エンタメでよく滑るシーンがある「バナナの皮」
バナナの皮を踏んだら滑る…漫画や映画、ドラマなどエンタメの定番シーンですよね。しかし、実際にバナナの皮は本当にそんなに滑りやすいのか?気になりませんか? ただの都市伝説なのか、それとも科学的に証明された事実なのか、気になるところです。
今回は、バナナの皮に関する面白い雑学をお届け。最後までお読みいただくと、試しにバナナの皮を踏んでみたくなるかもしれませんよ。
バナナの皮はなぜ滑るのか?
そもそも、どうしてバナナの皮は滑りやすいのか? その秘密は、皮の内側にある白い小胞にあります。バナナの皮は踏みつけられることで、この小胞が潰れ、中から粘り気のある液体が染み出します。この液体によって足を滑らせてしまうのです。
また、もう一つの要因として摩擦も関係します。人は普段、足の裏と地面の摩擦を頼りに歩いています。しかし、そこに突然バナナの皮が現れると、思っていたよりも摩擦が小さくなり、バランスを崩して滑ってしまうのです。
バナナの皮の滑りやすさを研究した人がいる
とはいえ、バナナの皮を踏むと本当に滑るのか?この疑問を科学的に解明したのが、北里大学の馬渕清資(まぶち きよし)教授です。専門は医療工学で、人工関節の潤滑などを研究している馬渕教授ですが、関節の軟骨とバナナの皮には、摩擦を減らす共通の仕組みがあると考えたそうです。
研究の結果、前述したバナナの皮には小さな小胞が含まれており、踏まれるとその中の液体が飛び出し、表面を滑りやすくする仕組みがあることが判明しました。
馬渕教授はこの仕組みを実験で詳しく調べるため、多軸荷重センサを用いて、バナナの皮を踏んだ際の摩擦力を測定。その結果、靴と床の摩擦係数が0.412であるのに対し、バナナの皮を挟むと0.066に低下し、6倍も滑りやすくなることがわかりました。この数値はスキーやスケートの滑りとほぼ同じレベルなんだとか。
ちなみに馬渕教授の研究は高く評価され、「人々を笑わせ、考えさせる研究」に贈られるイグ・ノーベル賞の物理学賞を受賞したそうです。
バナナの皮をギャグ化したのはチャップリン
少し余談ではありますが、どうしてバナナの皮で滑るギャグが生まれたのかについても紹介します。バナナの皮で滑るギャグを初めて披露したのは、喜劇の巨匠「チャップリン」。
チャップリンは映画『アルコール先生海水浴の巻』の中で、バナナの皮で足を滑らせるシーンを演じたそうです。この映画は無声映画で、セリフなしで笑いを誘う一発ギャグが多く盛り込まれていた作品だったのだとか。
バナナの皮で滑るシーンは当時において斬新な発想で、観客を大いに笑わせたそうです。
試しにバナナの皮を踏んでみよう!
今回の雑学を振り返ってみましょう。バナナの皮が滑りやすい理由は、皮内の小胞が潰れ、粘り気のある液体が出るため。この液体が摩擦を減らし、足を滑らせてしまいます。また、足と地面の摩擦が予想より小さくなることも関係しています。
この現象を科学的に解明したのが北里大学の馬渕清資教授で、研究の結果、バナナの皮は摩擦係数が低く、スキーやスケートと同じくらい滑りやすいことがわかりました。
今回の雑学を参考に、試しにバナナの皮を踏んでみてください。きっと予想よりも勢いよく足を滑らせることができるでしょう。