『マリンバ』と『シロフォン』
「シロフォン」と「マリンバ」、どちらも木琴の一種。ぱっと見も似ているので違いを説明できる人は少ないかもしれません。しかし、シロフォンとマリンバはそれぞれ違った特徴を持つ楽器同士なのです。
今回は、シロフォンとマリンバの特徴や違いを分かりやすく解説。最後までお読みいただくと、シロフォンとマリンバの魅力がわかり、音楽をもっと楽しめるようになるかもしれませんよ。
「シロフォン」とは…
シロフォンは、木製の音板を並べた鍵盤打楽器で、木琴の一種。ピアノの鍵盤のように配置された音板をマレット(ヘッドの付いた棒状の道具)で叩くことで音を出し、軽快で明るい音色を奏でます。高音域がはっきりと響き余韻も短いため、リズミカルな演奏に適しています。
音板にはグラナディラ材やローズウッドなどが使用。長さや太さによって音の高さや響きが変わります。また、音板の下には共鳴管が取り付けられており、叩いた際の振動を増幅させることで、より豊かな響きを生み出します。
19世紀にベルギーの楽器製作者、ガスパール・ド・ウィールが開発。はじめは「木琴」という名前でしたが、現在では「シロフォン」として広まっています。オーケストラや吹奏楽、ジャズ、ポップスなど、さまざまな音楽ジャンルで活躍しています。
『マリンバ』とは…
マリンバは、シロフォンと同じく木製の音板を叩いて音を出す打楽器。ただし、音板はシロフォンよりも長く、下部には共鳴筒が取り付けられているため、深みのある柔らかな音色が響きます。低音域から高音域まで幅広い音を奏でることができるのも特徴です。
「マリンバ」の起源は17世紀のアフリカにあります。当初は「バラフォン」という名称で知られていました。その後、ヨーロッパに伝わり改良が加えられ、現在のマリンバへと発展したとされています。
マリンバは、アフリカや中南米の民族音楽をはじめ、クラシックやジャズ、ラテン音楽など多くのジャンルで使用されています。その豊かな響きを活かし、ソロ演奏やアンサンブルで活躍するほか、リズム楽器としてダンスやパフォーマンスにも取り入れられています。
『マリンバ』と『シロフォン』の違いは…
シロフォンとマリンバは、どちらも木製の音板を叩いて音を出す打楽器ですが、いくつか違いがあります。
まず、シロフォンは高音域に適した明るくはっきりとした音が特徴。木製の音板がメタルバーに取り付けられています。一方、マリンバは低音域まで豊かに響く柔らかな音色を持ち、木製の音板が木製のバーに取り付けられています。
また、シロフォンは19世紀のヨーロッパで誕生し、主にクラシック音楽のオーケストラで使用されてきました。一方、マリンバはアフリカや中南米の伝統音楽にルーツを持ち、民族楽器として発展してきた歴史があります。そのため、シロフォンはクラシックや現代音楽でよく使われ、マリンバは民族音楽やジャズなど、多様なジャンルで活躍しています。
使用シーンにも違いがあり、シロフォンはオーケストラや室内楽、ソロ演奏などで用いられることが多いのに対し、マリンバはパーカッションアンサンブルや民族舞踊の伴奏、リズム楽器としても活用されます。
このように、シロフォンとマリンバは見た目が似ていても、音の特徴や歴史、演奏の場面などに違いがあります。
今回の雑学、面白かったらぜひ周りの人にも教えてみてください。