タコさんウインナー発祥は料理研究家のひと工夫

お弁当の定番として親しまれているタコさんウインナーは、料理研究家の尚道子氏が考案したとされています。
きっかけは、食が細かった子どものお弁当だったといわれています。
ウインナーをそのまま入れるだけでは食べにくく、子どもが手を伸ばしにくい。そこで、食べやすく楽しい形に工夫したことが、タコさんウインナーの始まりとされています。
今では「かわいいお弁当おかず」という印象が強いかもしれません。けれど発祥をたどると、最初にあったのは飾りつけの発想だけではなく、子どもに食べてもらうための実用的な工夫でした。
タコ型の理由は子どもの食べやすさ

タコさんウインナーで意外なのは、お弁当の定番になった理由が、かわいさだけではなく「食べやすさ」にあったとされる点です。
当時のお弁当に使われていた赤いウインナーは、皮がやや硬く、表面もつるつるしていて、子どもには箸でつかみにくかったようです。
丸いまま入っていると、見た目以上に扱いづらいおかずだったのかもしれません。
そこで切れ目を入れると、箸でつかみやすくなり、口にも運びやすくなります。さらに、お弁当箱を開けたときに小さなタコのような形が見えれば、食べる気持ちも少し動きます。
タコさんウインナーは、ただの飾り切りではなく、食べやすさと楽しさを一緒にしたお弁当の工夫だったといえます。
切れ目が開いてタコの足に見えた

タコさんウインナーの形は、ウインナーに入れた切れ目が加熱によって開くことで生まれます。
片側に数本の切れ目を入れて焼いたりゆでたりすると、切れ目の部分が外側へ開きます。その開いた部分がタコの足のように見えるため、丸い頭と足を持つ小さなタコの形になるのです。
作り方としてはシンプルです。ただ、発祥の話と重ねると少し見え方が変わります。切れ目は、見た目だけを狙ったものではなく、子どもが食べやすくなるように入れた工夫でもありました。
食べやすくするための切れ目が、結果的にかわいらしいタコの姿を生んだ。そこが、タコさんウインナーらしい面白さです。
タコ型ウインナーがお弁当に広まった理由

タコさんウインナーが広く親しまれるようになったのは、形の分かりやすさも大きかったのでしょう。
赤いウインナーがタコの形になっているだけで、お弁当箱の中に小さな遊び心が生まれます。特別な材料を使わず、切れ目を入れるだけで作れるところも、家庭のお弁当に向いていました。
子どもには食べやすく、大人には作りやすい。しかも、ふたを開けた瞬間に目に入りやすい。
この分かりやすさがあったからこそ、タコさんウインナーは一時的な飾りではなく、お弁当の定番として残っていったと考えられます。
なお、「タコさんウインナー」という言葉は一般的な呼び名のように使われることも多いですが、プリマハムの登録商標としての側面もあります。
何気なく使っている名前にも、商品名として扱われてきた一面があるのです。
かわいい形に残るお弁当の気づかい
タコさんウインナーは、今では懐かしいお弁当おかず、子どもが喜ぶかわいい一品として見られることが多いでしょう。
けれど、その発祥をたどると、ただ見た目を面白くするためだけに生まれたものではありません。
食が細い子どもに、少しでも食べてもらいたい。そんな日常の小さな工夫が、タコの形につながったとされています。
そう考えると、タコさんウインナーは単なる飾りではなく、家庭のお弁当らしい気づかいが形になったおかずともいえます。
次にお弁当でタコさんウインナーを見かけたときは、かわいらしい見た目の奥にある、子どもに食べてもらうための工夫まで思い出せそうです。
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