはいえ、実際にどんな出来事がきっかけで、この日が特別な日になったのかを知る人は、意外と多くありません。

ここでは難しい政治的な話は避けて、誰もがわかりやすく理解できるよう、メーデーの日の始まりを簡単に紹介していきますね。

最初はアメリカの労働者のストライキ

メーデーの日が誕生したきっかけは、今から約130年以上前、1886年のアメリカ・シカゴでした。

当時、多くの労働者は1日に12時間以上も働いていました。想像するとゾッとしますよね…。そこで労働者たちは「8時間労働」を目指し、団結してストライキを起こしたんです。

労働時間を「8時間」にするという要求は、現代から見れば当然のように感じられますよね。でも当時の社会にとっては非常に画期的で、大胆な要求だったんです。

この運動はやがて世界に知られるようになり、1889年にはフランス・パリで開催された「第2インターナショナル」という国際的な労働者会議で、毎年5月1日を世界中の労働者が団結する日として制定しました。

これが、「メーデーの日」の始まりなんですよ。

日本で初めてのメーデーはいつ?

実は日本でもかなり早い時期にメーデーが行われています。最初のメーデーは今から100年以上も前の1920年に東京で行われました。

当時の日本もまた労働環境が非常に厳しく、1日10時間以上働くのは当たり前。そこで労働者たちは海外のメーデー運動に影響を受け、自分たちの権利を主張するために集まったのです。

ところが、その後戦争が激しくなるにつれて、自由に労働運動を行うことが難しくなり、一時的にメーデーも開催できなくなってしまいます。

しかし戦争が終わった翌年、1946年には再びメーデーが復活します。戦後の混乱期を乗り越えようと、多くの人が集まりました。

その後、1952年にはいわゆる「血のメーデー事件」が起こります。これはデモ隊と警察が衝突した大きな事件でした。ただこの記事では深掘りは避けますが、メーデーの歴史の一つとして、知っておくとよいでしょう。

このようにメーデーは世界だけでなく、日本においても長く大切な日として受け継がれてきました。

メーデーが日本で祝日にならない理由

ゴールデンウィーク期間中にある5月1日。カレンダーを眺めていると、「ここも休みだったら最高なのに…」と感じる人も多いのではないでしょうか?

実際には祝日ではなく、普通の平日なんですよね。「働く人の記念日なのに、どうして休みにならないんだろう?」そんな疑問が浮かんでも不思議ではありません。

でも実は、日本でメーデーの日が祝日にならないのには、「なるほど」と納得できる理由がちゃんとあるんです。

ゴールデンウィークだからこそ祝日じゃない

ゴールデンウィーク期間中の5月1日は、前後を祝日に挟まれた貴重な平日です。実は、これが祝日にならない理由のひとつなんですね。

もしこの日を祝日にしてしまったら、連休がさらに長くなってしまいます。もちろん「連休が長い方がいい!」という気持ちもよくわかりますよね。でも、休みが長くなることで生活に影響が出るケースもあるんです。

例えば、銀行や行政サービス、物流などが止まってしまうと、私たちの日常生活に困る場面が出てきます。社会全体の動きを考えると、「ちょっと休みを増やせば良い」と簡単にはいかないんですね。

実は「勤労感謝の日」とかぶる?

もう一つ、日本でメーデーが祝日にならない理由として挙げられるのが、11月23日の「勤労感謝の日」との趣旨の重複です。

勤労感謝の日は、その名前の通り「働くことへの感謝」や「労働の重要性」を再確認するための日です。メーデーの日も「働く人たちの権利や環境を考える日」として似たような趣旨を持っていますよね。

日本ではそれぞれの祝日に独自の意味や価値を持たせています。そのため、似た意味を持つ祝日をもう一つ増やすことは避けられているのです。

だから日本では、メーデーの日が祝日にはなっていないんですね。

誰かに教えたくなるメーデーの日の雑学

ここまでメーデーの日の歴史や日本で祝日にならない理由について見てきましたが、せっかくなら、ちょっとした雑学も知っておきたいですよね。

ここからは、誰かに話したら「へぇ、知らなかった!」と反応がもらえそうな、メーデーの日にまつわる軽くて面白い雑学を紹介していきます。

難しい話は抜きにして、サクッと気軽に楽しんでくださいね。

「メーデー」と「春闘」って別物?

「メーデー」と似た言葉に、「春闘」があります。ニュースでもよく聞く言葉ですが、この2つは実はまったく別物なんですよ。

メーデーは毎年5月1日に世界中で行われる労働者の祭典のようなもの。「働く人たちが団結し、権利や働き方を考える日」とイメージするとわかりやすいでしょう。

それに対して春闘とは、「春季闘争」の略で、毎年春に日本の労働組合が会社側に賃上げや労働条件の改善を求める交渉のことを指します。

例えていうと、メーデーは働く人たちが一緒になって声を上げる「文化祭」のような日。一方で春闘は、個別の会社や業界が具体的に条件を改善するために行う「交渉会議」といった感じでしょうか。

似ているようで、意外と違うんですね。

遭難信号「Mayday」との違いは?

もう一つ、「メーデー」と紛らわしいものに、飛行機や船などが危険なときに発する遭難信号「Mayday(メーデー)」がありますよね。

実は、この2つのメーデーは意味も由来も全く違うんです。

遭難信号の「メーデー(Mayday)」は、フランス語の「venez m’aider(ヴネ・メデ)」、つまり「助けに来て!」という言葉が元になっています。これが英語圏にも伝わり、「Mayday」として緊急信号に使われるようになりました。

一方、5月1日の「メーデーの日」の由来は、先ほどお伝えした通り、労働者の権利を求めた運動から生まれたものです。

どちらも「メーデー」ですが、遭難信号の「Mayday」は文字通り「助けて!」という緊急時の叫びであり、働く人の権利を考える日である「メーデー」とは全然関係がないんですね。

ちょっとした豆知識として、ぜひ友達や同僚との会話のきっかけにしてみてください。

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