『福神漬け』の歴史と名前の由来を深掘り!知られざる3つの説とは?

雑学

漬物の定番「福神漬け」

カレーのお供としておなじみの「福神漬け」。甘めの味付けで、ご飯との相性も抜群ですよね。実はこの「福神漬け」という名前には、ちょっと面白い由来があるのをご存じでしょうか?

今回は、福神漬けに関する面白い雑学をお届け。最後までお読みいただくと、福神漬けが無性に食べたくなるかもしれませんよ。

そもそも福神漬けとはどういう漬物?

まずは、そもそも福神漬けとはどういった漬物なのかについて解説します。

そもそも福神漬けは、具材が確定しているわけではありません。農林水産省の定義によると、「大根、ナス、胡瓜、ショウガ、レンコン」など13種類の食材のうち、5種類以上を使って醤油漬けにしたものが福神漬けとされています。そのため、使われる食材は製造元や季節によって異なります。また、味付けもメーカーごとに違いはありますが、一般的には醤油、砂糖、みりんを使った甘めの仕上がりが特徴です。

名前の由来①七福神にちなんだ

それでは、なぜ「福神漬け」と呼ばれるようになったのか?福神漬けの名前の由来には諸説ありますが、有力な説のひとつは明治時代の漬物屋に由来します。1885年、上野の漬物店で新しい漬物が誕生しました。この漬物には7種類の野菜が使われており、さらに店の近くにある不忍池では弁財天が祀られていました。そこで、当時人気の作家・梅亭金鵞が七福神にちなんで「福神漬け」と名付けたといわれています。

福神漬け発祥の店とされる漬物店は、現在では「株式会社酒悦」としてその歴史を受け継いでいます。創業者は野田清右衛門という人物。元々は「山田屋」という名で本郷本町に店を構えていました。その後、上野池之端へ移転し、「酒が悦ぶほど美味しいもの」という意味を込めて「酒悦」と改名。福神漬けを生み出しました。

300年以上の歴史を持つ老舗として、今も伝統の味を守り続けているそうです。

名前の由来②福の神みたいに美味しいから

福神漬けの由来にはもうひとつの説があります。その舞台は江戸時代初期、上野寛永寺の勧学寮です。そこで僧侶の了翁道覚が、野菜の切れ端を活用して漬物を作り、食事の一品として提供しました。

この漬物を口にした当時の住職・輪王子宮は、その美味しさを「まるで福の神のようだ」と称え、「福神漬け」と名付けたといわれています。

名前の由来③神様のお供え物で作ったから

福神漬けの由来には、お盆の行事が関係しているという説もあります。かつて精霊流しでは、茄子や瓜といった野菜が川に流されていました。これを拾い集め、漬物として再利用したのが河村瑞賢。

彼は拾った野菜を漬物にして売ることで資金を得るだけでなく、多くの人とのつながりを築いたといわれています。元々、神様へのお供え物だった野菜から作られたことにちなんで、この漬物は後に「福神漬け」と呼ばれるようになったとも考えられています。

今回の雑学を思い出しながら福神漬けを食べてみよう

今回の雑学を振り返ってみましょう。福神漬けの名前の由来にはいくつか説があります。

1つ目は、1885年に上野の漬物店で誕生した漬物に、七福神にちなんで作家・梅亭金鵞が「福神漬け」と名付けたという説。現在も「酒悦」という老舗がその歴史を受け継いでいます。2つ目は、江戸時代初期に上野寛永寺の僧侶・了翁道覚が作った漬物が、住職に「福の神のように美味しい」と評され、「福神漬け」と呼ばれるようになったという説。

3つ目は、お盆の精霊流しで流された野菜を河村瑞賢が拾い、漬物にして売ったことが始まりで、神様へのお供え物から作られたことに由来するという説です。

今回の雑学を思い出しながら、ぜひ福神漬けを食べてみてください。きっと、いつもより美味しく感じられるはずです。

こんな記事も読まれています

クジャクって飛べるの?メスとオスで大きく違うその飛翔力とは

『ホチキス』と『ホチキッス』どっちが正解?意外と知らない正式名称とは