色鉛筆が丸いのはさまざまな持ち方に合うから

普通の鉛筆は六角形なのに、色鉛筆には丸いものが多い。その理由は、絵を描くときの持ち方にあります。
色鉛筆はさまざまな持ち方で使うため、指あたりのよい丸軸が採用されているのです。
例えば、細かい部分を描くときは文字を書くように色鉛筆を立てて持ちます。一方、空や背景など広い範囲を塗るときは、軸を寝かせて芯の側面を使うこともあります。
描きたいものに合わせて持ち方を変えるため、角のない丸軸が適しているというわけです。
では、普通の鉛筆はなぜ六角形なのでしょうか。
文字を書くときは、親指、人差し指、中指の3本で鉛筆を支えます。六角形の軸は指が面に当たるため、安定して握りやすい形です。さらに、机の上に置いても転がりにくいという利点があります。
六角形が持ちにくいから色鉛筆を丸くしているわけではありません。
文字を書くときの安定感を重視するか、絵を描くときの多様な持ち方に対応するか。その使い方の違いが、軸の形にも表れています。
丸い軸は芯を守るうえでも有利と考えられていた

丸軸には、かつて芯の保護にも適していると考えられていた背景があります。その理由を知る鍵は、普通の鉛筆と色鉛筆の芯の違いです。
普通の鉛筆の芯は、黒鉛と粘土を混ぜて焼き固めたもの。ところが、色鉛筆の芯は顔料やロウ、タルクなどを使い、焼かずに固めて作られます。
同じ「鉛筆」でも、中身はまったく同じではないのです。
従来の色鉛筆の芯は、普通の鉛筆の芯に比べて強度が弱く、芯自体も太いという特徴がありました。そこで重要になるのが、芯を包んでいる木の厚さです。
丸い色鉛筆を輪切りにしたところを想像してみてください。芯が中心にあれば、その周囲を包む木の厚さは均一になります。一方、六角形では平らな面と角の部分で、芯から表面までの距離が異なります。
こうした違いから、かつては六角軸では色鉛筆の芯を十分に保護できないと言われていました。丸い軸なら木の厚さを均一にできるため、芯の保護に適していると考えられていたのです。
転がりにくさを求めた六角形の色鉛筆も登場

しかし、色鉛筆が必ず丸くなければならないわけではありません。製造技術の進歩によって、現在では六角形の軸でも芯を十分に保護できるようになっています。
そして今度は、六角形ならではの使いやすさを求める声も出てきました。
2023年、トンボ鉛筆は六角軸を採用した「ハローネイチャー」の色鉛筆を発売しました。その背景には、保護者から寄せられた「転がりにくく、普通の鉛筆のようにしっかり握れる六角軸がよい」という要望がありました。
色鉛筆の缶を開け、何本もの色を机の上に広げる場面を想像してみてください。六角軸なら転がりにくいため、たくさんの色を並べて選びやすくなります。
また、トンボ鉛筆は、まだ持ち方が安定していない子どもでも、親指、人差し指、中指の3本で握りやすいことを利点に挙げています。
色鉛筆の形は、手に持って描くときだけでなく、机に置いて色を選ぶときの使いやすさにも関係しています。丸い軸が当たり前に思える色鉛筆にも、あえて六角形を求める理由があったのです。
こんな記事も読まれています
寝室に設置されているカメラを確認してみた結果…まさかの”寝かしつけ失敗”の様子が287万表示「立ち姿に爆笑」「パパ…w」

